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石を黙らせて の商品レビュー

3.5

12件のお客様レビュー

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2024/01/06
  • ネタバレ

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過去を償うために自分の犯した罪を告白するお話です。誰かを傷つけてしまった人へ。 誰かの幸せを願うことさえ許されないのだよ、謝罪は自分を慰める行為でしかない。

Posted byブクログ

2023/06/01

https://book.asahi.com/article/14588084 この話に出てくる男たち、全員火に焼かれてほしい。多分この感想がこの物語で一番正しい。多くの人に読まれることを望むよ。

Posted byブクログ

2023/05/29
  • ネタバレ

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ページ数にして156ページ。読み終えるのはさほど時間がかからない。だけど、一時も心が落ち着かない156ページ。むしろ、気持ちが乱れてずっと心が騒ぐ。そして、読み終えてからしばらく気持ちがザワつく。罪を犯したり、やましいことはないのに、読んでいるこちらが追い込まれていくような感覚が拭えない。とにかく落ち着かない。 主人公は過去の強姦を婚約者に告白する。結婚が決まり、幸せを感じた時に強烈に思い出し、今までみたいに忘れたと同様に振舞っていけなくなったから。それから家族にも告白する。その後、共犯者の幹央にも話をしてブログで公開する旨を告げる。そして、元同僚の芳賀、共犯者でリーダー格の溝口、禅僧の宮下と順に対話していく。 罪を口にすることで、他人に言うことで、言葉にすることで、抱えきれない苦痛から解放されようとしたのか?過去の罪を告白して世間に知らせるのは、自分ひとりでは抱えきれない弱さなのではないかと思える。当然他人から非難されるだろうが、その分注目もされる。そこにはどこか僅かな容赦を求める気持ちが含まれているように感じる。自分で自分に罰を与えられない代わりに、無作為に罰を与えてくれる人を求めたかのようだ。それは、最悪の結果を想像して口にしたのではなく、最良(とまでは言わないがやや楽観的な)の結果を想像して口にしたかのようにも感じる。被害女性や周りの人たちのことを考えてではなく、自己のことを考えて発言したように思えるから。 言い逃れのしようがない完全に悪い自分、として客観的に語るほどに、どこか優しい言葉を掛けて寄り添ってほしい期待が隠れているように感じてしまう。 元同僚の芳賀との対話はとても強烈だった。芳賀は女性なのでまるで被害女性の代弁者かのように話すのだが、とてつもなく辛いが反論の余地はない。 読み終えて感じたことをここまで書いてきたが、これは結局因果を断ち切る気持ちが理解できていなからなのだろうか?一読では把握できていないのかもしれない。しばらくして読み直してみるのがいいかもしれない。

Posted byブクログ

2023/01/23
  • ネタバレ

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被害者は黙らない石に生きている間苦しみ続け、加害者は石の存在なんて知らずにあるいは無視して生きていける、その不合理さ 自己憐憫と自己満足の罪の告白なんて一番いらない

Posted byブクログ

2022/11/19

過去におかした強姦を婚約者や家族に告白し、ブログ等で社会に公表し、被害者を探し出し謝罪しようと考える私。 難しいテーマで、何が正しいのかわからない。 しかし、過去の罪を時効が成立するような時期になって告白するなんてズルい。 世間的には非難されても実刑は受けないのだから。 また、こ...

過去におかした強姦を婚約者や家族に告白し、ブログ等で社会に公表し、被害者を探し出し謝罪しようと考える私。 難しいテーマで、何が正しいのかわからない。 しかし、過去の罪を時効が成立するような時期になって告白するなんてズルい。 世間的には非難されても実刑は受けないのだから。 また、こんなことして被害者の女性は報われるのだろうか? 余計に苦しむだけだと思う。 忘れることは無いにしても自分は少なくとも罪を受けない安全なところから告白されても何の償いにもならない。 独りよがりな考え方でしかない。 自分が落ちぶれることで自己満足しているだけ。 被害者にも周りの人にも何も良いことはない。辛く遣り場のない感情を生むだけのような気がする。 世間に公表しなくても自分の罪にしっかり向き合い、苦しめばいいのだ。 他の人を巻き込むな、と言いたい。 こんなことしても被害者は決して喜ばない。

Posted byブクログ

2022/08/06

高校生の時に集団レイプの加害者になった男が、突然に罪の意識に目覚める話。 結婚する直前に目覚めて、自分の罪を告白することで婚約者や家族が傷つく様を見ると「そんな今更告白せんでも…」とか思う(現実のニュースを見て、とかだったらそんな感想出てこないと思うけど、小説だと思ってしまう) ...

高校生の時に集団レイプの加害者になった男が、突然に罪の意識に目覚める話。 結婚する直前に目覚めて、自分の罪を告白することで婚約者や家族が傷つく様を見ると「そんな今更告白せんでも…」とか思う(現実のニュースを見て、とかだったらそんな感想出てこないと思うけど、小説だと思ってしまう) 具体的な行いの内容は書かれているものの、あまり生々しくない。読みやすくはあるが、読んでいて、いまいち語り手である主人公が「レイプした人」という実感を持てない。 シリアス過ぎない場面も結構あり、元同僚の女や、主犯だった政治家の男、その男が紹介したお坊さん…といった面々とのやりとりはなかなか面白い。 詰めの甘いところはあるものの、読めてよかった。

Posted byブクログ

2022/06/09

加害から10年以上を経て、全てを捨てて、被害者への謝罪をしようとする性犯罪加害者の男が主人公の小説。 特に性犯罪については、どうしても自己満足のきらいは拭えないので、真の謝罪というのは本当に困難であると感じた。最初から性犯罪なんて絶対やったら駄目ということを再認識した。 性犯罪や...

加害から10年以上を経て、全てを捨てて、被害者への謝罪をしようとする性犯罪加害者の男が主人公の小説。 特に性犯罪については、どうしても自己満足のきらいは拭えないので、真の謝罪というのは本当に困難であると感じた。最初から性犯罪なんて絶対やったら駄目ということを再認識した。 性犯罪や謝罪の在り方について見つめなおすことができる有意義な小説だと思ったが、突然謝罪に目覚める主人公をはじめ、性犯罪を主導した溝口(現在は県議会議員)など、総じて登場人物のキャラクターにはリアリティがあまり感じられなかった。

Posted byブクログ

2022/05/23
  • ネタバレ

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17才の時成り行きでレイプした主人公。結婚前に突然罪の意識に囚われ何もかも暴露して断罪を乞おうとする。 降って湧いたような突然の後悔、主人公の押し潰されそうな心に救いはあるのだろうか?そして彼にとっての贖罪が果たしてされた彼女にとって救いとなるのだろうか?考えてしまった。

Posted byブクログ

2022/05/14
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17歳のころにレイプしたことが急に苦になり、その事実を公表し、被害者に謝罪したいと願う男。 面白い設定だと思って読んでみた。タイトルが良い。 しかし、 仮定したことのシミュレーションという感じが読む間ずっと続いた。良心の呵責を主人公が強く持っていることが切実に感じられず、設定として置いてある印象。 ゆえに、ラストのタイトル回収も響かなかった。良い着想なのに書ききれていないように思う。

Posted byブクログ

2022/05/07

芥川賞的な小説。高校生のときに自分が起こした強姦を婚約者に告白し(当然破綻)、親兄弟にも告白し、会社を辞め、誰だか分からない被害者を突きとめて贖罪をしようと本名でブログを書こうとしつつ、当時の共犯者たちと連絡を取ろうとしていく主人公。たまたま出会った元婚約者と同僚の女性とのやり取...

芥川賞的な小説。高校生のときに自分が起こした強姦を婚約者に告白し(当然破綻)、親兄弟にも告白し、会社を辞め、誰だか分からない被害者を突きとめて贖罪をしようと本名でブログを書こうとしつつ、当時の共犯者たちと連絡を取ろうとしていく主人公。たまたま出会った元婚約者と同僚の女性とのやり取りなども通じて変わっていく主人公。伊坂幸太郎の作品い出てきそうなくせのある登場人物たちの会話を中心に進んで行くのだが、伊坂幸太郎作品のようにエンターテインメントではなく、特別なオチもない。 誰にでもあるだろう忘れたい過去に自分の過ちとどう付き合って生きていくのか、忘れたいのに思い出させる作品でした。「認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを」by シャー・アズナブル。

Posted byブクログ