対テロ工作員になった私 の商品レビュー
【スパイの世界の忠誠心は、愛や結婚、友情における忠誠心と似ている。当事者が三人以上になれば、完全に正直になることは不可能なのだ】(文中より引用) 教師志望の私は就職フェアでCIAにスカウトされ、何も分からぬまま対テロ工作員として中東など世界各地でスパイ活動に従事することに。情報...
【スパイの世界の忠誠心は、愛や結婚、友情における忠誠心と似ている。当事者が三人以上になれば、完全に正直になることは不可能なのだ】(文中より引用) 教師志望の私は就職フェアでCIAにスカウトされ、何も分からぬまま対テロ工作員として中東など世界各地でスパイ活動に従事することに。情報の最前線を経験した「普通の女子学生」による驚きの手記(amazonより引用)。著者は、CIAとFBIでの勤務後に女子学生への教育に携わるようになったトレイシー・ワルダー。訳者は、『天使と人の文化史』等の翻訳も手がけた白須清美。 9.11直前に入局したCIAの新入局員が、実際にどのような活動に携わったか(もしくは携わらざるを得なかったか)を知る上であまり例を見ない貴重な一冊。また、CIAとFBIにおけるジェンダーの扱いの違いについても参考になる情報が盛り込まれているかと。 少し副題がミス・リーディングではありますが☆5つ
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CIAの提供したザルカウィやイラク内研究所の情報が、政権によって都合よくゆがめられ解釈されたことを告発している。
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借りたもの。 政治オタクだった女子大生がCIAそしてFBIに入り、テロリストを追い「大量破壊兵器(自爆テロとか?)で人が殺されるのを未然に防」ぎ、スパイを捕まえることの手助けをした―― 伝わってくるのは諜報活動によって「国を守る」という使命感に燃える女性の姿。 身体的にも健全とは...
借りたもの。 政治オタクだった女子大生がCIAそしてFBIに入り、テロリストを追い「大量破壊兵器(自爆テロとか?)で人が殺されるのを未然に防」ぎ、スパイを捕まえることの手助けをした―― 伝わってくるのは諜報活動によって「国を守る」という使命感に燃える女性の姿。 身体的にも健全とは言い難かった?(フロッピーインファント/低緊張乳児)自分でも、CIAに入ることができる、そこで自信をつけたこと。 “911以降、テロとの戦いの舞台裏”としても読めるし、“女性の社会での活躍”としても読める。 活動内容が内容なので、地域、対象の人物、作戦内容や行動が伏字になっているのだが、特に読んでいて違和感はない…というか読み飛ばしても、読み進められる。 ロードムービーのような感じになっていた。 何となく野上武志『まりんこゆみ(3) 』( https://booklog.jp/item/1/4063695158 )のリタが上官と黒塗り(トップシークレット)な会話をしていたことを思い出した… CIAでは世界中を飛び回り、アルカイダの工作員を捕まえたり、諜報員からの情報を収集・分析したり…まるでスパイ映画。でも、どれもが完全に繋がっているのではなく、目的は同じであってもその行動はそのための手段のひとつに過ぎない。 中東での身の危険もさることながら、頻発するテロで人の死を目の当たりにすること。 同僚に母校の大学を馬鹿にされ憤慨したり。 緊張感あるパートと他愛もない出来事が交互に描かれる。それらは彼女にとって地続きだった。 911以降、ビンラディンの捜索、大量破壊兵器捜査に携わっているのだが……CIAが収集した情報にテロリストがISISと繋がっている情報が、いつの間にかテロリストがフセインの繋がりという事になってホワイトハウスから発表され……それを口実にイラク戦争が始まった。 戦争が泥沼化し、大量破壊兵器など存在しなかったことが明らかになり、CIAは欠陥した情報提供したと非難される。 この一連の流れを´CIAがホワイトハウスを裏切ったのではない。ホワイトハウスがCIAを裏切ったのだ(p.167)’と語っている。 そもそも、その後の運営方針も定まっていないにも関わらず、イラクの政権を転覆させるのはよくないとわかっていたはずなのに……というやるせなさも伝わってくる。 そして彼女が「大失態」と語る、マドリードでの列車爆発テロ。その犯人は彼女らが追っていた個人による犯行だった。未然に防ぐことが出来なかった事に動揺する。 そのしんどさから離れるため、国を守るために諜報活動することから、そのノウハウを活かし国を脅かす諜報活動を検挙する側――FBI――に応募する。 防諜活動に従事することを求めFIBに入るも、「元CIAであること」などを理由に、正当に評価されず、FBIを退職する。CIA(スパイを送り込む方)とFBI(スパイを追う方)が仲が悪いとはネタとしてよく聞く話だが、間違っていない…というか根本的に相いれないのだろうか?FBI時代に彼女に浴びせられる罵詈雑言はやはり理不尽… そんな彼女は現在、高校の歴史教師をして、次世代を育成する立場になっている。 組織的な限界を感じて、今までのキャリアを手放し?フリーな道を歩む姿勢に伊藤祐靖『自衛隊失格』( https://booklog.jp/item/1/4103519916 )を彷彿させる。
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CIA、FBIでの任務を経験してきた筆者。 海外ドラマのような任務内容に興味深く読めた。 テロ交渉をする凄人な描写だけでなく、普通の女の子であることが余計に任務の過酷さを引き立たせていたかな。 伏字が多くて初めは驚いたけれど、読みやすくするすると読めた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
UCLAで政治オタクだった女子大生がCIAに入って、いきなり911に直面し、その後のアルカイダのテロを未遂に防いだり、CIAでの生活(海外出張が多い)に疲れて、FBIで防諜を志したり、FBIで中国のスパイを摘発したり、それでもFBIでは(女性を理由に)正当に評価されずに退職し、歴史の先生をやっている話。 アメリカって奥が深いし、こんな経歴の高校の先生がいるとか、やはりアメリカは強いな。
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