平凡すぎて殺される の商品レビュー
著者が現役のコメディアンとあってか、回りくどく皮肉めいた言い回しの乱用に馴染めず、序盤は読み進めるのに苦戦したが、登場人物のキャラクターがしっかりと立っているので、慣れると俄然面白くなる。コメディとシリアスのバランスも中々良い塩梅。今作が小説デビュー作でもあるようで、粗さは幾らか...
著者が現役のコメディアンとあってか、回りくどく皮肉めいた言い回しの乱用に馴染めず、序盤は読み進めるのに苦戦したが、登場人物のキャラクターがしっかりと立っているので、慣れると俄然面白くなる。コメディとシリアスのバランスも中々良い塩梅。今作が小説デビュー作でもあるようで、粗さは幾らか目に付くが、概ね楽しめた。但し、ポールの過去はもっと仔細に描いて欲しかったかな。訳者が今作に惚れ込んで自ら出版社に企画を持ち込んだらしいが、もう少し小慣れた翻訳にはならなかったのだろうか。原文に忠実だというなら仕方ないのだけれど。
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平凡すぎる顔を活かして他人のふりをしながら老人の話し相手をする慈善活動をする青年ポールが30年前の誘拐事件に巻き込まれ命を狙われる話。登場人物多すぎ、下ネタ多すぎでちょっと読むのが大変だったかな。→ ドタバタコメディが好きな人や、映画や海外ドラマが好きな人ならハマるのかもやけど...
平凡すぎる顔を活かして他人のふりをしながら老人の話し相手をする慈善活動をする青年ポールが30年前の誘拐事件に巻き込まれ命を狙われる話。登場人物多すぎ、下ネタ多すぎでちょっと読むのが大変だったかな。→ ドタバタコメディが好きな人や、映画や海外ドラマが好きな人ならハマるのかもやけど、どちらもあまり見ない私には作中のたとえ話もピンとこなくて想像が難しかった……。 映像化したら面白いんかもやけど、小説の映像化は好きではない私とは相性が良くなかったのかな。
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コメディー要素が強いなぁと読んでいたら、著者は執筆当時現役のコメディアンだったとか。重苦しくないのは好感だが、もう少し読み易くならなかったものか。シリーズとして発表されているようだが、バニー部長刑事が気に入ったので活躍してほしい。
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『キル・ビル』だったかなんだったか、初めてクエンティン・タランティーノの映画を見たとき、ついていけないものを感じて、ひるんでしまった。 大人気で、大絶賛されている人だが、どこに面白みを感じていいやらわからない。 彼と、彼の作品に惚れ込む人々が大勢いるが、どこがいいのかよくわからな...
『キル・ビル』だったかなんだったか、初めてクエンティン・タランティーノの映画を見たとき、ついていけないものを感じて、ひるんでしまった。 大人気で、大絶賛されている人だが、どこに面白みを感じていいやらわからない。 彼と、彼の作品に惚れ込む人々が大勢いるが、どこがいいのかよくわからない。 『平凡すぎて殺される』を読み始めて、私が感じたことは、これとよく似ている。 ポール・マルクローンは、アイルランド、ダブリンに住む28歳の男性である。 彼は『特別なところがなにもない』(17頁)顔をしていた。 顔だけではない。 『身長五フィート九インチ、青い目、茶色の髪。その完全なる平凡さこそが肝心だったのだ。』(18頁) 彼は、その平凡さを生かして、あるボランティアをしている。 読者は、まずいきなりそのボランティアが何なのかを読み解かなければならない。 しかも、彼は、そのボランティアをどれくらいの時間したかという記録書に、しつこくこだわる。 この本について、ノンストップ・ミステリーと呼ぶ人がいるが、そのとおりだ。 なぜ? どうして? なにが起こった? なんでこうなった?! 次から次へと謎が出てくる。 さあ、頭を使って、読もう! ノンストップで読める人も多くいたらしい。 けれども、私はしょっちゅう止まってしまった。 読み慣れないスタイルに、日頃とはちょっと違うところの頭を使う必要があって、読んでいて疲れるのだ。 どこがどう面白いのかなあ? わかる時がくるかなあ? しかしである。 読み進めるうちに、つかめた時があった。 これは、あれと似ている。 ショーン・ダフィ・シリーズと!! シリーズの作者、エイドリアン・マッキンティは、北アイルランド出身だ。 そして、この『平凡すぎて殺される』の作者は、アイルランド人だ。 なににつけ一過言あり、自分と周りをくさし皮肉るこのスタイルは、アイルランドの特徴なのかもしれない。 作者クイーム・マクドネルは、今でこそ専業作家だが、もとはスタンダップ・コメディアンだった。 テレビの放送作家でもあった。 この『平凡すぎて殺される』が彼の長編デビュー作だ。 そして、ダブリン・三部作(トリロジー)と名付けられたシリーズの第一作になる。 三部作の続きは順調に書かれ、シリーズは5作(!)となった。 さらには、スピンオフのシリーズも出来している。 作者と読者の熱意が生み出した結果と言えるだろう。 私にとって、最初の印象からしたら嘘のようだが、面白かった。 信じられないことに、続きが読みたくなった。 主人公のポール、看護師のブリジット、スチュアート刑事、ウィルソン刑事、仕事熱心なシンハ医師、けったいな男バニー・マガリー、・・・・・・ アクの強い面々の物語を、さらに知りたくなったのだ。 はやく続きが読みたい! という人がいることに、始めは信じられなかったが――こんなんせいぜいこの1冊で十分すぎるだろうと思っていたのだが――今は同意する。 三部作の、つづく2作――いや4作を、私も読みたい。 はまる人ははまる。惚れ込む物語である。 追記:タランティーノについては、相変わらず、よくわからない。
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28歳のポールの特徴は“平凡すぎる”顔だ。病院を慰問し、彼を自分の身内と思いこんだ老人たちを癒す日々を送っている。ある日、末期ガンの老人を見舞うと、錯乱した彼に誰かと間違えられてナイフで刺されてしまう。その患者は悪名高い犯罪者で、ある有名な誘拐事件の関係者だった。警察に衝撃が走る...
28歳のポールの特徴は“平凡すぎる”顔だ。病院を慰問し、彼を自分の身内と思いこんだ老人たちを癒す日々を送っている。ある日、末期ガンの老人を見舞うと、錯乱した彼に誰かと間違えられてナイフで刺されてしまう。その患者は悪名高い犯罪者で、ある有名な誘拐事件の関係者だった。警察に衝撃が走る一方、ポールはさらに爆弾で命を狙われた。身を守るには逃げながら誘拐事件の真相を探るしかない。巧みな構成が光るノンストップ・ミステリ! アイルランドつながりで、新刊本を読んでみた。つかみはOKだが、後半ややとっ散らかった感じ。映画がらみの言及が楽しい。スティーブン・セガール・マラソン、最高です。
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