タラント の商品レビュー
とても生きにくいこの世の中でとにかく生きてる、働いてる、他者とコミュニケーションが取れている、それだけでもりっぱなタラント(才能)なのでは?と、思うのだけど… まわりが活躍してるから自分も成し遂げなければって焦るんだろうなぁ みのりが大学進学のために上京するあのワクワク感、若く...
とても生きにくいこの世の中でとにかく生きてる、働いてる、他者とコミュニケーションが取れている、それだけでもりっぱなタラント(才能)なのでは?と、思うのだけど… まわりが活躍してるから自分も成し遂げなければって焦るんだろうなぁ みのりが大学進学のために上京するあのワクワク感、若くて、いろんなこと知りたくて、出会いたくて、キラキラしてたその場面が好きだ 何かしたいこと、できるであろうことを見つけたみのりが、輝いて生きていければいいなと思う
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ボランティア活動とは一体誰の為なのか 自分の起こす行動の責任 自分がただ傍観者となる虚しさ 人が目標や目的を持って生きる事は誰かの物差しで決して測れるものではなく その形は自分なりの形で良いのだと思う。 最終的に自分の生き方を振り返る良い作品だったが、序中盤のゆっくりの流れがどこ...
ボランティア活動とは一体誰の為なのか 自分の起こす行動の責任 自分がただ傍観者となる虚しさ 人が目標や目的を持って生きる事は誰かの物差しで決して測れるものではなく その形は自分なりの形で良いのだと思う。 最終的に自分の生き方を振り返る良い作品だったが、序中盤のゆっくりの流れがどこに繋がるのか?後半の良い場面が逆に速攻で終わった感じだった。個人的には祖父の話をもっと深掘りしてほしかったかな。
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※このレビューにはネタバレを含みます
これまた長編で読み応えたっぷり。 みのりとみのりの祖父、清美(戦争で片足を失っている)と交互に語られて物語は進んでいく。 以下、箇条書き。 ・清美の戦後が悲しく、せつない。戦争で傷を負ったのは体だけではない。笑うな、よろこぶな、味わうな、ただ見ていろ。 ・ムーミンが異国の列車事故で亡くなる、その喪失感。 ・玲や翔太、海外支援活動の時とは違っていく価値観。 ・義足のパラリンピック選手、涼花は返事ももらわず、ずっと書き続けていた清美への手紙。 ・最期にもらった手紙には震える文字で、「とべ とべ たかく たかく」 ここは泣いたよ。 ・清美 パラリンピックに出る予定だったんだね。 ・四国、香川県?方言がこころに沁みる。 ・陸はやがて清美のことを書くだろう。 ・そしてみのりも、義足が足りてない国への活動を遠からず始めるだろう。 「タラント」才能。 いい世界を垣間見せてもらった小説だった。
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ボランティアに義足に登校拒否に高松うどんにと盛りだくさん。寿士さんが穏やかな人でよかった。陸もかわいい。おじいちゃんも。
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大学でボランティアサークルに所属し、海外の貧しい国の子供たちを、何度か訪ねたことがある、みのりは、今は結婚して、新しいことに、すっかり消極的になっていたが・・・。この小説には、3人の片足を失った人が出てくる。第二次大戦で片足を失ったみのりの祖父の清美、大学卒業後、みのりが、難民キ...
大学でボランティアサークルに所属し、海外の貧しい国の子供たちを、何度か訪ねたことがある、みのりは、今は結婚して、新しいことに、すっかり消極的になっていたが・・・。この小説には、3人の片足を失った人が出てくる。第二次大戦で片足を失ったみのりの祖父の清美、大学卒業後、みのりが、難民キャンプを訪ねるヨルダンへのツアーで会った、戦争で片足を失った少年、そして、パラリンビックを目指す、片足の女性アスリート。清美の過去を知り、そして、周囲の人に背中を押されるようにして、みのりが、ちょっと前向きになるラストが清々しい。
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さすがの角田光代さん作品、終始おじさんの涙腺を随所で弛めてくれましたよ♪ 香川県高松市の旧い人気讃岐うどん店で高校生まで育った娘みのりは見飽きた景色と空のこの地を絶対に出たくて出たくて東京の大学に夢と希望を抱いて旅立った! ただもう戸惑うばかりの新生活だったがふと入会したボランテ...
さすがの角田光代さん作品、終始おじさんの涙腺を随所で弛めてくれましたよ♪ 香川県高松市の旧い人気讃岐うどん店で高校生まで育った娘みのりは見飽きた景色と空のこの地を絶対に出たくて出たくて東京の大学に夢と希望を抱いて旅立った! ただもう戸惑うばかりの新生活だったがふと入会したボランティアサークルで、自分が変われる活動を見つけた気になる。 ここでかけがえのない仲間たちに出会うのだが何事にも確たる自信が無く、くよくようじうじしてしまい、そんな自分に嫌悪を感じもする。 仲間達がそれぞれ、才能や使命を見つけたごとくに歩んでいくのと距離が開くばかりと自己嫌悪感を持ちつつも自分なりの道を模索する。 寡黙で表情に乏しい祖父の清美がみのりが上京以来、時折東京に謎の上京をしてくる件りもずっとずっと興味深い。 みのりの1999〜2020まで20年間あまりの物語、素材が敗戦 東京オリパラ 東北大震災 コロナ禍と盛り沢山なのですが全く飽きない作品になっております♪ 戦争で片脚を失くした祖父とパラとの関わりが強引な感はあるけれど方言の緩い温かさもあり、わたしにはとても響く作品でした。
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讃岐のうどん屋の娘,みのりの大学時代のボランティアサークルからの葛藤友情と現在の生活が混ざり合って物語は進む.そこに時々差し色として祖父の告白思いが表れる.祖父の無口で感情を持たない信念への経緯が哀しい. ボランティアの良心について考えさせられるし,オリンピック,パラレンピックの...
讃岐のうどん屋の娘,みのりの大学時代のボランティアサークルからの葛藤友情と現在の生活が混ざり合って物語は進む.そこに時々差し色として祖父の告白思いが表れる.祖父の無口で感情を持たない信念への経緯が哀しい. ボランティアの良心について考えさせられるし,オリンピック,パラレンピックの延期に伴った痛みについても想像しなければならなかったと思う.
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いまいちのめり込めず読了。 主人公の「みのり」にいらつくからか? でも、世の中の大半はこんな感じだよな。 自分も含めて。 だから、いらつくのか? 戦争、難民、障がい、震災、コロナ。 ちょっとお腹いっぱいになってしまった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最初の方はなかなか読み進められなかったけど、中盤くらいから面白くなってきて、読むのが止まらなかった。 様々な要素の話が出てくるが、 ボランティアや途上国支援に対する違和感や葛藤、 才能や使命感(タラント)に満ち溢れた行動力のある友達が、どんどん遠くへ行ってしまう感じ、劣等感、 主人公のなんにもやる気がなくなってしまう気持ちなどが細かく書かれていて、わかるなと思った。 特に好きな箇所は、中盤に出てくる主人公が経験した海外での話。 西加奈子さんの「サラバ!」を読んだ時もエジプトでの話が好きだったけど、日本人視点での海外での体験記みたいな話がとても興味深いし、ショックを受けたり、なぜショックを受けるのかを主人公が考えたりするところがとても面白かった。 他にもそういう要素のある本があったら読みたい。 あと、各章の最後に必ず出てくる、おじいちゃんの回想記も読むのが毎回楽しみになっていた。戦争、戦後の話で壮絶なパートだけど、どうしても読んでしまうという感じ。 最後まで読んで、もしかしてこのパートは、甥っ子の陸くんが書いたものだったのかな?と思った。 最後の方で、誰しもが何かしらのタラントを持っているって主人公が気づくところで、私も大それたタラントはないけど、こうやって色んな本を熱中して読んでいるのもタラントなんだなぁと少し嬉しく思えた。 最初の方で挫折しかけたけど、全部読めて本当に良かったなと思う本。
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分厚くて文字が細かいので読み応え抜群。なかなか読み終わらなかった…。 戦争で片足を失った祖父は実は高跳びの選手だった。 タラントとは何か、最後の最後に理解できる話でした。 戦争、パラリンピック、貧困国でのボランティア、など、内容は分厚いだけあって盛り沢山。
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