ジェンダーで読み解く 男性の働き方・暮らし方 の商品レビュー
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仕事人間の付けは老後にまわってくる? 専業主婦であっても子育てが終わって、次は介護と追われている人も多い。そうなると、いざ、自分の生き方がしづらい女性も多いと思う。男性は「仕事をメインに過ごしている」からもあるが、家族を中心に生きてきた女性も同様に言えるので、何とごともバランスだよなあと思いつつ。男性の働き方の意識の変化、社会構造の変化、そして女性の意識変化も大事だなと思った。 本の紹介文より ジェンダー格差大国ニッポン 妻の「イライラ」 夫の「モヤモヤ」 なかなか進まない男性の家事・育児参加 男性稼ぎ手社会を壊すことが男性の生きづらさを解消する ジェンダー平等に向けた本気の働き方・暮らし方改革を! 目次 【主な目次】 序 無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス) 第1章 男性稼ぎ手社会の終焉 第2章 ジェンダー平等の実現に向けて求められる男性の「ケア」労働 第3章 母親の「イライラ」と父親の「モヤモヤ」――「イクメン」ブームの功罪 第4章 家庭教育と父親役割のインフレ現象 第5章 ハラスメントのない職場づくりに男性はどう関わるか 第6章 社会を挙げてドメスティック・バイオレンス(DV)と虐待を防止する ●新型コロナウィルスの蔓延にともなうリモートワークの拡大は、男性の働き方と暮らし方を根本から揺るがしている。多くの男性は、仕事場が会社から家庭へと変化し、家庭で過ごす時間が格段に長くなった。それにともない、男性の家事・育児参加の促進が期待される一方で、一部の男性による虐待やDVの増加を懸念する声も聞かれる。 ●これまで、男女平等化の流れの中で、長年にわたり男性の仕事中心の生き方が批判され、男性の家庭参加やワーク・ライフ・バランスの必要性が訴えられてきたが、あまり大きな変化は見られなかった。ところが、コロナ禍は、瞬く間にそうした従来の男性のライフスタイルを大きく揺るがした。今後、私たちの働き方と暮らし方はどう変化していくのだろうか。それは、社会の男女平等化を促すのだろうか、それとも形を変えながらも男性優位の社会が持続していくのだろうか。そうした中で、特に男性たちは、どう振る舞い、どう生活を組み立てていけばよいのだろうか。 ●本書は、コロナ前からコロナ後にかけての日本社会における男性たちの仕事と家庭生活をめぐる現状と課題について、労働社会学、家族社会学、ジェンダー学などの学術的知見に基づいて多角的に考察し、一般読者に向けて平易な言葉で分かりやすく論じるものである。これにより、混迷を極めるポストコロナ社会に向けて、各職場における新たな職場づくり、各家庭での新たな生活設計、そして個々人による新たな生き方の展望となる1冊である。
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ジェンダーや男性学の視点に基づく、男性向けの「ワークライフバランス」の本がようやく出た!と感動。 コロナ禍中に働き方を見直すことができたひと向き……かな。
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ジェンダーというと、女性差別を連想し、身構えてしまう人も多いと思う。特に男性。 この本は男性視点で書かれているので、男性にもとても自然に内容を受け入れられると思う。もちろん女性が読んでも不自然なことは何もない。 子育てを終えた筆者がその経験と、コロナ禍で急速に進んだ在宅勤務などの環境変化、オーストラリアはじめとした海外の男性に関する考え方などを踏まえて、とても分かりやすく書かれている。 家庭の中においては、家事分担はもとより、中学受験など教育サポートにおける父親の役割。介護やDV問題。 仕事においては、仕事人間の期待に応えようとして、地域や家庭での居場所をなくす悲哀や健康の問題、パワハラについてなど。 これらの話題について、関心をもつ鼻緒ともなる良書。 個人的に刺さったフレーズは 「理想の男性像がインフレ状態」ではないかという問題提起。 稼ぎ手としての役割が軽減されないまま、家事育児教育が理想の父親のすべきリストに加わり、このような役割を全うできる人が理想の男性像として確立してしまってはいないか。 そうすると、独身の人、子どもを持たない人などに疎外感を与えないかと書かれている。 前半部分は、今まで働く女性が担ってきたところを、淡々と分担してくれよと鼻白む感覚もあったが、確かに男性の理想像とは何かを考えた。 家庭や社会に男性が参加することは、楽しいことも多く悪いことではない。そのような活動と仕事が両立できるような社会にするためには、いったん理想像として設定することは必要だが、数年後には理想像を含めて多様性が認められるようになっていくのだろうと思う。期待を込めて。
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ジェンダー問題、フェミニズム 男性のいきづらさ、女性のいきづらさ を扱った本の中で、最もよくまとまっていると思う
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大学の先生が引用・参照元を示しながら、現代日本社会におけるジェンダー問題等を分かりやすく丁寧に考察した良書。 南米と欧州に計10年近く暮らした自分の経験からも、この本を読んで、改めて日本社会にはまだ「無理ゲー」に近い、かつ、暗黙の「○○はこうであるべき」の考えが根強く蔓延ってい...
大学の先生が引用・参照元を示しながら、現代日本社会におけるジェンダー問題等を分かりやすく丁寧に考察した良書。 南米と欧州に計10年近く暮らした自分の経験からも、この本を読んで、改めて日本社会にはまだ「無理ゲー」に近い、かつ、暗黙の「○○はこうであるべき」の考えが根強く蔓延っていることを感じる。生き方や表現等についても多様性や寛容さが残念ながら乏しい社会に感じる。著者が冒頭で示しているアンコンシャス・バイアスがいたるところにあり、息苦しさにつながっている。 日本は、男が体を動かして、工場での生産のように、時間に比例して経済価値を生み出すことで「成功」したのかもしれないが、いまの世界で生み出される生産性の高い価値は時間に必ずしも比例しない、ひらめきや発想、独創性に基づくチャレンジによる部分も大きいのではないか。無駄にエネルギーの消耗著しい、耐久レース的ないまの日本社会のありかた、働き方で、世界に伍する生産性、新たな価値やアイデアは生み出されるのだろうか。 80点から100 点を目指す過程は、学校のテストと同じで、60点から80点に引き上げる努力より何倍、何十倍もの時間と労力を要すると思うが、日本社会はその100点を優先、重視するマインドが強すぎると感じる。そのあるかどうかもわからない、100点実現に注ぎ込んでいるエネルギーを、違う価値創造に使うこと、0から1を生み出すチャレンジに向けられないのだろうか。そちらのほうが、例えばずっと停滞している日本経済、GDPも伸びる可能性が広がるのでないか。みな失敗を出さず、時間通りに今あるものを回しきるプレッシャーで疲れきっている。もっと多様性や寛容さ、ルーズさも認めて、人間らしい生活を送ること(それには日本の過剰なサービスはやめて、寛容さも必要だろうか)があたりまえになれば、もう少し前向きな雰囲気が生まれてくるのではないだろうか。 日本に久々に戻ってきて、元気のなさ、なんとなくも暗い雰囲気が社会を覆っているように感じられる。もちろんそうした社会であっても、それにとらわれず、個々であらたな道を切り開き、活躍している人もたくさんいると思う。ただ、ジェンダーの問題しかり、日本は世界の変化からも大きく取り残されている印象が拭えない(もちろん世界に誇れるところもあるだろうけれど) 自分の見方が穿っているところも多分にあるだろうけれど 、この本を読んで、改めてそんなことを考えさせられた。
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