路上の陽光 の商品レビュー
チベットの小説家、ラシャムジャの短編集。 人物の繊細な描写が印象的だ。 小説と言えば、ロシアやドイツを中心にヨーロッパのものをよく読んでいたが、ヨーロッパのハードな自己主張や緻密さに対して、アジア人独特の素朴で柔らかなものの見方に心が洗われる感覚だった。 日本はまさにその中間と...
チベットの小説家、ラシャムジャの短編集。 人物の繊細な描写が印象的だ。 小説と言えば、ロシアやドイツを中心にヨーロッパのものをよく読んでいたが、ヨーロッパのハードな自己主張や緻密さに対して、アジア人独特の素朴で柔らかなものの見方に心が洗われる感覚だった。 日本はまさにその中間という気がする。 話は小説から逸れるが、ノーベル賞受賞のアメリカの経済学者ジョセフ・スティグリッツが、日本について、「アメリカやヨーロッパから見ると、ほっと一息つけるような場所」と表現していたことを思い出した。 アメリカンドリームに向かって日々追い立てられたり、隣国との切磋琢磨に明け暮れたりすることなく、豊かな自然に生きる。 そういうアジア的とも呼べる雰囲気を、日本もチベットも共有しているのだろうか。 そんなことを考えた読書体験だった。
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「絶縁」の中の短編がとってもよかったので、この本に辿り着いた。遠いチベットを想像しながら、読んだ。表題作と「西の空のひとつ星」が特に好きかな。翻訳も素晴らしく、全く違和感なくて、訳者さんに感謝です。あと、サクラジマが見える所に住んでいるので、物語に使ってもらってビックリ&...
「絶縁」の中の短編がとってもよかったので、この本に辿り着いた。遠いチベットを想像しながら、読んだ。表題作と「西の空のひとつ星」が特に好きかな。翻訳も素晴らしく、全く違和感なくて、訳者さんに感謝です。あと、サクラジマが見える所に住んでいるので、物語に使ってもらってビックリ&嬉しい。
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チベットに馴染みのない方は著書を読む前、若しくは読んだ後に訳者解説を読むと一層理解が深まると思います。 表題の「路上の陽光」はひたすら切ない。ただ物語に出てくるラル橋でチベットの風を感じてみたいと思いました。「四十男の二十歳の恋」も切ない物語。もうあの頃には戻れないという時間の残...
チベットに馴染みのない方は著書を読む前、若しくは読んだ後に訳者解説を読むと一層理解が深まると思います。 表題の「路上の陽光」はひたすら切ない。ただ物語に出てくるラル橋でチベットの風を感じてみたいと思いました。「四十男の二十歳の恋」も切ない物語。もうあの頃には戻れないという時間の残酷さを感じました。
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文学ラジオ空飛び猫たち第84回 https://spotifyanchor-web.app.link/e/5t2a6RwYhwb 日本人が読んでも共感や感情移入ができる。 文学が描くものって普遍的なんだとあらためて感じた。 気づくと夢中でよむことができる作品が多かった。誰かに紹...
文学ラジオ空飛び猫たち第84回 https://spotifyanchor-web.app.link/e/5t2a6RwYhwb 日本人が読んでも共感や感情移入ができる。 文学が描くものって普遍的なんだとあらためて感じた。 気づくと夢中でよむことができる作品が多かった。誰かに紹介したくなるような話ばかり! きっと作者の人は前向きだけど、影の部分をしっかりと見つめることができる人なんだと思った。
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短編を一通り読んだあと、巻末の解説を読み、もう一度読み返すと違った味わいになる。特に「四十男の二十歳の恋」はチベットの社会的背景を念頭に置くと本当に切ない物語であった。3部作の完結編を早く読みたい。
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チベットからの風を感じる短編7編+ニホンが舞台書き下ろしひとつ。 最初の2篇のその後が気になるがそれはまた次のお楽しみだろうか。 そういえば、ジャニーズの滝沢秀明が、「火山を見ると生きている感じがする」というようなことを言っていたのを思い出した。
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