奏鳴曲 北里と鴎外 の商品レビュー
分厚くて読み進められるか不安だったが、ややこしい時代背景を、北里については客観的視点から、鴎外については、''ぼく"という一人称で、主観的視点からよく描いている。2人は同じ時代に生きたものの、文献上絡みはあまり残っていないとのことだが、おそらく実際こ...
分厚くて読み進められるか不安だったが、ややこしい時代背景を、北里については客観的視点から、鴎外については、''ぼく"という一人称で、主観的視点からよく描いている。2人は同じ時代に生きたものの、文献上絡みはあまり残っていないとのことだが、おそらく実際こうだったのでは?と素直に思えた。育った環境も大いにあると思うが、立身出世のために他の犠牲を厭わず自己中な鴎外に対し、未来を見据え、国民の健康のために医学はあるべきという信念と広い視野で物事を捉えられる北里。 北里柴三郎について、あまりよく知らなかった分、とても勉強になった。 そして、作者のあとがきにもあるが、日清日露において戦死者よりも死人が多く出た脚気の事実に対する政府の隠蔽体質は今のコロナ問題に相通じている。日本はやはり、資本主義の仮面を被った社会主義だ。
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コロナ黙示録は読んでいてつまらなかったが、これは興味深く読めた。人の命の現場に置いて、政治的な理由で物事が曲げられてしまう状況への海堂さんの怒りは、この作品を読めば理解できると思う。ただ怒りに任せて作品を書いても、その怒りに同調しない限り不快感が増すだけだ。この作品は上手くそれを...
コロナ黙示録は読んでいてつまらなかったが、これは興味深く読めた。人の命の現場に置いて、政治的な理由で物事が曲げられてしまう状況への海堂さんの怒りは、この作品を読めば理解できると思う。ただ怒りに任せて作品を書いても、その怒りに同調しない限り不快感が増すだけだ。この作品は上手くそれを回避しているから読めた。
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北里柴三郎と森林太郎(鴎外)の一生と日本の明治時期の医学の創始の出来事がこの二人に焦点を当て語られている。文部省と内務省の軋轢、そこに陸軍、海軍軍医部が絡む非常にややこやしい関係でそこに生きた北里と森。部門のバックを得ながら、二人は頂点を極めていくが、本当のところは誰が一番笑った...
北里柴三郎と森林太郎(鴎外)の一生と日本の明治時期の医学の創始の出来事がこの二人に焦点を当て語られている。文部省と内務省の軋轢、そこに陸軍、海軍軍医部が絡む非常にややこやしい関係でそこに生きた北里と森。部門のバックを得ながら、二人は頂点を極めていくが、本当のところは誰が一番笑ったか? ただどちらにしてもこの明治時期の偉人たちはやはりみんなよくやっている。本としては二人の語りで語られているが、まあ、よく分かりやすく書かれているので、素人でもよく分かることでよかった。コレラ、結核、ジフテリア、スペイン風邪、脚気、ペストなど明治時期から流行った病のワクチンなどを発見しているところはやはりそれなりに読み応えがある。ただ政治活動的なところは読むのは面白いが内容はちょっとね。
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【明治時代、感染症と戦った北里柴三郎と、森外の知られざる物語】明治期の日本でコレラ等と戦った北里と外。「感染症学」を通じて、国民の命を守ることに奔走した二人は、なぜ道を違えたのか。
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