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旅書簡集 ゆきあってしあさって の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2022/08/30

SF作家3名がそれぞれの旅行先で見聞きしたことを報告しあうという設定で書かれた、書簡体のリレー小説。世界のどこかにあるかもしれない不思議な土地をめぐる空想旅行記。 東アジアを思わせる日常的な風景が徐々におかしな方向へズレていく高山さん、旅行先の土地にとって旅人は常に"...

SF作家3名がそれぞれの旅行先で見聞きしたことを報告しあうという設定で書かれた、書簡体のリレー小説。世界のどこかにあるかもしれない不思議な土地をめぐる空想旅行記。 東アジアを思わせる日常的な風景が徐々におかしな方向へズレていく高山さん、旅行先の土地にとって旅人は常に"異分子"であることをホラー的に演出する酉島さん、一番純粋に観念的な幻想の国を組み立てる倉田さん、三者三様の作風の違いが楽しい。そんな三人の旅を、カニ頭の謎の人物と郵便局員シュヴァルが繋いでいく。 酉島さんはどれも不条理小説のようでゾクッとする面白さがあったけど、特に"外国人がイメージするニッポン"をイジり倒した「ッポンの国」は、独自の言語センスも光りまくる独壇場。倉田さんの「雨とカーフューの国」も旧社会主義国みたいな嫌さがあるが、一番好きなのはショーン・タンの絵本にでてきそうな「飛行機の街」。高山さんの連作が一番エッセイとフィクションのはざまを行き来する旅行記らしさがあると思う。 てっきりコロナ禍を受けて生まれた遊びかと思っていたら、三人が売れっ子になる前の2014年からだしていた同人誌だというのもSF的なオチ。

Posted byブクログ

2022/04/26

リレー式書簡集、のていをした架空旅行記、とは思えないほどスケッチも写真も呪いの人形もリアル。秘境旅モノの書棚にしれっと紛れていてほしい。 異国情緒を楽しむ趣向もあれど、ところどころ不穏。うっかりすると夢に出てきそうな蟹男の気配におののく。

Posted byブクログ

2022/03/14

どなたの作品も未読 帯に岸本佐知子さんのお名前があっただけで手に取る なんとまあ、どうしましょうというところから入る旅路に、行きつく先はあるのかしらとやり取りを覗き見る 途中、呪われたのか膠着状態になるも、なんとか打破 夢の中の出来事のような、なさそうでやっぱりないのだけど、微...

どなたの作品も未読 帯に岸本佐知子さんのお名前があっただけで手に取る なんとまあ、どうしましょうというところから入る旅路に、行きつく先はあるのかしらとやり取りを覗き見る 途中、呪われたのか膠着状態になるも、なんとか打破 夢の中の出来事のような、なさそうでやっぱりないのだけど、微かな現実味にやっぱりあるんじゃないかとドキドキする頃には、もうすでに取り込まれているんだな

Posted byブクログ