失われた時、盗まれた国 の商品レビュー

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2023/01/06

感想 日本の希望は誰に盗まれたのか。どこに行ってしまったのか。そもそもそんな希望は幻想だったのか。いずれにせよ我々は新しい希望を作る義務がある。

Posted byブクログ

2025/06/13

昭和には確かに存在し、平成の30年間で消え去ったもの。 ――他人を出し抜くような真似をせずとも、地道に生きていれば、人並みの人生を送れる―― それは引かれたレールだったのかもしれない。遊びたい盛りに勉強した者へは相応の見返りがあるが、そうしなかった者も多少遠回りになるくらいで、誰...

昭和には確かに存在し、平成の30年間で消え去ったもの。 ――他人を出し抜くような真似をせずとも、地道に生きていれば、人並みの人生を送れる―― それは引かれたレールだったのかもしれない。遊びたい盛りに勉強した者へは相応の見返りがあるが、そうしなかった者も多少遠回りになるくらいで、誰もが同じような道を歩いていた時代。 道はいつの間にか真っ暗なトンネルに入り込み、気がつけば誰もが戦場に立っていた。生まれてから死ぬまで市場価値で評価、選別され、見目よくなければ、明るくなければ、センスがなければ... 年齢に相応しい経験値を積めなかった者は容赦なく不合格とされ、その先はない。才なきものは人格を切り売りして日銭を稼ぎ、飽きられたら見向きもされない。個人の尊厳など一顧だにされず、声を上げれば匿名の集団が袋叩きする。 バブル崩壊後の経済を立て直すはずだった構造改革と民営化の正体は税金の中抜きであり、弱い者、貧しい者に差し伸べられていたささやかな手は、冷酷な貧困ビジネスに置き換えられた。 誰かと一緒に叶えたかった夢や希望は、姿の見えない元凶への怒りと憎悪に変わり果て、汚染された心は敵か、そうでなければ自分自身を消し去りたい昏い願望に取り憑かれている。 天災であれ人災であれ、失われた原因が「災い」だったのなら、いつかは取り戻せるかもしれない。しかし、盗まれたのであればどうなるのか。盗賊はまだそこにいる。

Posted byブクログ