水上バス浅草行き の商品レビュー
日常の些細な場面や出来事を切り取った歌が中心。 一番有名なのはたぶん ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし傘もこんなにたくさんあるし この下の句七七を自分ならこう入れる! って自虐七七がたくさん投稿されてバズったらしい。 ほか 人間はいつも勝手だ 愛犬をドクはふざけた車に乗...
日常の些細な場面や出来事を切り取った歌が中心。 一番有名なのはたぶん ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし傘もこんなにたくさんあるし この下の句七七を自分ならこう入れる! って自虐七七がたくさん投稿されてバズったらしい。 ほか 人間はいつも勝手だ 愛犬をドクはふざけた車に乗せて って「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のことだよね、たぶん。
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岡本真帆さんの初短歌集。むちゃくちゃ面白かった。 ・卵かけごはんの世界から人が消えれば卵かけられごはん ・無駄なことばかりしようよ自販機のボタン全部を同時押しとか ・ほんとうの愛のことばをでたらめな花の言葉として贈るから 日常の出来事をこんなふうに言葉でお洒落に、茶目っ気...
岡本真帆さんの初短歌集。むちゃくちゃ面白かった。 ・卵かけごはんの世界から人が消えれば卵かけられごはん ・無駄なことばかりしようよ自販機のボタン全部を同時押しとか ・ほんとうの愛のことばをでたらめな花の言葉として贈るから 日常の出来事をこんなふうに言葉でお洒落に、茶目っ気溢れる表現ができるようになると、ハッピーに過ごせそうだなぁと全くの素人目線ですがそう感じました。 現代短歌短歌ってエンターテイメントだ!!と唸らされる素晴らしい歌集でした。 次は『あかるい花束』を詠も〜
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「3、2、1、ぱちんでぜんぶ忘れるよって今のは説明だから泣くなよ」に惚れたクチで、滅多に買わない歌集を買った。やっぱり帯とか紹介文に採用される歌が頭抜けて良いな、どうしてそれが「良い」と思うのか全然言語化できないけど。他に自分が好きな首を順に並べると、 「深すぎるお辞儀でひらけ...
「3、2、1、ぱちんでぜんぶ忘れるよって今のは説明だから泣くなよ」に惚れたクチで、滅多に買わない歌集を買った。やっぱり帯とか紹介文に採用される歌が頭抜けて良いな、どうしてそれが「良い」と思うのか全然言語化できないけど。他に自分が好きな首を順に並べると、 「深すぎるお辞儀でひらけランドセル スーパーボールスーパーボール」 まさにランドセルからスーパーボールが飛び出し跳ねる瞬間がありありと浮かぶ。秀逸。 「満月に呼ばれるように着地するホットケーキは円に近づく」 そもそも「ホットケーキ」という単語がぽったりとフライパンに落ちるような語感を持つ点に着眼した一首。「ホットケーキ」と何度も呟いてしまう。 「ストリートビューで降り立つ真夏日の角を曲がればふいに積雪」 分かる〜よくストビューで街中散歩しながら仕事サボってるので。一瞬で視界も景色も切り替わる、インターネットが普及した現代社会の妙を活写した首。 「何度でもめぐる真夏のいちにちよまたカルピスの比率教えて」 これまた分かる〜わざわざ混ぜて作るのは夏だけ、頻度が少ないが故に比率を忘れる。真夏の儀式だ。 他にも二首好きなのがあるけど紹介し過ぎるのも著作権的にどうなんだろう。「ぼく」とか「きみ」とか「わたし」とか、入れるだけで簡易にエモを演出できるワードがなく、その瞬間瞬間を一葉の写真に収めたような詩が好きなのかもしれない。
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表紙を開いた瞬間から歌集が始まる。一瞬で引き込まれる。 奥付の刷数のところにコメントがあってクスッとした。もしかしたら重版ごとにコメント変えてるのかも? 3、2、1、ぱちんでぜんぶ忘れるよって今のは説明だから泣くなよ ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし ていねいなくらしにすがりつくように、私は鍋に昆布を入れる 働いて眠って起きて働いて擦り減るここは安全な場所 花を買う誰かのための花じゃなく私をここに留める花を
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好きなバンドのボーカルが参考に読んだ話を聞いて、私も読んでみた。 とてもわかりやすく、クスッと笑える詩もあり。 こういうのがサラッと詠める人は凄いなって思う。 歳だけとって、言葉の使い方が私はまだまだ子供だ。
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帯に書いてある歌がとっても気に入って買った短歌集。 ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし 傘もこんなにたくさんあるし わたしも知っている景色や感覚が、装飾されすぎていないそのままの言葉で歌になっていて、すっごく楽しかった。 20代前半の頃を思い出すものが多くて、あの頃の毎...
帯に書いてある歌がとっても気に入って買った短歌集。 ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし 傘もこんなにたくさんあるし わたしも知っている景色や感覚が、装飾されすぎていないそのままの言葉で歌になっていて、すっごく楽しかった。 20代前半の頃を思い出すものが多くて、あの頃の毎日に名前を付けてもらったような感覚。 ボリュームたっぷり収録されているので好きな歌なんて選びきれないくらいある。 買えないの ひとつもなくてひとりでも 立ててたことに気づくマツキヨ 自分にも飼い慣らせない動物を 抱きしめて寝るような孤独だ
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【収録短歌より】 ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし 3、2、1、ぱちんで全部忘れるよって今のは説明だから泣くなよ 平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ 犬の名はむくといいますむくおいで 無垢は鯨の目をして笑う 帯の短歌がすご...
【収録短歌より】 ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし 3、2、1、ぱちんで全部忘れるよって今のは説明だから泣くなよ 平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ 犬の名はむくといいますむくおいで 無垢は鯨の目をして笑う 帯の短歌がすごく気に入って、岡本真帆さんは初めて読みますが、購入。あとがきで、「浅草行きの水上バス。どこかに急いで向かうための乗り物じゃない。むしろ、乗らなくてもいい、そんな乗り物。なくても、生きていけるもの。でもそういう存在が、心に潤いや光を与えて、わくわくさせてくれるのを知っている。」って書いてあって、ああいいな、こういう感性が素敵だなあと思った。犬の出てくる歌が多くてそれも気に入った。表紙や挿絵も可愛いし、言葉遣いやリズムが心地よくてしっくりくる。他人の評価は気にせずのびのびと作品を作り続けてほしい。
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歌集を読んだのって… 俵万智さんの歌集以来だと思う。 衝撃的だった『サラダ記念日』 ー「この味がいいね」と君がいったから〇月〇日はサラダ記念日ー あれ?いつだったっけ? 調べてみたら7月6日だった。 『サラダ記念日』の初版は1987年だから…、37年。 時の流れがひしひしと… 岡本さんの歌集を読むきっかけになった短歌がある。 ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし この短歌はフリーペーパー『うたらば』が出した題詠「傘」を受けて読まれ 「ネットプリント毎月歌壇」にも投稿された。 それが2016年のこと。 2018年に岡本さん自身がTwitterに↑の短歌をあげたことでバズッたそうで… <SNSで「ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし」の下の句に自分のずぼらエピソードを明かす人が続出> というニュースを私が知ったのは昨年。 私もずぼらなことは自覚しているので 下の句にチャレンジ~ と、思ったけど、無謀だった(笑) 『水上バス浅草行き』は キュンとする短歌あり ジーンとする短歌あり しみじみする短歌あり そして、思わず声を出して笑ってしまった短歌あり。 楽しい時間だった。 『水上バス浅草行き』を読んだ人それぞれにお気に入りの短歌があるだろう。 最後に私のお気に入り3首 Yeah!めっちゃポリデントって送ろうと入れ歯の絵文字探してた ない シルバニア家族が肩を寄せ合ってメルカリに出るための一枚 間違えて犬の名で呼ぶ間違えて呼ばれたきみがわんと答える あっ、3首と言っておきながらなんですが しみじみ系も紹介しておかなければ! 岡本さんのため(?)にも、私のためにも
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日常の中のきらめき。どの短歌も一読すると意味がすっと入ってくるものが多く読みやすいのに、記憶に残るものが多い。 犬の歌がどれも素敵です
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まほぴの短歌2首しか知らなかったからちゃんと紙で読めてよかった、「こぼれてくものがあまりに多すぎて抱きしめていい犬をください」
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