文学部という冒険 の商品レビュー
なんだかうまく言えないのですが、必要な本にぶち当たった気がしました。たまたまの偶然なのですが、直近で「欲望の錬金術」「広告的知のアルケオロジー」「編集の提案」という関連のない本を読み繋げてきているのですが、なんとなくそれぞれに人間の知性の可能性を信じている感じが共通しているように...
なんだかうまく言えないのですが、必要な本にぶち当たった気がしました。たまたまの偶然なのですが、直近で「欲望の錬金術」「広告的知のアルケオロジー」「編集の提案」という関連のない本を読み繋げてきているのですが、なんとなくそれぞれに人間の知性の可能性を信じている感じが共通しているように思えていて、本書のプロローグでその補助線が引かれたような気になったのです。「知識は、通常〈情報〉と〈理論〉からなる。」「理論としての知識と、それによってそこだけが脚光を浴びて浮き彫りになる情報とは、互いに強化された意味の枠組みの中に、ともすれば固定されてしまう。それゆえときには、さまざまな説明や理論から距離を置く視点が必要とされるのである。」「文学は理論や情報のいずれでもない。」目的志向性ではない学問、人文学。文脈という可能性、そこが前の読書との繋がりポイントのような気がします。なぜ、人は本を読むのか?知識を得る、というシンプルな答えだけではないことを「マルコの福音書」から「映像研には手を出すな!」まで縦横無尽に語っています。そのパワーの源は、役に立たない学部とされる文学部を取り巻く環境への怒りです。たぶん、この本を読んだことも自分の中でまた次に繋がる気がします。
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