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旅書簡集 ゆきあってしあさって の商品レビュー

3.7

13件のお客様レビュー

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2024/04/10

架空の旅に出たお手紙交換という設定が面白そうで読んでみた。3人それぞれの世界観がすごい。 だけど、少し想像しにくい場面があったかな。

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2024/03/29

三人のSF作家が架空の国や街を旅して、そこで起こった出来事や、目にした不思議なものや人などについて綴る旅行記。それぞれが他の二人に手紙を書いて送り合うという設定でリレーする短編集となっている。それぞれの手紙にはスケッチや写真のようなものも載っているというこだわりぶり。 架空の国...

三人のSF作家が架空の国や街を旅して、そこで起こった出来事や、目にした不思議なものや人などについて綴る旅行記。それぞれが他の二人に手紙を書いて送り合うという設定でリレーする短編集となっている。それぞれの手紙にはスケッチや写真のようなものも載っているというこだわりぶり。 架空の国、つまり作り話なのだが、まるで本当に見てきたような細かい描写。プロが本気で遊びにきている、といった感じで、作家さんたちの想像力に驚く。作中で著者の高山さん自身も触れているが、私はこの本を読んでいて『銀河鉄道999』を思い出した。 「そんな状況でどうやって手紙が届くの?」なんて野暮なことは言わずに、ただ面白がって楽しむのが吉。

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2024/03/16

3人とも初めての著者。 それぞれの個性が発揮された、どれも楽しそうな旅でした。 そっか!本を開いて想像をする、それも旅なんだ!

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2024/01/08

酉島伝法先生はいつでもぶっ飛んでるな…と思ったら、あとのお二方もぶっ飛んでた……。 こういう謎の造形とかの写真が収録されてる小説、もっと出てほしいよね。

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2024/01/06

おもしろーい!実際にはない場所だけどあるような感じがちゃんと出てて、すごい! 3人とも違うところにいて文通してるって、なんか夢見る女の子の夢叶えた感じするー!

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2023/05/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった!各々の先生が旅した様子すべて面白かったのですが、やはり酉島伝法先生の手紙には毎回吹き出してしまいました。 そして何より、カッカ・ピィ(仮)……! あのキャラクター(神?)はすごいです。こんな風にお互いの旅でからみ合い、驚きをもたらしてくれるとは。大好きです。

Posted byブクログ

2023/04/07

 高山羽根子、酉島伝法、倉田タカシの三人の作家が、架空の国を旅しながら(どうやってかはともかく)手紙を送り合うという設定の「旅書簡集」。そして巻末エッセイ(あとがきのようなもの)は宮内悠介。お、東京創元社のSFアンソロジーシリーズ『GENESIS』で見かけるような作家たちだぞ、と...

 高山羽根子、酉島伝法、倉田タカシの三人の作家が、架空の国を旅しながら(どうやってかはともかく)手紙を送り合うという設定の「旅書簡集」。そして巻末エッセイ(あとがきのようなもの)は宮内悠介。お、東京創元社のSFアンソロジーシリーズ『GENESIS』で見かけるような作家たちだぞ、と思って手に取った。  読んでみると、GENESISを読むときに似た幻想浮遊感に見舞われる。そして、時折り「わかる」地平に降り立つのだが、そこもどこかしらなにかしらずれている。私が「わかる」と思っていることなんて世界の中のほんの一部なのだなあなどと思っていると、突然、人生哲学とか人間の本質みたいなことを考えさせるようなフレーズが、あったりなかったりして驚かされる。そしてそれよりなにより、この三人の三つの旅が、意外な形でつながりを見せてきたりこなかったりする様に目が離せなくなり、個々の旅の世界を楽しみながらも、いったいこの大きな物語の終着点はどこなのか、それを見届けたいという思いが否応なく高まっていった。  と同時に、現実問題、こんな付かず離れずが絶妙な合作本はいったいどうやったら作れるのだろう?この三人の関係性は?出版社が仕掛けて三人集めて「よろしくお願いします」でできるものなのかな?といった制作の裏側への興味もわいてくる。それへの答えは、ひとつは奥付け手前の「本書は〜を元に〜」といった説明文にもちろんあるのだが、そういった事実関係の説明とは異なる“階層”での述懐が宮内さんの巻末エッセイにあり、これがまた良かった。私が映画監督だったら、この巻末エッセイを含めた本書全体を映画化したい。  以下、自分用断片備忘メモ。 ・ほふりの村。祝祭感。(倉) ・着水した飛行機。ハリウッド映画味もほんのりありつつ、おかしさと、得体の知れなさと。(倉) ・島々の話。UVクリーム騒動の顛末に笑い、“満潮娘”とのひとときに癒される。(高) ・川が分かつ街。こちらとあちらに分かれていて、いろいろと暗喩的。美術館がある。(倉) ・雨とカーフューの街。「行政手続きが電子化されてAIが全般的に判断を行うようになったときに入り込んだバグが・・・」というようなSFらしい話が。(倉) ・変な通貨の国。“踊り”が通貨。(高) ・鳥の村。よそ者である自分の魂がそれに完全に乗り移るまで、案山子になり続けるという地元の儀式に参加。(酉)←酉島さんの旅は、敢えてここまで個々に挙げなかったが基本過酷なので、この程度のことはきっと大丈夫だろうと思うのだが、絵葉書に描かれた巨大案山子(その一部として生きている酉島さん自身を含む)の絵は胸に迫るものがある。

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2023/03/25

よく知った世界から枝分かれて進化の袋小路に辿り着いたかのような、何故にどうしてこうなった?と言わずにはいられない強烈な風習、建築、祝祭(と呪い)をくぐり抜けて旅は続く。 土地のパワーに負けそうなところを、好奇心と一種の鈍感力で三者三様にサバイブしていく訳だが、何より敬服するのは食...

よく知った世界から枝分かれて進化の袋小路に辿り着いたかのような、何故にどうしてこうなった?と言わずにはいられない強烈な風習、建築、祝祭(と呪い)をくぐり抜けて旅は続く。 土地のパワーに負けそうなところを、好奇心と一種の鈍感力で三者三様にサバイブしていく訳だが、何より敬服するのは食に対する許容値の広さ。現地の食べ物を探すのは旅の醍醐味だけれども、さすがにこれを食べますか…。 旅行に行きたいが、まずは己れの胃袋を鍛え直さねば。

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2023/02/11

エッセイを読んでいるような、旅行記や冒険譚を読んでいるような、と思えばSFの世界に投げ込まれるような、不思議な気分にさせてくれる本でした。 架空と分かっていながらそこに書かれるお手紙にワクワクしたり困惑したり、妙な現実味を持って読ませるのは流石作家の技術だと思います。個人的に終...

エッセイを読んでいるような、旅行記や冒険譚を読んでいるような、と思えばSFの世界に投げ込まれるような、不思議な気分にさせてくれる本でした。 架空と分かっていながらそこに書かれるお手紙にワクワクしたり困惑したり、妙な現実味を持って読ませるのは流石作家の技術だと思います。個人的に終わり方もとても好きでした。 私は本を読みながら頭で映像化するタイプでカタカナ語が苦手なタイプなので一気に読むのが辛く途中から1日1通と決めて読みましたが、自分にも手紙が届いているような感覚があって良かったです。

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2023/01/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ほんタメで紹介されていたので、読んでみた(もちろんあかりん帯のものを購入)。 最初は「なんだこれ?」という感想だったが、五通目の手紙を読んでこの小説の面白さに気づいた。まさかあの蟹頭がこの物語の主要メンバーに入るとは……。でも、ある物があるところでは人気者になっていて、あるところでは忌むべき存在とされていて、さらにあるところでは言ってはいけない言葉として扱われているなんて、結構あることなのかもしれない。 「旅をして地図上のまったく同じ地点に立っても、見える景色はまったくちがったもので、それぞれの眺めは厳密なところ、まったく同じ景色として共有することは不可能なんです。(…)ただ逆を言えば、私が見た景色は当然間違いではないし、だれに何も文句を言われることはない、とも考えられるんですよね。これは不安なことでもあり、また同時に心強いことでもあります。」(262〜263ページ) 景色を見た時に「すごーい」「感動した」という感想が出がちだけど、その感情になる背景は一人一人違うんだな、と。だからこそ表面的な感想だけじゃなく、景色を通して自分の深いところに問いかけをして出てきた言葉に耳を傾けたい(自分探しの旅ってこういうこと?)。 多分この小説を読んで思い描いた風景だって一人一人違うんだろうな。

Posted byブクログ