共有地をつくる の商品レビュー
第一章 欲望の呪縛から逃れる プランBを考える習慣 買うからほしくなる 私有=失うものが増える 第二章 非私有的生活への足掛かり 共同体的エートスと豊かさ 家族形態 退屈な地縁共同体 第三章 リナックスという共有地 オープンソース運動 贈与経済 基盤的コミュニズム 第四章 共同体...
第一章 欲望の呪縛から逃れる プランBを考える習慣 買うからほしくなる 私有=失うものが増える 第二章 非私有的生活への足掛かり 共同体的エートスと豊かさ 家族形態 退屈な地縁共同体 第三章 リナックスという共有地 オープンソース運動 贈与経済 基盤的コミュニズム 第四章 共同体のジレンマ 一身のうちにある前近代と近代 近親憎悪 野生と文明 共有地 第五章 家族の崩壊 家制度のメンタリティ エンゲル係数 第六章 消費資本主義から人資本主義へ リアルな交換 貨幣=社会的技術 第七章 共有地をつくる 歓進と喜捨 自分の共有地をつくる
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※このレビューにはネタバレを含みます
たいていの選択は、二者択一ではなく程度の問題。 定住は、疫病が怖いためなかなか進まなかった。 私有制が現代社会を隘路に追い込んでいるのではないか。 近代とは、永遠の成長を前提として考案されてきたシステム。 欲しいから集めるのではなく、集めるから欲しくなる。 欲望は欲望によって駆動される。 マーケティングとは、いらないものを買わせる技術。 ゲンジ的消費=見せびらかしの消費=資本主義の本質。 リンカーン時代の自営農地法(ホームステッド法)で土地の所有が認められた。GHQの農地改革、墾田永年私財法も同じ。所有欲を刺激するもの。 韓国の合計特殊出生率は0.84。急激な人口減少社会。初婚年齢も急激に上昇している。少子化、晩婚化が進む。 欧米は、婚外子が50%前後まで高い。ドイツでも35%、フランスは60%。日本と韓国は数%。 封建主義的な家族意識を引きずっているのではないか。 新しい社会への憧れと、閉鎖的な村社会への帰属意識がアンビバレントな感情として両立している。 これを解決するのは、二者択一ではなく程度の問題として変換する場所が必要=共有地。 気が付いたときは変化は終わっている。封建主義的な家族観は存在しない。
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著者の本をよく読んでいますが、割と難解な部分があるのですが、この本は非常に読みやすく読めました。 老いというか、下り坂と私有から共有へ。。 ということだと思います。
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読書メーターやブクログがそうであるように、なんらかの私的財産を所有したままに留めておくのではなく公に提供して「共有」できる財産に変えること。その意義が本書では語られる(phaや鶴見済がやんわりと資本主義社会に異を唱えているのを思い出す)。語り口が柔らかく、押しつけがましさがないと...
読書メーターやブクログがそうであるように、なんらかの私的財産を所有したままに留めておくのではなく公に提供して「共有」できる財産に変えること。その意義が本書では語られる(phaや鶴見済がやんわりと資本主義社会に異を唱えているのを思い出す)。語り口が柔らかく、押しつけがましさがないところがいいと思った。私たちにも実践できそうな「オープンソース」の思想であると思い、その実践を通すことでギスギスした人間関係から成り立つ資本主義ではない柔らかな共同体主義を立ち上げることができるのではないかと著者は問うていると考える
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「私有財産なしで、機嫌よく生きてゆく」という帯の惹句にやられたかな。 本書を知ったきっかけは何だったか?先日読んだ『BIBLIO PHILIC BOOK』の中で誰かが紹介していたような気がしたが、今、パラパラと見返してみたが違った。では、『千年の読書』(三砂慶明著)だったか?...
「私有財産なしで、機嫌よく生きてゆく」という帯の惹句にやられたかな。 本書を知ったきっかけは何だったか?先日読んだ『BIBLIO PHILIC BOOK』の中で誰かが紹介していたような気がしたが、今、パラパラと見返してみたが違った。では、『千年の読書』(三砂慶明著)だったか? いずれのせよ、「私有財産なしで、機嫌よく生きていゆく」ために、その可能性を、クラウドファンディングと似つつも非なる「勧進」という日本古来のシステムに見出した、という紹介にも興味を持って読んでみた。 が、おっしゃることは分かるが、いや、話があちこちに富んで、実は分かりにくかった。 あるいは、団塊の世代(著者は1950年生まれ)が、今後、悠々自適に楽しく老後を送るための思索、あるいは今後の実践ノススメという体で、そこそこ余裕のある暮らし向きがあっての話という感がして、あまり響かなかった。 「近代の歴史は、まさに所有財産確保の歴史でした。」 そうでしょう。そして行き過ぎた資本主義、消費経済は、ヒトをますます購買へと走らせる。 「欲望は欲望によって駆動されると言ってもよいかもしれません。」 そして所有物が増えれば増える程、 「私有するとは「失うもの」が増えるということです。」 と警鐘を鳴らす。だから、 「わたしは現代の諸問題(蒐集、資産の退蔵、格差の固定、環境破壊)の多くが、過剰な私有制に端を発していると考えており、できれば私有制とは違う環境を自分の周囲につくれたら面白いのではないかと常々考えていました。」 面白いでしょうね、実現できたら。きっと、機嫌よく老後を愉しく生きていけるでしょうね。うまく時代を逃げ切った(かどうかはまだ分からないけど)、著者の世代、一定の成功を得た人は、その実践に向けて思索に更ければよいでしょうが、ユートピアを語って聞かされる心地良さすらも、あまり感じることが出来なかった。 著者のための、著者の人生を「機嫌よく生きていく」ための思索の書。 あぁ、副題に「“わたしの”「実践的私有批判」」と、ちゃんと書いてあった。
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