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ANTHRO VISION 人類学的思考で視るビジネスと世界 の商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

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2022/11/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人類学の観点から、真っ直ぐに事実を見る。キットカットの日本版のストーリーに結構な説明を加えている。キットカットの発音がきっとかっとーという方言に似ていることから、合格のお守りになるというマーケティングをひっそりと行った高岡さんは、本社のネーミングHave a break を使わずにサクラを使って合格イメージを作るという戦略に出た。スイス本社のマーケティングに抜擢されたのは、普通とは違う視点でものを見るということにあったと。これが、人類学と同関連していくのか、、、という点は後付けなのでなんとも言えないが、「あなた方がの世界観は万人のものではない」という点が最も大事なところだろう。アメリカ人から見たら、子供が自分の部屋を持って、自分で寝るのが当たり前だが、マレーシア人からすればそんなの子供が寂しくてかわいそうだと考える。その考えにびっくりしているアメリカ人に、マレーシア人にびっくりするということが起きる。 これが、エボラ、そしてコロナへと展開してゆく。寄り添うことが大事だったにも関わらず、アフリカの文化を無視し、見下した。中国の衛生を批判していた。アメリカ来てみて、この汚さと臭いをとしてなんたるかと。ニューヨークは、マスクの概念を覆し、コロナ対策の武器だと訴えた。こんなにマスクするニューヨーカー、信じられない。 自分が普通で、それ以外は変だ、これが人類学では多様性こそが普通と見る。当たり前で見落としていることに、焦点をあてることだ。 基本に戻ると、人類学の見方をビジネスにも導入することで、相手のことを考える、つまり自分自身が正しいという思い込みを捨てて、相手の考えを理解しようとすることができる。自分の考えを全ての人が同じように持っているのではないということ。すなわちダイバーシティの意識を持つということに尽きる。

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2022/09/11

Anthropology人類学 広角・歴史的視点の重要性 経済至上主義の限界 経済は「累積的矛盾」を伴い、 

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2022/07/02

Facebookの広告で見かけ、英字のタイトルと人類学的思考という、2つの言葉に興味を持ち読む。 著者のフィールドワークや豊富な実例をもとに、ビッグデータに基づく定量的分析やこれまでの経済学などの知識では見出せない要因が浮かび上がってくるプロセスをダイナミックに描写している。 ヒ...

Facebookの広告で見かけ、英字のタイトルと人類学的思考という、2つの言葉に興味を持ち読む。 著者のフィールドワークや豊富な実例をもとに、ビッグデータに基づく定量的分析やこれまでの経済学などの知識では見出せない要因が浮かび上がってくるプロセスをダイナミックに描写している。 ヒトの行為による現象には、机上の学問やデータだけでは見えない何かが隠れている。そこに、人類学的アプローチ、対象に影響を与えることなく、観察して感得する重要性が示唆されている。この分野の研究者は活動が地味であり、政治的な動きを嫌う傾向が強いが、様々な分野でその手法が注目を集め始めた。新たな視点で、世界に漂う不透明感が拭われていくことを期待したい。

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2022/06/20

今こそ人類学の出番だと言いたいところだが、何も文化人類学や社会人類学だけの話ではない。定量分析や実証分析と呼ぶものが同じであることを、もしくは、それからの逸脱を示そうとするのに対し、定性分析や質的調査は、往々にして特異であることや一般化は難しくとも一般的であるものとは違うものに着...

今こそ人類学の出番だと言いたいところだが、何も文化人類学や社会人類学だけの話ではない。定量分析や実証分析と呼ぶものが同じであることを、もしくは、それからの逸脱を示そうとするのに対し、定性分析や質的調査は、往々にして特異であることや一般化は難しくとも一般的であるものとは違うものに着目して帰納的に空間やスケールを再構築(物語化)しようとするからだ。それゆえダイバーシティが重要になる。他者を観察し、聴き、語り合うことがコロナ後に見直されそうな予感だ。

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2022/05/22

レビューはブログにて https://ameblo.jp/w92-3/entry-12744119697.html

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2022/04/10

社会が成熟していくに従い、価値の最大化や効率化を追求して組織や集団は専門分化し、専門家の中で知識を蓄積していく。未来が予測可能なうちは専門化は機能するが、気候変動やパンデミックなど複雑系の影響は測定・予測が困難であり、専門特化だけでは対処できない。 政治、経済、テクノロジー、そ...

社会が成熟していくに従い、価値の最大化や効率化を追求して組織や集団は専門分化し、専門家の中で知識を蓄積していく。未来が予測可能なうちは専門化は機能するが、気候変動やパンデミックなど複雑系の影響は測定・予測が困難であり、専門特化だけでは対処できない。 政治、経済、テクノロジー、それぞれの世界の指導者層は、その世界の知識・常識により視野狭窄になりがちである。政治も経済もテクノロジーも、その先には一人ひとりの生きた人間がいて、様々なものの見方・考え方で動いている。これに目を向けるのが、本書の主題の人類学的観点である。 本書の伝えたいこと、いろいろなものの見方があることを知る、自分たち見方も一面的なものに過ぎない、ということは、ダイバーシティや人間中心設計など、最近では広く受け入れられる考え。だとすると本書の価値は、人類学者の研究・分析手法、人類学の変遷と最新の研究を期待するが、残念ながらそれは満たせていない。そういう内容ではなく、人類学者が関与したプロジェクト、活動について、関係者の感想を収集して報告する、いわゆるルポルタージュである。 そういうのが好きな人は、面白いかも知れない。私は、人名を覚えるのが苦手で、何章か前に出てきた人が急に出てきて、誰だっけ?となることが多くとても疲れた…

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2022/04/10

異なる民族や文化のことを深く理解する人類学の手法が、今日の企業の商品開発や社会問題の解決にも活かせることを、著者自身の経験や多くの実証的な事例を元に明らかにした一冊。 人類学者が異なる文化を持つ民族が暮らす実生活の場に身を置き、その文化に自ら「浸る」ことで本質を理解しようとする...

異なる民族や文化のことを深く理解する人類学の手法が、今日の企業の商品開発や社会問題の解決にも活かせることを、著者自身の経験や多くの実証的な事例を元に明らかにした一冊。 人類学者が異なる文化を持つ民族が暮らす実生活の場に身を置き、その文化に自ら「浸る」ことで本質を理解しようとする「エスノグラフィー」という研究手法は、企業の顧客ニーズの分析や、エボラ対策といった医療現場でも成果を上げている。著者はこのような人類学者の思考法は、文化の多様性を偏見なく受容することにつながるとともに、翻って自らの特異性に気づく機会にもなり、そのためには集団において誰もが当たり前すぎて口にしないこと(社会的沈黙)に気づくことが重要であると説く。 VUCAの時代においては、データでは捉えきれない人間の本質的な部分の理解が必要があり、啓蒙主義による合理的・客観的・直線的な「鳥の目」の思考の対極にある「虫の目」としての人類学的思考の重要性が高まっている。タジキスタンでの少数民族研究から一転、金融ジャーナリストとして活躍した著者により、様々な場面で語られる多様性受容という概念が人類学という「縦糸」を通すことですっきりと整理されるとともに、読者は自らが所属する社会を相対的な存在として再認識する良い機会となる。

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2022/04/03

集団の中での常識や慣習は その中にいると空気のようにみえなくなつてしまう。世の中は多様性でできている。他者の視点で見てみることで今までみえていなかった死角が見えてくる。 世の中をメタで見直すための大切な考え方を学べました。

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2022/02/05

実例が豊富で分かりやすく面白い ・何が重要かといった先入観を排し、子供のようにオープンマインドで対象を観察すること ・語られないことに着目すること で見えてくることがある

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