ハウ の商品レビュー
泣けた。馳星周の「少年と犬」だったか?直木賞をとった小説さながら、いく先々で寂しい人の心を癒したり、寄り添ったり、生きる力を与えてくれる犬、の物語。幸せになってね、心から思いました。
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一緒に住む予定のマンションをローンで買った後に婚約破棄された市役所職員の民夫。同僚が保護犬の大型犬を奨めてくれたことから、犬を飼うことになる。整体が除去され、まともに鳴けない保護犬はハウと名付けられ、とーちゃんこと民夫との生活が続くように見えたが、ある日、ハウはいなくなってしまう...
一緒に住む予定のマンションをローンで買った後に婚約破棄された市役所職員の民夫。同僚が保護犬の大型犬を奨めてくれたことから、犬を飼うことになる。整体が除去され、まともに鳴けない保護犬はハウと名付けられ、とーちゃんこと民夫との生活が続くように見えたが、ある日、ハウはいなくなってしまう。調査でハウは事故で亡くなったと思われていたが、実は青森にいた…。 ペットロスの民夫と、行く先々で色んな人を勇気づけるハウのそれぞれを、パラレルに紆余曲折を描いた小説。ペットロスを克服していく民夫に関しては、作者もさほど興味がないのか、露骨に短いので、基本的にはハウの放浪記を描いた小説と言える。 つまんないです。 作者は普段はドラマ等の脚本家ということなので、一時期角川映画で流行ったような、動物が波乱万丈に巻き込まれながらも感動を振りまいていくというものが”受ける”と思って書いているのであろう。一文一文は「ハウは南へ向かって歩き出した」というようなシンプルで、子供にも読み取りやすい文章になっている。しかし、とにかく装飾や情景描写がなさすぎる。 民夫がハウに情が移って、いろいろな出来事を書くのかな?と思った途端に1年が経過するし、早々に死んだことにされる(残りのページの分量的に死んでいないことは明らか)。その後も「AはBした」というような、短い文章でストーリーだけは進められるのだが、一体民夫がどういう容貌で、どういう部屋に住んでいてということが読者には全くつかめない。そのあたりは、普段なら周りのスタッフや絵コンテを書いてくれる人が補ってくれるのであろう。 また、脚本家らしい悪い部分は、例えば登校できずにいる少女が、駅で幼馴染に出会う。少女側の視点のつもりで読んでいると、相手の幼馴染の感情が書かれてしまい、見えない部分を読み取る面白みがあっさりと否定されてしまう。 挙げ句に、序盤はハウ(犬)については、人間ではないということで思っていることが描かれないようにされているのだが、中盤を越えたあたりから「ハウは思った」と直接描写されてしまい、途中でドラマ化するのを諦めたのかもしれぬ。そもそも「とーちゃんの声が聞こえる」と青森から一直線で南に向かうというオカルティックな部分には目をつぶったとしても、その上で気になるわけなので、イカンでしょ。 これまでも、脚本家やゲームシナリオライターの本で気になった、ストーリーを進めることばかりが優先され、情景が見えないという作品の最たるもんで、脚本では有るが小説ではないという代表格であろう。難儀なのは、そういう脚本で育った俳優やアイドルの本も、同じようにストーリー主導の情景の薄い作品になりがちなのである。脚本やシナリオライターという、周りからは文がうまいと認識されがちな職業の人は、この書き方だと悪影響があるかもなと思って、責任を持って小説に挑んでいただきたいと思う。
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続きが気になり、短期間で読み進めました。 映画で主人公を演じられたのが田中圭さんなのですが、彼のチャーミングな面を他作品で存じておりましたので、映画はまだ拝見していないものの、始終私の脳内で田中圭さんが喋っていました。 ハウは、人の心に寄り添ってくれる、とても利口で優しい犬です...
続きが気になり、短期間で読み進めました。 映画で主人公を演じられたのが田中圭さんなのですが、彼のチャーミングな面を他作品で存じておりましたので、映画はまだ拝見していないものの、始終私の脳内で田中圭さんが喋っていました。 ハウは、人の心に寄り添ってくれる、とても利口で優しい犬です。そんなハウの物語を読みながら、昔我が家で共に過ごしていたお犬さまを思い出しました。 ハウとの出会い、そして別れを通して、心にあたたかいものを受け取っただろう様々な登場人物を、どうぞ見届けてください。
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ぅぐあぁぁぁ……ハウゥゥ〜! たまらん……。私もぎゅってしたい……。 小気味良いリズミカルな文体と、淡々とした描写の中にあるシュールかつコミカルな筆致がぐんぐん読ませます。 もう表紙(ハウ単体のデザイン)の段階で心臓撃ち抜かれてるんですが、予想しているよりもかわいいんだろうなと予想しておいて、その予想を超えてかわいかった。 しかし、あらすじを読んでなかったもので、ストーリーが思わぬ方向に流れていって、ややびっくり。 まるで、かの直木賞受賞作「少年と犬」のような短編連作ワンコロードムービー。 道すがら、愛と癒しと赦しと救いを振りまきながら最愛の「とうちゃん」への帰還を目指すという。 辞書で「健気」って引いたら「犬のこと。例:多聞、ハウなど」って書いてるんじゃないかってくらい健気。 おバカでどうしようもないワンコでもかわいくて仕方ないのに、ハウのお利口さんぶりと健気さ。まさに神から遣わされしギフト。 震災の傷跡も少しだけ感じさせ、より「少年と犬」を思い出しました。 それにひきかえ、民夫パート。 オモシロとヤキモキががっぷりよつ。 そのうちヤキモキしすぎて「志村ー!後ろ後ろ!」のリズムで「民夫ー!生きてるー生きてる!」って叫ぶ(心の中で) おそらく、その時、その瞬間、真にハウを求める者の腕の中がハウの居場所なんだっていうハッピーエンドなのかもしれないけど……だけれども……ハウの気持ちわーいっ!「とうちゃん」だけを心の支えに帰ってきたのにっ! ハウは賢いからわかるんだろうね。「とうちゃん」はもう大丈夫って。この家族が今自分を必要としてるって。 でもなー。また「とうちゃん」と散歩させてあげてよ。また「とうちゃん」とテニスボールで遊ばせてあげてよ。本物の声で「ハウ」って呼んであげてよ。 あえて読者の欲求を100%満たすことはせずに、正しく着地したこのエンドは、ばっちり爪痕を残したので。多分作品としては成功。 ところで「サイトウヒロシ」って聞いたら、ルドルフの方の「斎藤洋」さんが先に思い浮かんでしまうけども、この「斎藤ひろし」さんは脚本家なんですね。けっこう大きな作品ばかり。凄まじくさくさく読めてしまったのは、やっぱり脳内で映像化がしやすいからなのでしょうか。
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映画化。帯に惹かれ購入。 ハウと民夫の関係せいがとても読んでいてホッコリ。 ある日、ハウと民夫が離れ離れに…。 ハウの冒険物語にハウ頑張れと応援しながら読めて、最後には涙。。
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★2.8/5.0 YouTubeの広告で映画の宣伝が出てきたのを見て気になっていた作品。映画を見に行く時間が無いので本で読むことに。 あらすじを読んでいたのもあり、ある程度物語の流れは掴めていたが、ラストに持っていくまでに、ハウが色々な人の心を動かしていくというお話。その一方で民...
★2.8/5.0 YouTubeの広告で映画の宣伝が出てきたのを見て気になっていた作品。映画を見に行く時間が無いので本で読むことに。 あらすじを読んでいたのもあり、ある程度物語の流れは掴めていたが、ラストに持っていくまでに、ハウが色々な人の心を動かしていくというお話。その一方で民夫の心も徐々に変化していくが… 正直自分が予想していたラストとは少し違っていたが、映像で見たらどんな感情になるのか少し気になった。 もしかしたら『ハウ』は、本より映画で見た方が良いのかも?と、読み終わった時に少し感じました。全体的にはとても良い作品だと思いますが…。
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婚約までしたのに振られた民夫が、声の出ない犬「ハウ」を飼い、癒されるどころか固い絆で結ばれるが、買い物中にハウは行方不明になってしまう。死んだと聞かされ打ちひしがれる民夫、実はトラックに乗ってしまい東北まで行ってしまったハウは 必死に民夫の所に帰ろうと頑張る。…最後さぁ、それはないよ…ねぇ…モヤモヤしたよ…ホント、結末以外は良かったのに…って、犬を飼ってる身としては悲しい。
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想像していた内容と良い意味で違っていました。 読んだ後、暖かい気持ちになり、改めて保護犬と保護猫に感謝しています
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表紙の犬がどことなく家の犬に似てたので、ジャケ買い。ありがちな物語かと思っていたのですが、ショートストーリー的な展開が面白く一気に読めました。そして小説とはわかっていながら、犬の健気さに感動です。
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