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ひとりの双子 の商品レビュー

3.5

20件のお客様レビュー

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2024/08/04

地図にも載らないような小さな田舎町。肌の色が薄い黒人が暮らす町で生まれ育った2人は年頃になるとそこを飛び出して都会に向かった。1人は結婚に破れて娘を連れて故郷に戻り、もう1人は自分を偽って白人と結婚して娘をもうけ、家族や隣人を欺いて生きている。互いがどこにいるのか知らないまま、そ...

地図にも載らないような小さな田舎町。肌の色が薄い黒人が暮らす町で生まれ育った2人は年頃になるとそこを飛び出して都会に向かった。1人は結婚に破れて娘を連れて故郷に戻り、もう1人は自分を偽って白人と結婚して娘をもうけ、家族や隣人を欺いて生きている。互いがどこにいるのか知らないまま、それぞれの娘同士が偶然出会ったことから、再び結びつけられる--- 苦しみながらも自分に向き合って生きてきた姉と家族だけでなく自分をも騙して生きる妹。 私は肌の色による差別の本当のところを知らないので何とも言えないけど、アメリカでは根深いものがあって、それがこんな小説を生み出すほどのものなんだということが、何だかやるせない気持ちになりました。同じホモサピエンスなのに。

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2024/06/26

アメリカの歴史的背景をアメリカ文学を通して知ってると、この本の重さが分かるのかなぁ。 カラーブラインド、パッシング、人種的差別。 島国の日本にはあまり馴染みがないもんだもんなぁ。 むらはちぶーとか、身分制度ーとか、そんなのを頼りに読むには、浅い気がする。 なので、勉強不足のわたし...

アメリカの歴史的背景をアメリカ文学を通して知ってると、この本の重さが分かるのかなぁ。 カラーブラインド、パッシング、人種的差別。 島国の日本にはあまり馴染みがないもんだもんなぁ。 むらはちぶーとか、身分制度ーとか、そんなのを頼りに読むには、浅い気がする。 なので、勉強不足のわたしには星3個。物語は特に山場があるわけでもないので、たんたんとすすんでいく。

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2024/02/25

これまで知らなかった世界! 差別が根深い以上 白人でいられるならいたいのね… 切ないけどアメリカの現実。

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2023/10/15

日本に生まれ育った人は、大抵見た目で人種を判断している。白人に見えれば白人だと思う。しかし人種というものに科学的根拠はなく、人間を人種で分けることは意味がないどころか危険なことだと考える人も増えている。アメリカでも現在はそうだろう。 しかし、ほんの少し前まではそうではなかった。 ...

日本に生まれ育った人は、大抵見た目で人種を判断している。白人に見えれば白人だと思う。しかし人種というものに科学的根拠はなく、人間を人種で分けることは意味がないどころか危険なことだと考える人も増えている。アメリカでも現在はそうだろう。 しかし、ほんの少し前まではそうではなかった。 ジム・クロウ法(ワンドロップルール)により、一滴でも黒人の血が入れば、黒人と決まっていた。それがいかに個人や社会に浸透していて、人々を苦しめ、混乱させたかをリアルに感じられる物語だった。 見た目はそっくり、ということは見た目はほぼ白人だった双子が一人は白人(に成りすました、と描かれる)、一人は黒人のまま生きる。それが、彼女たちだけでなく、子どもたちの人生にも影響していく。 この小説が双子のデジレーとステラを描いただけだったらありきたりなものになったかもしれない。しかし、その子どもたちまでを描いたから、深みのあるものとなっている。一人は「タールベイビー」と呼ばれるほど黒く、一人はブロンドでスミレ色の瞳を持つ。この二人の人生が何度か交わるところが妙味となっている。 黒人同士で色が薄い方が価値があると考える、なんて聞いたらバカバカしいと感じるかもしれない。しかし、じゃあ私たちの中にそういう感覚はないか?あるだろう。私たちだけでなく世界のあらゆる時と場所でも。そんな差別意識を炙り出す作品でもあった。

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2023/06/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろかった。黒人差別について、あまり詳しく考えたことも知ることもなかったから、こんなに差別が浸透していた過去の現実に、読んでいて刺激された。 白人として扱われたい黒人、男性になりたい女性、ひとつの場所に留まりたくても留まらない人、逆に留まってしまう人。何者かになりたくてみんながもがいていて、人生の長い時間をかけて自分と向き合いながら、最終的に選んできた選択の上の運命とぶつかる過程が強くて綺麗だった。

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2023/05/07

アメリカ南部のマラードは、白人のように色の白い黒人が住む町だった。地図にも載らないほど小さなその町に住む美しい双子の姉妹デジレーとステラは、16歳のとき町が記念日の行事に浮かれている間に二人で家出をする。決して戻ることはないと思っていたが数年後、姉のデジレーは幼い子どもを連れて町...

アメリカ南部のマラードは、白人のように色の白い黒人が住む町だった。地図にも載らないほど小さなその町に住む美しい双子の姉妹デジレーとステラは、16歳のとき町が記念日の行事に浮かれている間に二人で家出をする。決して戻ることはないと思っていたが数年後、姉のデジレーは幼い子どもを連れて町へ帰ってくる。その子はデジレーには似ず、黒い肌の娘だった。 妹のステラは、白人として生きようと姉も過去の一切も捨て金持ちの白人男性と結婚していた。互いの今を知らずに、それぞれの場所で生きる双子だったが、その娘たちが偶然に出会う。 アメリカ建国以降続く人種の問題だけでなく、性同一性障害やDVなど、さまざまな社会問題をバックボーンに双子のファミリーヒストリーとして展開していく。偶然性に頼るシーンもない訳では無いが、ドラマチックな展開だった。

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2023/02/13

SL 2023.2.10-2023.2.13 双子の姉妹の物語。 その娘たちの物語。 人種差別、性自認、貧富の差。 今の日本に生きるわたしには深く理解できないことも多かったけど、しみじみとした味わいがある。

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2023/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

色の薄い2人の黒人が故郷を飛び出す。 一方は黒人と結婚して故郷に帰り、もう一方は白人として暮らし白人と結婚して裕福に。 そしてその子供たちは、トランジェンダーの恋人を持ち、自分の本当の姿を見失う。 昔のアメリカに強く残る人種差別を濃く書かれた一冊。 白人になりすましたステラは、裕福に暮らせるけど秘密のせいで私生活や娘との関係が上手くいかず元の家族とも疎遠に… 一方のディジーは、真っ黒な子供を産み元夫からの暴力に晒されたが、娘や恋人や母親と良好な関係が築いた。 ちょっと悲しいのが、ディジーは娘に秘密を作らなかったけど、娘はディジーに秘密を作ったこと。 なんだか2人とも報われない… ちょっと不完全燃焼…

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2022/10/04

色の薄い黒人。 ほとんど白人にしか見えない双子。 しかし、当時のアメリカはまだまだ白人と黒人の差別がある時代。 デジレーが子供を連れて帰ってきた。 本当は大学へ行きたかったステラ。大学に行くために高校は卒業したかったのに、働かなければならず、中退。悔しい。 2人で逃げ出す。 生ま...

色の薄い黒人。 ほとんど白人にしか見えない双子。 しかし、当時のアメリカはまだまだ白人と黒人の差別がある時代。 デジレーが子供を連れて帰ってきた。 本当は大学へ行きたかったステラ。大学に行くために高校は卒業したかったのに、働かなければならず、中退。悔しい。 2人で逃げ出す。 生まれ育った故郷から逃げだした双子は、始めは一緒に生活をしていたが、 ステラは突然いなくなる。 大人になり子供(ジュード)をれて、デレジーは、マラードへ戻ってくる。 ジュードとリースの恋 トランスセクシャル→性転換症→ 身体的性と性自認が一致しておらず、性別適合手術やホルモン療法などの施術を望む状態、もしくは、そういった手術を受けた状態のこと。 大人になったステラ。 肌の色が白いから黒人には見えない。 でも、いつもいつもビクビクしていた。 はっきりとラインがありこちらからは白人エリア、こちらが有色人種のエリアと決まっていたから。 夫も娘もステラが黒人であることを知らない。 ずっと隠して生きていたいと思ってるステラ。 あまりにも長く嘘をついてきたせいで、今更、本当の事など語れない。 嘘をつくのが当たり前になっていた。 白人として生きていくために。 再会した時にグッときた。 指輪の話のところも。やっと!と思った。 アメリカのこと何も知らなかった。 知らなければいけないと思った。 良書。

Posted byブクログ

2022/09/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

後半が面白かった。 黒人のお母さんと、白人のお父さんの間に生まれた子どもは、黒人という扱いを受けることに驚いた。 見た目が白人でも、実は黒人の血を引いているというだけで、ネガティブな感じになるのは衝撃だった。

Posted byブクログ