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経営リーダーのための社会システム論 の商品レビュー

4.5

23件のお客様レビュー

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2025/01/05

構造的問題(新興国の農園、孤独死)とは実は悪者がいないなかで起こること。 各プレイヤーに与えられた役割の中で最善を尽くすと起こり得る問題が多い。 要は部分最適になっている状況と理解できる。 別で読んだ、「組織不正はいつも正しい」に近い内容かと。

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2024/08/11

リベラルアーツはとても広義であると思う きっとかなり色んな要素を詰め込んだ1冊なのだろう 統計学的なエビデンスは 逆説的に言い切れるのか少し疑問も残る 突き詰めえていくと社会主義的な思想なのではとさえ感じた フランス、日本、アメリカと生活しているが フランスやアメリカはレジの見...

リベラルアーツはとても広義であると思う きっとかなり色んな要素を詰め込んだ1冊なのだろう 統計学的なエビデンスは 逆説的に言い切れるのか少し疑問も残る 突き詰めえていくと社会主義的な思想なのではとさえ感じた フランス、日本、アメリカと生活しているが フランスやアメリカはレジの見知らぬ店員さんと急に世間話が始まってレジに行列 それでも、あら元気?良い1日を!ありがとう!と声を掛け合う なんてことはしばしばある コンビニの話は日本特有のものなのだろうか しかし、 気にかかる仲間がいるという事実をベースにした同心円的な想像力の働きの延長線上で初めて全体についての意識がうまれる という指摘などは大いに共感する 経営リーダーのための本書はその先の社会システムまで考察さているのだと思う

Posted byブクログ

2024/03/24

いやはやーめちゃくちゃ面白かった...! 豊かになっているはずなのに生きづらいのはなぜか。構造的問題は何か。そもそも、私たちはどんな社会システムに依存しているか。短期的な選択が中長期的にどのような症状を引き起こしているか。なにがセンターピンか。 いつもと違う角度からの刺激がビシ...

いやはやーめちゃくちゃ面白かった...! 豊かになっているはずなのに生きづらいのはなぜか。構造的問題は何か。そもそも、私たちはどんな社会システムに依存しているか。短期的な選択が中長期的にどのような症状を引き起こしているか。なにがセンターピンか。 いつもと違う角度からの刺激がビシビシでした。対話形式で読みやすいです。

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2024/02/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ボスから薦められ、読了。読み進める中で、自身も「システム世界」の一員であり、利便性を追求する余り、無思考/無感覚になっている可能性を強く意識した(例えば、毎日コンビニ弁当を摂取するなど)。もちろん、これは現時点の自分にとっては合理的な訳だが、システム世界に浸かることによる不の可能性を常に念頭に置くことは肝要と思う(コンビニ弁当が自身の味覚を形成すると思うと、それは必ずしも本意ではない)。 また、必ずしもシステム/テクノロジーを全否定するわけではなく、その利便性を享受しつつも、自身が帰属する共同体および共同体から自身が享受している恩恵に思いを馳せることもまた、本書から感じ取った要素の一つ。以下にも引用している通り、システム世界で強く生きるためには、そのベースとなる共同体が不可欠。共同体の存在を忘却/軽視し、維持コストを払わなければ、いつの間にか自身も「底の抜けた人間」になっている、という恐ろしい顛末になりかねない。どのような感情を持つ人と仲間になりたいか/ありたいかを考え、その維持に向け、自身は何を請け負う/与えることができるか、という視点が必要と感じた。 特に印象に残った箇所は以下の通り ・「ただし、未来の設計は必ずしも論理的な帰結から導かれるものではないということだけは再度強調しておきたい。コンピューター科学者のアラン・ケイが述べているように、未来は選択するものだし、選択の主体は僕たちだ」(p.21) ・「構造的問題の最大の特徴は、「悪役がいない」ということだ」(p.57) ・「共同体には必ず維持コストがかかります(中略)共同体からいいものだけを引き出し、コストをかけないという「いいとこ取り」はできません。つまり、「絆には絆コストがかかる」のです。しかし、人々がそのことをわきまえない場合、共同体なんかにコストをかけるよりは、システムからベネフィットを引き出す方が、コストパフォーマンスは高いというふうに損得計算するようになります。すると、システムに依存するうちに、共同体を空洞化させてしまうのです」(p.81) ・「自信を入れ替え可能な存在だと思う人間は、他者のことも入れ替え可能な存在だと見なす」(p.103) ・「日本では最近「グローバルで戦えるような強い個人を育てよう」といったスローガンが掲げられますが、間違いです。人は強くありませんし、強く見えても病気や事故でヘタレます。弱い個人を包摂する共同体、つまり代替不可能な人間関係を備えたホームベースが維持されて初めて、システム世界で強く生きられます」(p.126) ・「「気にかかる仲間」がいるという事実をベースにした同心円的な想像力の働きの延長線上で、初めて「全体についての意識」が生まれるのです」(p.254)

Posted byブクログ

2024/02/04

リーダーシップの旅を読んでファンになっていた野田さんと宮台さんの対談本。好きなお二人の本だけにとても楽しみに読んだら、まさに自分が今悩んでいる部分に対しての処方箋となるようなコメントが数多く散りばめられていた。 とはいえ、簡単に世の中を変えられるわけでもないけれど、少し方向性が見...

リーダーシップの旅を読んでファンになっていた野田さんと宮台さんの対談本。好きなお二人の本だけにとても楽しみに読んだら、まさに自分が今悩んでいる部分に対しての処方箋となるようなコメントが数多く散りばめられていた。 とはいえ、簡単に世の中を変えられるわけでもないけれど、少し方向性が見えたような気がした。 分断を生まないようにしながら、一人一人が傍観者にならず当事者意識を持って参加する共同体を作ることが大事。それをできるファシリテーターが必要なのだと。 ファシリテーターと表現されているが、個人的にはリーダー的な人なのかなと理解している。それも偉そうなニュアンスではなく、コミュニティ意識をもってそのコミュニティを少しでもよくしたいと願う人なのだろう。

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2023/08/26

損得野郎の自分にとっては胸に突き刺さる本だった。失って行く人間らしさに絶望しながら、人間らしさを取り戻す模索をしていこうと思う。

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2023/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冒頭で語られる「日本は社会の底が抜けた状態」というのが、本書を読むことでよく理解できる。また講義形式のせいか、難解な社会システム論が理解しやすく語られているのと、受講生による質問で議論が更に深まっている。 本書では、市場・行政を”システム世界”と呼び、その拡大により、人々の感情劣化(利他性が損なわれ、損得勘定が主な価値判断となる)と孤立化が進んでいると言う。それが仲間意識の希薄化・分断となり、民主政の機能不全に繋がっている。 民主政は、それを営む人間の”善意”や”倫理”が前提となっており、いかに維持が難しいかということと、自分自身も損得勘定の価値判断にすっかり染まっていることに気付かされた。

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2023/02/15

社会の変化が極めて論理的に語られていて、なるほどと膝を打つと同時に、この感情の劣化を止める方法は本当にあるのかと、絶望感の方が大きかった。 今後は宮台氏の他の著書も手を付けるとともに、ピーターティールをはじめとした新反動主義者、加速主義者、リバリタリアンの主張も学んで行きたい。

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2023/01/19

漠然と抱いていた違和感が明確に言語化されている。自分を取り巻く社会がどうなっているのか、どこに向かっているのか、そこから自分自身がどう影響をうけているのか、どう生きていけばいいのか、考えるきっかけになった。 耳の痛い話も多かった。 自分はフリーライドしがち。 講義形式なのと、...

漠然と抱いていた違和感が明確に言語化されている。自分を取り巻く社会がどうなっているのか、どこに向かっているのか、そこから自分自身がどう影響をうけているのか、どう生きていけばいいのか、考えるきっかけになった。 耳の痛い話も多かった。 自分はフリーライドしがち。 講義形式なのと、文字数少なめでかなりわかりやすくしてあると思うので、関連書籍や著者の他の本も読みたい。

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2022/12/10

システム世界の全域化と共同体の空洞化、その結果として孤独死や人間関係の希薄化といった問題が出てきた 合理的な判断と行動の積み重ねが、人間同士の関係性を根本的に変化させ、僕らの精神的安定性を失わせている 短期的な便益を享受するために意図的にシステムに依存する行為(自律的依存)が...

システム世界の全域化と共同体の空洞化、その結果として孤独死や人間関係の希薄化といった問題が出てきた 合理的な判断と行動の積み重ねが、人間同士の関係性を根本的に変化させ、僕らの精神的安定性を失わせている 短期的な便益を享受するために意図的にシステムに依存する行為(自律的依存)が気がつけばシステムなしには生きられない他律的依存に頽落(たいらく)する 生活世界は維持にコストがかかる システム世界の全域化が始まると、社会の変容は基本的に不可逆となる 生活世界の維持をみんなで図ろうとしても、必ず誰かが抜け駆けしてシステム世界の便益を享受しようとしてしまう その誰かは、他の人々と違って生活世界にタダ乗りするだけで、維持に努力を払おうとしない 孤独に耐えられない弱い個人を包摂する役割を果たしてきた生活世界がシステム世界に置き換えられると、人間関係が流動的になり、われわれは入れ替え可能な不確かな存在となる その結果、引き起こされるのが 感情の劣化 であり、排外主義の広がりやヘイトスピーチ、高齢者クレーマーの増加といった社会現象も同じ要因によって生じる 何が自分にとって良い社会なのか 人を助けるとリターンが返ってくるから助ける社会と、困った人にただ善意から手を差し伸べる社会 権力をベースにトップダウンで命令を下すのではなく、人々の信頼を得て共同体自治の確立を向けて人々をエンパワーするリーダー 利他的・倫理的で、周囲から こんな人になってみたい と憧れるリーダー

Posted byブクログ