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鎌倉幕府と室町幕府 の商品レビュー

4.5

5件のお客様レビュー

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2023/02/07

制度や権力構造に重きを置いて両幕府を比較することで、その特徴を浮き彫りにしようとする内容。テーマ毎に研究史と現在の到達点が分かりやすく整理されている良書。

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2022/06/03

はじめに――熱い時代の先に 第一章 部分的な存在としての鎌倉幕府 木下竜馬 対立<協調 皇位継承と公家政権 介入を呼び込む人々 公武にまたがる縁故 第二章 公・武の関係をどうとらえるか 山田徹 武家側の視角 公家側の視角 第三章 鎌倉時代の「守護」とは何だったのか 木下竜馬 守護...

はじめに――熱い時代の先に 第一章 部分的な存在としての鎌倉幕府 木下竜馬 対立<協調 皇位継承と公家政権 介入を呼び込む人々 公武にまたがる縁故 第二章 公・武の関係をどうとらえるか 山田徹 武家側の視角 公家側の視角 第三章 鎌倉時代の「守護」とは何だったのか 木下竜馬 守護は影が薄い 守護の特定と国衛吸収 守護は過大評価されているのか 第四章 守護は地方にいなかった? 谷口雄太 守護領国制論→室町幕府ー守護体制論 熱き議論の果てに 第五章 滅亡は必然か? 偶然か? 木下竜馬 全盛期のなかでの滅亡 滅亡の必然性 専制化 第六章 存続と滅亡をめぐる問い 川口成人 存続を支えた人々 戦国日本のなかの将軍・幕府 畿内近国の実力者たち 座談会 鎌倉幕府と室町幕府はどちらが強かったのか?

Posted byブクログ

2022/05/13

気鋭の若手日本中世史研究者4人が、鎌倉幕府と室町幕府を比較しながら、両幕府に関する近年の研究成果を整理。 自分は日本史好きであるものの、鎌倉・室町時代は最も興味がない門外漢だが、鎌倉・室町幕府を巡る研究史の流れがよく理解できたし、通説が塗り替えられていく歴史学研究のダイナミズムが...

気鋭の若手日本中世史研究者4人が、鎌倉幕府と室町幕府を比較しながら、両幕府に関する近年の研究成果を整理。 自分は日本史好きであるものの、鎌倉・室町時代は最も興味がない門外漢だが、鎌倉・室町幕府を巡る研究史の流れがよく理解できたし、通説が塗り替えられていく歴史学研究のダイナミズムが感じられ、かなり面白かった。 従来の通説が階級闘争的・二項対立的なマルクス主義歴史学の影響を強く受けていて、冷戦終結後にそれを超克せんとする多様な実証的研究が開花したという研究史の流れを再認識した。 ただ、64頁の天皇家系図で室町時代の最重要天皇ともいえる後小松天皇が漏れているのは玉に瑕であった。

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2022/04/30

<目次> はじめに  熱い時代の先に 第1章  【鎌倉時代と公家寺社】部分的な存在としての鎌倉幕府 第2章  【室町幕府と公家寺社】公・武の関係をどうとらえるか 第3章  【鎌倉幕府の地方支配】鎌倉時代の「守護」とは何だったのか 第4章  【室町幕府の地方支配】守護は地方にいなか...

<目次> はじめに  熱い時代の先に 第1章  【鎌倉時代と公家寺社】部分的な存在としての鎌倉幕府 第2章  【室町幕府と公家寺社】公・武の関係をどうとらえるか 第3章  【鎌倉幕府の地方支配】鎌倉時代の「守護」とは何だったのか 第4章  【室町幕府の地方支配】守護は地方にいなかった? 第5章  【鎌倉幕府の滅亡】滅亡は必然か?偶然か? 第6章  【室町幕府の滅亡】存続と滅亡をめぐる戦い 座談会  鎌倉幕府と室町幕府はどちらが強かったのか? <内容> 最新の日本史中世史の研究成果をかいつまんで読むことができる本。この時期の研究史がわかりやすくまとまっている。これによると、中・高の教科書は(特に高校ベストセラーの山川出版社の教科書は)かなり時代遅れなものとなっているらしい。鎌倉幕府は地方をしっかりとおさえ(特に元寇期以降は)、滅亡も偶然性が高いらしい(そうなると足利高氏の気まぐれが注目されるが…)。一方で室町幕府は、守護も畿内近国のものは在京しており、朝廷・寺社とうまく折り合うことでその地位を保てたらしい。一方地方は放置されていたようで、戦国期以降の存続は風前の灯火だったようだ。このへんが授業にどう取り入れられるかだね…

Posted byブクログ

2022/03/20

 とても面白い。  近年、室町時代研究が熱い。論文や専門書のレベルから、最近は新書等の一般概説書にまでその動きが広がってきており、史料により判明した新しい事実や、新たな分析視点や考え方が紹介されている。  本書も、最新研究の成果を紹介しようとする一冊だが、ある論点を鎌倉幕府と...

 とても面白い。  近年、室町時代研究が熱い。論文や専門書のレベルから、最近は新書等の一般概説書にまでその動きが広がってきており、史料により判明した新しい事実や、新たな分析視点や考え方が紹介されている。  本書も、最新研究の成果を紹介しようとする一冊だが、ある論点を鎌倉幕府と室町幕府を比較しつつ検討していくところが、とても面白い。  また、これまでの研究状況を踏まえた上で、どのような理由で反対の論や別の見方が出てきているのか、見直しの方向になっているのかを、一般読者にも分かり易く説明してくれているのは、大変ありがたい。  特に、学会の通説化していた中世史学の泰斗佐藤進一氏の説を乗り越えようとするところは、逆に佐藤氏の凄さを改めて感じたところである。

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