ヒノマル の商品レビュー
読み終わった まさかその時代の話とは思わず、読み始めてびっくり。 捻りなく、既視感のある内容だけど、面白かった。
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あの古市さんがどんな小説を書いているのかという興味のもと、読み始めたが最終的にタイトルと言いたいことの解離を感じないではいられなかった。 私に伝わってきたのはこういう少女が古市さんの理想なのかなあ?と思うだけだ。 社会背景は現実的であるが、この少女と主人公の家族だけは浮世離れして...
あの古市さんがどんな小説を書いているのかという興味のもと、読み始めたが最終的にタイトルと言いたいことの解離を感じないではいられなかった。 私に伝わってきたのはこういう少女が古市さんの理想なのかなあ?と思うだけだ。 社会背景は現実的であるが、この少女と主人公の家族だけは浮世離れしていた。 それから古市さんが前に言っていた「キスは唾液の交換だ」との発言がどうしても頭から離れなかった。 そう語っていた人がなんでこういう小説を書いたのか甚だ疑問だ。
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第二次世界大戦中の日本。主人公は愛国心の強い中学生。 この小説で著者は何を表現したかったのだろうか? 戦争のリアルな日常だろうか。 すっかり国家にマインドコントロールされてはいるが、男気のある主人公の性格が好ましい。 著者の小説の主人公はバラエティーに富んでいる。 植物状態の元シ...
第二次世界大戦中の日本。主人公は愛国心の強い中学生。 この小説で著者は何を表現したかったのだろうか? 戦争のリアルな日常だろうか。 すっかり国家にマインドコントロールされてはいるが、男気のある主人公の性格が好ましい。 著者の小説の主人公はバラエティーに富んでいる。 植物状態の元シンガー(女性)、高層ビルの窓を清掃する青年、海外に逃避している元俳優と親しくなる料理人。 人間を俯瞰出来ているのかな。 次作も楽しみにしている。
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今の世界情勢とつい照らし合わせずにはいられない。 戦時中の日本にたくさんあったであろう物語のひとつ。日本にもこんな時代があった。そして、戦時中であっても、コロナ禍であっても、そのどちらでなくても、人や世間というものはあまり変わらないのかもしれないな、と思った。 そこにちょっとだけ...
今の世界情勢とつい照らし合わせずにはいられない。 戦時中の日本にたくさんあったであろう物語のひとつ。日本にもこんな時代があった。そして、戦時中であっても、コロナ禍であっても、そのどちらでなくても、人や世間というものはあまり変わらないのかもしれないな、と思った。 そこにちょっとだけがっかりしつつ、それでも涼子と勇二、そして優一の存在に明るい希望を感じながら読み進めた。 古市氏の小説は初めて。 表紙をめくった1ページ目で、読み進めていく先々で、人に対しての誠実さを感じた。 テーマとは裏腹にとても優しい物語だった。 そして驚いたのが参考文献の数。 物語に対して感じた優しさや誠実さは著者自身が持っているものが滲み出た結果なのかもしれない。
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8月に読めて良かった。戦時下の青春物語。戦争の厳しい描写もあるが、3人の物語は涼子の甘夏の香りの様に爽やか。啓介がどうしたか気になる。
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プロフィールによると作者は哲学者とある。 う~ん難しいのかな・・・ しかし話はわかりやすく、内容にもすんなり入っていける。 昭和18年、大学生の兄を持つ勇二は、国家のために命を捧げると公言する中学生。 ある日であった少女は、日本は戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う。 反発...
プロフィールによると作者は哲学者とある。 う~ん難しいのかな・・・ しかし話はわかりやすく、内容にもすんなり入っていける。 昭和18年、大学生の兄を持つ勇二は、国家のために命を捧げると公言する中学生。 ある日であった少女は、日本は戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う。 反発しながらもいつしか惹かれていく勇二だが。 戦局は悪化し、自由は統制され、未来さえ見通せなくなり、 自分の向かうべき道もわからなくなり・・・ 愛国精神に満ち溢れた若者目線で書かれた一風変わった反戦小説だが、これはそんな中で揺れ動く繊細な恋愛小説でもあると思う。
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物語の構造が良いなと思った。 プロローグで始まり、物語が終わり、エピローグでプロローグに戻る。 しかし、小説を読み終わるとプロローグの同じ情景が違って見える。 そういう仕掛けのある構造は物語としてストンと落ちる。 話としても対照的な兄弟の物語。 終戦中、帝国男子の規...
物語の構造が良いなと思った。 プロローグで始まり、物語が終わり、エピローグでプロローグに戻る。 しかし、小説を読み終わるとプロローグの同じ情景が違って見える。 そういう仕掛けのある構造は物語としてストンと落ちる。 話としても対照的な兄弟の物語。 終戦中、帝国男子の規範を目指す頭の固い弟勇二と、仏文科に進み自由な思考の持ち主の兄雄一。 その間にいるのは、やはり自由な思考を持つ女子、涼子。 戦争は進み、やがて雄一は学徒出陣の一員として航空機整備兵となる。 一方、非国民のレッテルを張られて村八分に置かれる涼子に対して、勇二は何もやましいことはないのに非難の目を誰かに向ける世間に対して義憤を抱く。 戦争という時代があった。 時代の流れは、常識も、思想も、世間も変える。
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悔しいけどこれも読み出したら止まらなくなった。戦時下の青春ラブストーリーって感じは確かにした。でも、なんか質感がしっくりこないのはなんやろ。CGアニメっぽいねんな。
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「他人の心がわからないというのは、人間に与えられた一番の贈り物かも知れないな(P193)」 戦時下の日本を描いた古市憲寿さんによる恋愛長編小説。古市さんの小説は全部読んでいて、これまではサブカルネタ満載の現代小説だったが、今作はサブカルネタは封印。戦時下の少年と少女の恋模様を描い...
「他人の心がわからないというのは、人間に与えられた一番の贈り物かも知れないな(P193)」 戦時下の日本を描いた古市憲寿さんによる恋愛長編小説。古市さんの小説は全部読んでいて、これまではサブカルネタ満載の現代小説だったが、今作はサブカルネタは封印。戦時下の少年と少女の恋模様を描いた作品だが、ストーリが滅茶苦茶練られていて、最初と最後が美しく繋がっている。読んでいくうちに戦時下は今のコロナ禍になんとなく似ていると気付いた(だからあえてこのタイミングで出したのかな?)。これまでの古市さんの作品とは全く違うが、個人的には一番好き、なんか直木賞あたり取りそうな感じ。
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考え方が違っても、人は人を慈しむ事が出来る。 多様な考えを一歩引いた視点で包括するような物語だった。 そしてこの相互監視社会への真っ直ぐなメッセージでもあったと思う。 古市さんの哀しいような優しさが心に染みた。
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