世界が青くなったら の商品レビュー

武田綾乃(著者)

2024/08/13

ある朝起きたら大好きな彼がいない、おかしいのは世界か自分の頭か…
タイムリープものかなと思ったらパラレルワールド。
初めましての作家さんだったけど、面白くどんどん読み進められた。

平行世界にいる、会いたい人に会える店。
謎の店長ミツルさん。
正体はなんとなく察しつつ、ずいぶん回想の亮のイメージとは変わるなぁと。
似てる似てる言うだけでなく、言動で表現してくれたらもっと説得力があったかな。
まぁ本人そのものではないから微妙なところなのかな。

そして次の番人が現れたら解放されて普通に生活できてそうなのは如何に…
平行世界の自分が消える、自分を記憶している人がいなくなる、といのが約束を破ったペナルティであり番人の宿命だと思ったのだけれども。
普通に生活できてたら、そこから新たな人間関係ができていくわけで。
次の番人が現れて消滅するくらいじゃないとペナルティとしてはずいぶん軽いな、と。
ちょっと納得いかず。
ハッピーエンドにするには仕方がなかったのかなー。

2024/08/01

とてもよかった。パラレルワールドの話なのにそんなに難しくなくて、すいすい読めた。ねこもかわいかった。出会う人達と、佳奈の話どれもよかったです。それぞれの思い出の場所で、佳奈が思い出す亮との思い出が微笑ましかった。二人が離ればなれになるのが切なかった。ほんとに好きだってことが伝わる。―昨日の夜、綺麗に塗れたマニキュアを可愛いねって褒めてほしい。

2024/02/24

パラレルワールド全開。だけど丁寧な描写で読みやすい。
『人間っていうのは選択の積み重ねで出来てると思ってるの。一つでも違う何かを選んでいたら、それはもう別人なのよ』
平行世界の考え方に魅了されました。

2024/02/22

読みやすいし、面白かった。が、なんとなく、「ツナグ」や「くすのきの番人」を思い出すような…感じで。
最後の方の展開は、違うけど。ね。

2023/12/02

ファンタジーの世界観の中にしっかり伏線も散りばめられていて、読み進めるにつれ終盤の盛り上がりもあって、満足感のある一冊。お店に来る人のストーリーそれぞれに良さがあった。

2023/10/27

──どの選択をしたとしてもそれは『私』なのです。

読み進めて気付くのはある違和感でした。その謎めいた違和感は星の砂のように散りばめられています。純文学的要素とミステリアス要素が楽しめる。著者の『響け!ユーフォニアム』とは異なる世界観に浸れます。
武田さんの想い描く世界が桁外れに魅力的で、ラストまで読む速度が落ちませんでした。

2023/09/29

ファンタジーを読むのは久しぶりだったけど読むのがとても楽しかった！
読み出すと先が気になってスルスル読めた

今の自分があるのは選択してきた結果だ
と見た時にこれまでの選択の中で何か一個でも違ったら今の自分とは違うと書かれていて
今の自分は大好きだなって感じた。

ただ、あの時こうしてたらって選択する時もあったので
その先がどうなっているのかは気になるなって感じだ

2023/07/04

響け！シリーズが好きで手に取りました。
とても面白い設定のファンタジーの世界。結末は、ちょっと不完全燃焼というか、あまり理解できないところがありましたが、全体としては面白かったです。

私自身、もし・・だったら、という場合の自分を見てみたいと何度も思ったことがあるので、興味深い話でした。
学生の時、あちらの道を選んでいたら？子供を産んでいなかったら？などなど・・
並行世界の自分を知らないからこそ、自分の選択を正解だったと思うことも、悔やむこともできるんだろうなと感じました。

以下は内容に触れます。

30代前半くらいの客、文香の、「大学っていうのはそういう(好きなことだから大変ではないが将来なんの役に立つのかなという)知識を得たい人が行くものなんじゃないの？実用的な知識だけが有益って思われるような社会って、窮屈過ぎて私は嫌だな。就活で役に立たないとしても、これから生きていく上で自分が勉強したことに支えられる瞬間ってあると思うよ。」
は本当に真理だと思います。私も同じことを、同じ年代になって感じます。勉強する時間がある時にはわからないことだと。

ミツルが急に佳奈に歩み寄るのがちょっと不自然に感じてしまいましたが、結末を知るとなるほどという感じでした。

2023/05/05

不思議なお店と存在ごと消えた恋人を巡る話。
どうしてももう一度会いたい人がいたら…。大切な人を亡くした経験があったら、頼りたくなるんだろうか。
亡くした相手と一度だけ会えるという設定はちびねこ亭シリーズと近い感じがあるけど、雰囲気はだいぶ違う。会える相手が亡くした当人か、並行世界の同じ人か、という違いもあるかもしれないけど。
全然気づいてなかったけど、「どうぞ愛をお叫びください」と同じ作者の人だった。

2023/04/20

もし…なんて誰もが抱く感情だと思うが、
選んだ道を正解にすれば良いなんて良く言うが、
それが出来たら苦労しないなんていう感情さえも
よくある話しになった現代社会で、
人の温かさとか見えない感情とか真っ直ぐな心とか
もう少し信じてもいいって思えなくてもそれでも
奇跡ってやつはもう少しだけ信じてもいいんじゃないかって、そんなことを思った。