同潤会代官山アパートメント の商品レビュー
じんわりと温かい家族の物語。 同潤会アパートを舞台に、視点を変えながら四世代にわたる歴史が描かれています。 長くはないお話ですが、どの章も噛み締めるように読みました。 帰るべき場所、帰りたい場所、そんな家族を築き上げた竹井と八重。 二人の関係性が最後まで素敵でした。 Th...
じんわりと温かい家族の物語。 同潤会アパートを舞台に、視点を変えながら四世代にわたる歴史が描かれています。 長くはないお話ですが、どの章も噛み締めるように読みました。 帰るべき場所、帰りたい場所、そんな家族を築き上げた竹井と八重。 二人の関係性が最後まで素敵でした。 There is a long history of the family. They established the shape to help each other with the warm members.
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無口な竹井さんの家族への愛情表現は同潤会アパートメントだったんだ。1977年は涙でうるうるしながら読みました。 竹井さんの思いが詰まった同潤会アパートは、家族が増え、様々な社会的な歴史とともに、それぞれの思いが積み重なり、かけがえのないものとなっていく、その過程がとても良かった。
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自分の不見識であったら申し訳ないですが。 この作品、それほど話題にはなっていないような気がするのですが、めちゃくちゃ良いお話でした。 4世代に渡る家族と家に関するお話。 4世代に渡るということは、必ずそこには生と死があるわけで。自分が生きている間は、そこで最も時間を死ぬ時を費...
自分の不見識であったら申し訳ないですが。 この作品、それほど話題にはなっていないような気がするのですが、めちゃくちゃ良いお話でした。 4世代に渡る家族と家に関するお話。 4世代に渡るということは、必ずそこには生と死があるわけで。自分が生きている間は、そこで最も時間を死ぬ時を費やす「家」 そこで共に過ごして暮らす家族、というものに対して深く考える機会を与えられた作品。 未読な方には是非お勧めしたいです。
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代官山に実在したアパートと、そこに住まう4代にわたる家族の歴史を巧みに絡ませた、70年に及ぶ物語。 と言っても、大河ドラマのような壮大さとはまるで無縁です。歴史に名を残す偉業や、めくるめく大恋愛や、驚天動地のトリックがそこに記されているわけではありません。ときに時代の波に流され...
代官山に実在したアパートと、そこに住まう4代にわたる家族の歴史を巧みに絡ませた、70年に及ぶ物語。 と言っても、大河ドラマのような壮大さとはまるで無縁です。歴史に名を残す偉業や、めくるめく大恋愛や、驚天動地のトリックがそこに記されているわけではありません。ときに時代の波に流されながらも、懸命に生きる日々。そのなかでのちょっとしたトピックが章ごとに視点を変え淡々と語られるのみです。 でもこの淡々としたカラーこそが、本作の魅力でしょうね。一族のなかでどちらかと言えば陰キャ(ごめんなさい)な人が語り部役を継いでいきますが、だからこそ胸の内に宿る炎が時折垣間見えて、物語を前に動かしていきます。 乗り気では無かった近代的なアパートへの入居理由と、クライマックスの重ね合わせはお見事。ある意味ベタですが嫌らしさは全く感じませんでした。ここからの話の畳み方は本作らしい静けさ。読み終えてからプロローグをもう一度開きじんわりしました。
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1927年から、と裏表紙にあり、戦争モノかな?と思いましたが、新築の同潤会アパートに住む4世代に渡る物語でした。 親から子へ、また下へ、視点が変わりつつ、最初は真新しいアパートが最後は・・・ 同潤会と言えば表参道ヒルズですが、あの建物ももう20年近く経つのですね、本書と同じく...
1927年から、と裏表紙にあり、戦争モノかな?と思いましたが、新築の同潤会アパートに住む4世代に渡る物語でした。 親から子へ、また下へ、視点が変わりつつ、最初は真新しいアパートが最後は・・・ 同潤会と言えば表参道ヒルズですが、あの建物ももう20年近く経つのですね、本書と同じく、時代が巡るのは早いです。
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1927年から1997年まで、同潤会代官山アパートに暮らす一家四代に渡る家族の物語。 関東大震災や世界大戦、そして阪神大震災でのそれぞれの悲しみを乗り越えたり、辛い時には支え合い助けあっていく家族の姿に、同じように関東大震災でつらい経験をした私の祖父、阪神大震災で被災した私の祖父...
1927年から1997年まで、同潤会代官山アパートに暮らす一家四代に渡る家族の物語。 関東大震災や世界大戦、そして阪神大震災でのそれぞれの悲しみを乗り越えたり、辛い時には支え合い助けあっていく家族の姿に、同じように関東大震災でつらい経験をした私の祖父、阪神大震災で被災した私の祖父母と両親が重なり、涙でした。 家族の形も家もどんどん変わっていかざるを得ず、寂しくなることもあるけれど‥ 「人は入れ替わり、家も変わっていく。 きっとこの先も色々なことが起こるだろう、 嬉しいことも、悲しいことも、家族で分かち合って生きていけたらいい。」 この言葉を胸に、新しい家族の形ができていくことを喜びに変えていきたいなと思いました。
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特別大きな事件が起きるわけではない。ごく普通の家族の物語。 こういう話が、私は好きなんだなぁと、つくづく思った。 しかもきっと、三上さんの文章も好きなんだなぁきっと。 友達から回ってきた本なので、最初は作家さんの名前を見てもぴんとこなかったけれど、著者略歴を見たら、あら、『ビブリ...
特別大きな事件が起きるわけではない。ごく普通の家族の物語。 こういう話が、私は好きなんだなぁと、つくづく思った。 しかもきっと、三上さんの文章も好きなんだなぁきっと。 友達から回ってきた本なので、最初は作家さんの名前を見てもぴんとこなかったけれど、著者略歴を見たら、あら、『ビブリア古書堂の事件手帖』書いた方だ、とうれしくなった。 しみじみと、滋味深い作品。
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八重という1人の人生の中に、 新しい家族ができて、 その一人一人がまた人と出会い、 新しい家族ができていって、 思い出が、記憶が増えていく 人がいつか必ず老いていくことも、 別れがあることも、 哀しさ、寂しさ、侘しさを感じるけど、 大切な人と、支え合って、暮らしを紡いでいく、...
八重という1人の人生の中に、 新しい家族ができて、 その一人一人がまた人と出会い、 新しい家族ができていって、 思い出が、記憶が増えていく 人がいつか必ず老いていくことも、 別れがあることも、 哀しさ、寂しさ、侘しさを感じるけど、 大切な人と、支え合って、暮らしを紡いでいく、 家族が世代を超えて繋がっていくのは素敵だなと思った
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名前と人物がたくさん出てきたので、少し混乱してしまったけど、そして少し前に読んだ本なので、だいぶ忘れてしまったけど、スッキリとした内容だったかと思う。
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静謐。 およそ70年にわたる家族の物語。人が人を思いやり、縁を大切にしながら時代の波を超えていく。それも全て、このアパートがあればこそ。"帰るべき場所"があり、"大切にしたい人"と"思いやりの心"さえ持ち続けていれば、人...
静謐。 およそ70年にわたる家族の物語。人が人を思いやり、縁を大切にしながら時代の波を超えていく。それも全て、このアパートがあればこそ。"帰るべき場所"があり、"大切にしたい人"と"思いやりの心"さえ持ち続けていれば、人は誰でも幸せになれる。そんな優しい気持ちになれる物語でした。 「ビブリア古書堂の事件手帖」もそうですが、この作者は、基本的に"誠実な人間"が好きなのでしょうね。特にこの作品では、それを感じました。読後感がとても爽やかです。
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