雨に消えた向日葵 の商品レビュー
久しぶりにオーソドックスな警察小説を読んだ気がした。推理モノと思って読んだが、社会派ミステリーだと思う。 派手な展開はなく、ただひたすら地道な捜査が続く。解決の糸口や犯人を見つけたと思えばすぐに道に行き詰まる。事件発生から数年が経過する間に、家族や担当刑事が何を経験して、どのよ...
久しぶりにオーソドックスな警察小説を読んだ気がした。推理モノと思って読んだが、社会派ミステリーだと思う。 派手な展開はなく、ただひたすら地道な捜査が続く。解決の糸口や犯人を見つけたと思えばすぐに道に行き詰まる。事件発生から数年が経過する間に、家族や担当刑事が何を経験して、どのような心境の変化をし、諦めずに失踪した少女を探し続けるかが淡々とした日常の中にも丁寧に描かれていて、深みを感じさせる話だった。
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少女の行方不明者事件を扱った、吉川さんにしては珍しく派手さのない作品。 そのイメージのギャップを除いて読んでみれば、家族や警官たちのやるせない想い、周囲の人や不特定の他人から向けられる思慮に欠ける無自覚な攻撃など、この種の事件の残酷さが生々しく描かれた考えさせられる作品ででした。...
少女の行方不明者事件を扱った、吉川さんにしては珍しく派手さのない作品。 そのイメージのギャップを除いて読んでみれば、家族や警官たちのやるせない想い、周囲の人や不特定の他人から向けられる思慮に欠ける無自覚な攻撃など、この種の事件の残酷さが生々しく描かれた考えさせられる作品ででした。 もしかしてこれをきっかけに作風を変えるのかな?
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とても良かった。感動的な物語でした。 大きな波は来ないが、被害者周辺の3年にわたる生活がジワジワと・・・ずっと引き込まれ放しでした。 吉川英梨作品は「13階の母」以来2冊め、他の作品も読んでみようと思う。
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オーディブルで聴きました。 長い間なかなか捜査が進まず、ずっとこんな調子なの?と思っていたけど、実際の捜査もこんなものなのでしょう。そのせいもあり、後半の展開に加速度がついて引き込まれました。 それにしても、ダークウェブって実際の話?恐ろしすぎる。子どもを持つ親は、心して子ども...
オーディブルで聴きました。 長い間なかなか捜査が進まず、ずっとこんな調子なの?と思っていたけど、実際の捜査もこんなものなのでしょう。そのせいもあり、後半の展開に加速度がついて引き込まれました。 それにしても、ダークウェブって実際の話?恐ろしすぎる。子どもを持つ親は、心して子どもを守る対策を考えて欲しい。老人もまた然りだが。怖い世の中過ぎる。 そして性犯罪は殺人罪と同等にするべき。命があるだけでも良いとすると言う人はいるだろうが、被害者は死ぬまで苦しむわけだから。そしてその家族も。 悪い警察の小説を多く読んでいるので、警察は信じないほうがいいと思っていたけれど、奈良刑事みたいな人もいるのだろうと考えを改めました。小説に左右され過ぎか。
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「奇跡とは、何かが起こることではなく、状況が整うことだ」 ムロさん主演のドラマにいたく感動して、再読。 犯人逮捕の奇跡は、僥倖などでは決してなく、捜査に関わる警察関係者一人一人の、まさに乾草の山から針を探すような地道で粘り強い作業の積み重ねの結果に他ならない。称賛や感謝を期待するわけでもなく、酷暑も大雨も極寒も関係なく、ただ犯人逮捕の使命感と執念をもって粛々と職務にあたる捜査官たちの姿に、ただただ深い敬服の念。 小説もドラマも、事件発生から犯人逮捕に至るまで、その時々の被害者家族の苦悩、捜査陣の士気の波が過不足なく丁寧に、違和感なく描かれていて、どちらも本当に良かった。
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※ 刑事、家族、被害者たちの折れない姿に 胸が揺らされる物語。 太陽を見続ける向日葵のように真っ直ぐで 力強い人たちのお話でした。 ーーーーー 豪雨の日に、学校から帰宅途中の一本道で 忽然と姿を消した小5の少女。 手がかりのないまま、必死に探し続ける 家族と刑事たち。 事...
※ 刑事、家族、被害者たちの折れない姿に 胸が揺らされる物語。 太陽を見続ける向日葵のように真っ直ぐで 力強い人たちのお話でした。 ーーーーー 豪雨の日に、学校から帰宅途中の一本道で 忽然と姿を消した小5の少女。 手がかりのないまま、必死に探し続ける 家族と刑事たち。 事件が事故か、もしくは家出か、幾つもの 選択肢から絞り込めずに捜査は進むけれど 少女の足跡も犯人の痕跡も見つからない。 センセーショナルな事件に周囲は騒然となるが 時間の経過とともに、徐々に人々の記憶から 遠ざかり話題に上らなくなっていく。 そんな中、一人の刑事が諦めずに事件を 追いかけ続け、その真摯な姿に次第に家族とも 心を通わせていく。 使命感か正義感か、諦めない刑事の執念の 根底にあるものも並行して見えてきて、 失踪した少女が見つからないまま月日は経ち 疲弊していく人々の姿には絶望が堆積していく。
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図書館の夏の物語特設コーナーにあったので、たまたま手にしたもの。一気読みで、これドラマになるんじゃない?と思ったら、もうなってたのね。それくらいの内容でした。
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吉川英梨さんの作品は今回が初めて。たまたま100円セールだったので買った本ですが、これはよかった。 奈良刑事が人として最高に好き。刑事ものミステリの中で好きな作品の一つです。
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一気読み。 WOWOWでドラマ化されているのでそっちも見たいと思った。 幼女誘拐事件。残された家族と一人の刑事の執念でついに誘拐された女児を見つける。 現実にありそうな事件
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オーディブルにて。 あっと驚くどんでん返しもないが、良かった。 これは少女失踪のミステリーではなく、少女失踪事件を通して不器用ながら熱い奈良という刑事を主役としたその周りの人々の話なのか。 奈良の妹ですら長年苦しんだから、あおいはこれから先もまた別の苦しみ・戦いがあると思うが、未来が明るくあってほしい。
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