夏の体温 の商品レビュー
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二つ目の「魅惑の極悪人ファイル」が好きだ。女子大生作家としてデビューした大原さんが、三作目を書くにあたり、編集者から、出てくる人みんないい人でリアリティがないとOKがもらえず、大学内で「腹黒」と言われる倉橋くんを取材する話。大原さんは、一生懸命、倉橋くんの腹黒いところを聞き出そうとするのだけれど、倉橋くん、人間関係にゆるいところはあるが、結構いい人で…。リアルだと言われる小説を書くために、まずは空想の中ではなく、現実に頭の中以外を動かして様々なことを経験していくべきだと気づいた大原さんの大学生活が楽しみだ。きっとキラキラしている。
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3作の短編でしたが、共通して言えることは心が和らぎました。学生さんが読むと良いのでは、と思ったり、、、。
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「夏の体温」「魅惑の極悪人ファイル」「花曇りの向こう」 短編3作。 人とうまくコミュニケーションのとれない人たちの話。 そこまで変人でもないけど、なんか“いいかんじ”で友だちができない。 「夏の体温」では小学生の瑛介が、入院中の病院で出会う壮太との話。 病気の子どもは大人が思っているより状況を理解していて、自分の立ち位置を演じている。 そんな子どもでも友だちと遊ぶときはワクワクして心から遊べるんだ。 「魅惑の極悪人ファイル」では小説を書く女子大生。 “ストブラ“という意味不明な言葉からはじまり、理解するのに時間がかかった。 ブスで太っていて友だちがいない、と言い切ることで存在している主人公。 腹黒いから、とあだ名がストブラになった男子学生。 まったく共通点がないのに、小説のネタを提供という接点でお互いを知っていく。 「花曇り…」は転校の多い中学生。 ごく短い話。 瀬尾まいこさんの作品ってもう少し深いものを期待したんだけれど、どれもさらっと風が流れた感じで締めている。 悪くはないけど、一読して完。
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友情についての3作の短編集。 表題の「夏の体温」が1番好きだった。 小児病棟という特殊な環境の中で、短い時間にぎゅっと詰まった友情が清々しい。
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死のうと思って辿りついた山奥の民宿。でも死にきれなかった主人公が、田舎に空気や人に触れながら少しずつ自分を取り戻していくのですが… ご飯を食べ、適度に身体を動かして、頭で考えず、身体で感じることが大切。 なんだか、のんびりとする小説です。
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嫌な人が出てこなくて感情が穏やかなまま読める。 病気の不安や自由になれない苛立ちがあっても友達が明るくていい奴なら心が豊かになる。 ストブラと紹介された嫌な奴は嫌な奴じゃないし、本の取材だったのに嫌な奴の話は聞けなかったが友達ができたのは大きな収穫だな。
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瀬尾まいこ先生の作品は構えずに安心して読める。瑛介と壮太は病気にもめげず、友情を育む。子供の心の機微、可能性、瑞々しさを一人称で描き、爽やかな読後感。他二篇もほっこりした。
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ここ数年(「その扉を叩く音」「夜明けのすべて」など、、)、瀬尾さんの作品に共通しているテーマを今回も本書から受取りさせて頂いた印象です。 それは、心に何らかの問題を抱えた主人公(登場人物)が、ともすればネガティブで塞ぎ込んでしまいがちな状況に対し、周囲とのコミュニケーションや、...
ここ数年(「その扉を叩く音」「夜明けのすべて」など、、)、瀬尾さんの作品に共通しているテーマを今回も本書から受取りさせて頂いた印象です。 それは、心に何らかの問題を抱えた主人公(登場人物)が、ともすればネガティブで塞ぎ込んでしまいがちな状況に対し、周囲とのコミュニケーションや、人とお互いに認め合う気持ちで、心の明るい方向へ導かれていく。 優しさと希望に満ちた物語、、 お互いに認め合う、共生の心だと思いました。 瀬尾さんのような小説家が居てくれて本当に良かった、そう感じた作品でした。
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光村国語Ⅰ「花曇りの向こう」含む3つの短編集。 「夏の体温」血小板が少ない瑛介小三、検査含め、もう1ヶ月と10日ほど入院している。彼の心情が語られるのと、その病棟に良く来る、幼稚園児が殆どの低身長の検査入院者(3日)との関わり。そして同じ学年の男子が検査入院して、終わって出て行く...
光村国語Ⅰ「花曇りの向こう」含む3つの短編集。 「夏の体温」血小板が少ない瑛介小三、検査含め、もう1ヶ月と10日ほど入院している。彼の心情が語られるのと、その病棟に良く来る、幼稚園児が殆どの低身長の検査入院者(3日)との関わり。そして同じ学年の男子が検査入院して、終わって出て行くまでが語られる。この話は小学校に勧めたい話。 「魅惑の極悪人ファイル」小説家の大学生が悪い人の話を書けず、ストブラ(腹黒)と噂される男子を取材する。ストブラとの掛け合いや本人の回想が笑っちゃうくらい面白かったり、結局良い人?みたいな結末までの流れとか、面白かった。オンナにだらしなくて誰とでも事に及びまくったりしてるという描写のあたりは小学校により検討案件かと。 「花曇りの向こう」"そこ、胃じゃなくて腸や"のとこが国語でツボったようです。そこ? "あたかもしれない""そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな"が三傑だったらしい。へー。
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「夏の体温」「魅惑の極悪人ファイル」「花曇りの向こう」の3つお話の短編集。 小学生の友情を描いた、タイトルにもなっている「夏の体温」が良かった。 小学生って遊びの天才だなぁーと感心してしまいました! 忘れていた子どもの頃の感覚を思い出すような、あたたかい作品でした。
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