韓国エンタメ業界の現場 の商品レビュー

ドラゴン・ジェイ(著者),川谷麻由美(訳者)

2024/01/27

なるほど、韓国と日本のエンタメ業界の違いはファンダム形成の有無だとわかった。

最近でこそ増えてきたが、旧ジャニーズ体制の時は規制が多くて公式SNSなども全くなかった。だからテレビの出演とかに力を入れてたんだろうけど、それだとファンとの直接的なやりとりができないグローバルな世界のファンは増えにくい。一方韓国はIT化に伴ってどんどんSNSを使ったファン獲得の手法を編み出していった。SNSを使ってファンが自発的にPRやマーケティングしてくれるというのがSNS利用の強みだ。

また歌手やアイドルの練習生と、俳優の練習生でサポートの仕方が全く違うのが驚きであった。

自分はkpopアイドルが好きだから、サポートが徹底されている点とその過酷な練習量は知っていた。だけど俳優の練習の実態は全く知らなかったので、勉強になった。

エンタメを国策としてる韓国だから、チャンスもどこの国よりも多いと感じる。
スターに憧れる人がたくさんいるのだろうな。

2022/06/03

図書館で。
最近KPOPの波がまた来てて(自分の中で)、いまの韓国エンタメについて知りたくなった。

BTSやaespa、イカゲームなんかにもちらっと触れられていて、本当にリアルタイムの現場について語ってるんだと実感。

事務所と練習生間で交わされる契約書や芸能人としてな心掛けについての資料がついていたのがおもしろかった。

歌手や俳優、アイドルが輝けるのも、それも支える大きな大きなチームの支えがあるからこそ。
というのが具体的な仕事内容をふまえて細かく表されていて興味深い。

アイドルたちを応援する視点にも、もっと奥行きが生まれるであろう1冊。

気になったトピック

俳優として大切なこと
俳優に限らず豊かに生きるために必要なことだと思う

易地思之ヨクチサジ
相手の立場に立って考えてみること

もうひとつは、「好奇心 ｣だと思います。今まで自分が経験してきたこと固執してしまうと俳優としての理解が及ばなくなってしまいます。その結果、現力の限界に苦しむ人を多く見てきました。それは、様々な作品に出会うたびに常に新しい人物として変化しなければならない俳優にとって、致命的な限界なのです。日常生活のなかで、実際に多様な世界や人々と出会って経験できればよいですが、現実的には難しいでしょう。ですから、様々な世界や人々に、常に好奇心や関心を持つ習慣をつけることをお勧めします。偏食家のように好きなものだけに関心を持つのではなく、毎回出くわす新しい出来事に疑問や関心を持つことで、受け入れる能力はかなり伸びるでしょう。

事務所により音源制作のプロセスが少しずつちがうのがおもしろい
Artist and repertoire
A &Rの役割
音楽映画はじまりのうた
トップスターの過度な収益配分の弊害は、コンテンツの質の低下につながる

スターの高額な契約金と不利な収益配分率による会社の損失は、新人たちとの理不尽な契約条件で補填されることになる。赤字を高額の専属契約金と不利な収益配分率による会社の損失は、新少しでも減らすため、マネージメント会社は、ドラマ・映画の製作会社に所属芸能人の高額な出演料を要求する。こうして制作現場に投入されるべき資金の大部分がスターに費やされることになり、制作現場はコンテンツの製作費不足に悩まされるその結果、コンテンツの質は低下し、観客にそっぽを向かれるこうして不良コンテンツの余波がスター本人に跳ね返ってくるという悪循環が続くのである。