リバタリアンが社会実験してみた町の話 の商品レビュー
2004年、ニューハンプシャー州の田舎町グラフトンを「フリータウン」にしようと大勢のリバタリアンが移住した。しかし自由を至上とする彼らの言動は地元住民との軋轢を生み、そこに自然の脅威も混ざり込んで、事態は混沌としていく。 2004年から2016年まで続いた「フリータウンプロジェ...
2004年、ニューハンプシャー州の田舎町グラフトンを「フリータウン」にしようと大勢のリバタリアンが移住した。しかし自由を至上とする彼らの言動は地元住民との軋轢を生み、そこに自然の脅威も混ざり込んで、事態は混沌としていく。 2004年から2016年まで続いた「フリータウンプロジェクト」の顛末を描くルポ。公共サービスを否定しても共同体を続けられるというリバタリアニズムは不可解としか思われないが、大方の予想通り、プロジェクトはほぼ破綻する。何か決定的なトラブルがあったというよりは、これほど徹底してあらゆる公共サービスを否定すればそうなるだろうという流れが淡々と続くばかりで、正直退屈さは否めない。原題を始めとして本書で特に重視されている熊の問題など、いくつか重大な事件もあるが、それらもリバタリアニズムの実践の結果という感はあまり無く、もう少しハチャメチャな内容を期待していた身としては少々残念。面白いのは、警察や消防、道路、図書館などを徹底して締め付けたにもかかわらず、公共サービスのしっかりした近隣の町に比べてグラフトンの税金が殊更に安いわけではないということだ。
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読みにくかった。 群像劇のように描かれる田舎町のドキュメンタリー。ドキュメンタリーのため、特に物語の盛り上がりもオチもない。何かを学び取るにはわたしには知識も考察力も足りなかった。 舞台の町が、歴史的にもリバタリアンに占拠されてからもひたすらに税金を下げる努力をしてきたにもかか...
読みにくかった。 群像劇のように描かれる田舎町のドキュメンタリー。ドキュメンタリーのため、特に物語の盛り上がりもオチもない。何かを学び取るにはわたしには知識も考察力も足りなかった。 舞台の町が、歴史的にもリバタリアンに占拠されてからもひたすらに税金を下げる努力をしてきたにもかかわらず、そうではない行政サービスの整った隣町と比べても税率がさほど変わらないのには笑った。 飼い猫が被害に遭ったという話で登場した女性が、実は統一教会の信者だったと知った時は俄然面白くなった。教会から離れ、町を愛するようになった彼女が、しかし、町の住みにくさに耐えられず引っ越していった時にはすっかり彼女に同情する視点になってしまっていた。 クマに襲われた被害者側が、役所に煙たがられ、周囲にも落ち度があったのだろうと非難されるのは、田舎の嫌な性質は世界共通なのかとがっかりした気持ちになる。 それにしても、(リバタリアンに限らず)アメリカ人の熊への態度は納得し難い。害獣駆除になんでそこまで慎重になるのか。
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タイトル詐欺。 体感で6割くらいが熊の話だった。原著タイトルが『A LIBERTARIAN WALKS INTO A BEAR』なので、熊が主題の本だと分かったはずだし、事前に熊が登場することは知ってはいたのだが、想像以上に熊ばかりだった。 リバタリアンがその理想のために街を作...
タイトル詐欺。 体感で6割くらいが熊の話だった。原著タイトルが『A LIBERTARIAN WALKS INTO A BEAR』なので、熊が主題の本だと分かったはずだし、事前に熊が登場することは知ってはいたのだが、想像以上に熊ばかりだった。 リバタリアンがその理想のために街を作った話も、各章ごとに一人ずつ登場人物にスポットを当てる形式なので、全体構成が捉えづらく、結局何なの?となる。税金払いたくない人が集まって好き勝手したら、公共施設がボロボロになり、住民間のトラブルが増え、害獣被害が出るって、そんなの社会実験しなくてもわかる話でしょう?
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ニューハンプシャー州。グラフトン。小さな田舎町。リバタリアンが移住してきた。税金は低ければ低いほど良い。公共サービスも最小限にすべき。図書館や消防署にも公金を出し渋る。個人の自由を最大限に尊重。しかしある日、町に熊が出没。熊の扱いも住民各個人の自由。熊にドーナツをあげるおばあちゃ...
ニューハンプシャー州。グラフトン。小さな田舎町。リバタリアンが移住してきた。税金は低ければ低いほど良い。公共サービスも最小限にすべき。図書館や消防署にも公金を出し渋る。個人の自由を最大限に尊重。しかしある日、町に熊が出没。熊の扱いも住民各個人の自由。熊にドーナツをあげるおばあちゃん。熊は次第に人間に危害を加えるようになっていった。
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もう、私達は熊とどう生きるかでいいじゃないですか?まぁリバタリアンと言っても軸は変わんないけど細分化されるし、個々の自由を希求するんなら群れるなとも思う。イデオロギー(グ)にしてもそうだけど、個人で消化しないから最初の理想から遠ざかる。しかし、個人で消化できないモノでもある。個人...
もう、私達は熊とどう生きるかでいいじゃないですか?まぁリバタリアンと言っても軸は変わんないけど細分化されるし、個々の自由を希求するんなら群れるなとも思う。イデオロギー(グ)にしてもそうだけど、個人で消化しないから最初の理想から遠ざかる。しかし、個人で消化できないモノでもある。個人的に本書で引きを強く感じたのは、トキソプラズマに感染した人の症例。ネガティブな感情を恐れなくなり、陰謀論にハマりやすいって矛盾を両立させる正にカネボウに鬼。(鬼に金棒の間違いです。)
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アメリカの田舎町を舞台にした自由と管理、人間とクマをめぐるノンフィクション物語 リバタリアンが思い描く官僚的組織を最小限とし、自治・自責を是とする社会の実現はなかなか大変そうだ。 要点だけでも知りたい人は訳者の解説を読むと良いと思う ーーー リバタリアン 人格や財...
アメリカの田舎町を舞台にした自由と管理、人間とクマをめぐるノンフィクション物語 リバタリアンが思い描く官僚的組織を最小限とし、自治・自責を是とする社会の実現はなかなか大変そうだ。 要点だけでも知りたい人は訳者の解説を読むと良いと思う ーーー リバタリアン 人格や財産に対する無制限の権利を求める思想 "入植者たちは、常に恐怖の中で生きていることから来る激しい憎悪を抱いて熊を嫌った。だが、彼らがもっと嫌うものがあった。税金である。" "死は最悪の災いじゃない。最悪なのは服従だ。人間の心を奪うシステムの中で絡み合う、長年にわたる残酷さや欠乏や隷属に比べたら、すぐに死ぬほうがよほど思いやり深い。" "言い換えれば、グラフトン納税者は1日に70セントほどを節約するために、カナンの住民が享受するものを手放してきたのである"
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リバタリアンというのが、どういう思想の範囲を指すのかよく分からないところもあるが、基本的には自分のことは自分でやるので、国は口出すなって感じなのか。税金払うなんてとんでもない。 かと言って、アナーキストとも違う。 要は、みんな、俺はこう思うなあ、って奴が、俺の自由のために勝手に...
リバタリアンというのが、どういう思想の範囲を指すのかよく分からないところもあるが、基本的には自分のことは自分でやるので、国は口出すなって感じなのか。税金払うなんてとんでもない。 かと言って、アナーキストとも違う。 要は、みんな、俺はこう思うなあ、って奴が、俺の自由のために勝手にするんだと言って集まるんだからうまく行くわきゃない。 最低限の、共生のルールすら決められず、じゃあ、動けなくなったら潔く逝けよと思うんだが、そこは公共が助けろよって、無理でしょう。 熊という否応のない条件もあったわけだが。 実際やっちゃって、それなりに続いたところが、米国の懐の深さっていうか、所詮はそういう田舎な国なんだな、と思わせた。 海外の、こういう奴系にしては、文章が読みやすくて面白かった。
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内容に相応しい邦題をつけるなら『クマvsリバタリアン』というところでしょうか。 翻訳が生硬なせいか、ユーモラスな感じを狙ったと思われる文体がやや滑りがちにも感じられますが。 書いてあることは色々と考えさせられるところもあり興味深いです。
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他の人も書いているが、原題と日本語のタイトルが違いすぎ。 リバタリアンが熊のいっぱいいる町に入っていき、熊と遭遇したという話。 わかったことは、アメリカのリバタリアンという人達が、いわゆる自由主義者とかと全然違う、アナーキストであり、銃さえあれば法も警察も要らない、むしろ邪魔だと...
他の人も書いているが、原題と日本語のタイトルが違いすぎ。 リバタリアンが熊のいっぱいいる町に入っていき、熊と遭遇したという話。 わかったことは、アメリカのリバタリアンという人達が、いわゆる自由主義者とかと全然違う、アナーキストであり、銃さえあれば法も警察も要らない、むしろ邪魔だという人達であること! しかし、消防署もいらないとは凄い人達だ。 アメリカには熊がうじゃうじゃいて、人と隣接していること。 アメリカ人が銃に拘るのがよくわかった。
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まさかこんなに熊のことがたくさん出てくるとは驚き と思ったが表紙のデザインや原題をちゃんと見れば すぐに気づけたはずなのに… とはいえ熊の行動もリバタリアンの行動も統一教会が 出てくるとかも色んな意味で面白かったが、なんか 読みにくかったかな
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