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スノウ・クラッシュ 新版(下) の商品レビュー

3.8

25件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

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2023/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

メタヴァースの概念を生み出したとも言われる作品。サイバーパンクの世界で連邦として崩壊したアメリカ、その残り少ない最先端は高速ピザ配達、なんて言うつかみから始まり、現在と遜色ないメタヴァースの描写に加えバベルやシュメール文明まで出てきて興奮が止まりませんでした。ひとまず今日は30分以内で届くピザを探してネットの海を泳ごうと思います。

Posted byブクログ

2022/12/31

上巻冒頭の「高速ピザ配達」という心湧き踊らない設定から一転、話は”スノウ・クラッシュ”からシュメール文明の”メ”というある種のウイルス、第二次世界大戦末期の歴史的経緯、それらがリアルとメタヴァーズを相互に行き来しながら壮大に展開していく。Y.Tとレイヴンの性的かつ野性的なやり取り...

上巻冒頭の「高速ピザ配達」という心湧き踊らない設定から一転、話は”スノウ・クラッシュ”からシュメール文明の”メ”というある種のウイルス、第二次世界大戦末期の歴史的経緯、それらがリアルとメタヴァーズを相互に行き来しながら壮大に展開していく。Y.Tとレイヴンの性的かつ野性的なやり取りも艶っぽくて妙に哲学っぽく面白い。 Meta社の”メタヴァーズ”から再脚光を浴びた作品であるが、新型コロナを経て一気に進展したデジタル時代と新権威主義の台頭の今だからこそ興味深く読める。ネオサイバーパンクの古典的名作としてSF好きの方はぜひ一度読んでみてもらいたい。

Posted byブクログ

2022/10/19

世界で初めてメタバースという言葉と使ったと言われている作品。本作が1992年に書かれたということが驚き。 2022年の今となっては、そこまで驚きの発想は無いが、逆に30年後の今から見て、それなりに妥当と感じられる世界観を描き出したのが凄いと思う。 一方、不思議な読み方をさせる単語...

世界で初めてメタバースという言葉と使ったと言われている作品。本作が1992年に書かれたということが驚き。 2022年の今となっては、そこまで驚きの発想は無いが、逆に30年後の今から見て、それなりに妥当と感じられる世界観を描き出したのが凄いと思う。 一方、不思議な読み方をさせる単語が多いこともあってか、いまいち世界設定が追いきれない部分が多く、読みながら各場面を想像するのが非常に大変で、私個人としては非常に読みにくさを感じた。また、歴史と宗教を背景とした展開が一部含まれるが、こちらも全然知識がなかったこともあるが、読んでいてちょっとつらかったかな。

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2022/08/13

ゲーム「ボーダーランズ」がプレイしたくなった。ヒャッハー!な感じ。 「権力は衰退する(国家が実権を失い、企業やマフィアが治外法権を得る)」「進化論(不完全だからこそ変化し生き延びる)」「デジタル社会の行く末」など、勉強になるものも多い。 15歳の少女でも「自分の力で生きる」とこれ...

ゲーム「ボーダーランズ」がプレイしたくなった。ヒャッハー!な感じ。 「権力は衰退する(国家が実権を失い、企業やマフィアが治外法権を得る)」「進化論(不完全だからこそ変化し生き延びる)」「デジタル社会の行く末」など、勉強になるものも多い。 15歳の少女でも「自分の力で生きる」とこれくらいたくましくなるのかな。

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2022/07/31

ニール・スティーヴンスン「スノウ・クラッシュ(下)」読了。時折出てくるニッポニーズに発刊当時の日本の凄さを感じつつ、まるでゲームの終盤のようなクライマックスを堪能することができた。この没入感はまるで自分がこの小説に中にジャックインしているような感覚だった。大団円に大満足!

Posted byブクログ

2022/07/15

1992年に書かれたにもかかわらず、今読んでも色褪せないSF。メタバースと現実世界の行き来や、国家ではなくフランチャイズが影響を持つ世界観、コードで動く世界、ウイルスとそれらがコントロールするレイヤーの設計などが秀逸。

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2022/06/21

下巻ではヒロとY.Tの”スノウクラッシュ”をとりまくキーパーソンらに近づいていく中で色々と大きな動きが起きる。上巻と同様に、非常に細かな設定や神話的な専門知識が多く後半は流し読みしてしまった。ただ、現実世界における言語ウイルスとメタバースにおけるコードウイルスが併存しているのは面...

下巻ではヒロとY.Tの”スノウクラッシュ”をとりまくキーパーソンらに近づいていく中で色々と大きな動きが起きる。上巻と同様に、非常に細かな設定や神話的な専門知識が多く後半は流し読みしてしまった。ただ、現実世界における言語ウイルスとメタバースにおけるコードウイルスが併存しているのは面白かった。

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2022/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世界的地位の低下でもはや国家が国家としての体裁を失い、資産家や宗教家がそれぞれの縄張りを「フランチャイズ国家」として分断・支配する近未来のアメリカ。凄腕のハッカーにして高速ピザ配達人のヒロ・プロタゴニストは、「スノウ・クラッシュ」と呼ばれるドラッグの噂を耳にし、友人がそのドラッグのために活動不能になる現場に遭遇する。ピザ配達の途中で偶然知り合った聡明で生意気な<特急便屋>の少女Y・Tの助けを借りながら、「スノウ・クラッシュ」の謎を追うヒロ。ガラスの武器を操る謎の大男、訳知り顔の美女、マフィアのボス、新興企業のトップ・・・怪しげな人物が次々と関わる中、フランチャイズ国家の国境も、現実と仮想空間の境もものともせず、ヒロとY・Tの冒険が始まる! この作品、新版発売時は「あの『メタヴァース』を初めて取り上げた歴史的作品!最近流行りのIT企業のトップたちがこぞって絶賛する、これからのビジネスパーソン必読の書!」といった、ビジネスに役立つインスピレーション満載!というイメージで売り出されていました。 ・・・が、あらすじまとめてみると、そんな雰囲気しないでしょ?だって、そういう作品じゃないもん。それが、読了後に鴨がこの作品に下した評価です。 愉快痛快しっちゃかめっちゃか、スピーディな展開と全編に溢れるユーモアで楽しく勢いよく読み進められる、一大エンターテインメント作品です。 確かに「メタヴァース」という言葉を初めて使った作品、ではあります。が、SF者にとって仮想空間を主な舞台とする世界観は80年代のサイバーパンク・ムーヴメントですっかりお馴染みで、アイディア自体は特に新鮮味はありません。これまでのサイバーパンク作品との大きな違いは、仮想空間の組み立てがより現実的でビジネスライクなところ、日本語表現的にちょっとアレですが「地に足のついた仮想空間」であるところ。そして、何よりもユーモアが前面に出ていること。SFを読む時は、聞いたこともないような言葉や斜め上の理論にも自己の想像力を駆使してなんとなくイメージしながら食らいついていく「SFリテラシー」的な能力が必要な場合があります。でも、この作品にはそうした能力は不要です。現実社会と地続きの世界で、私たちと同じような物の考え方をする登場人物たちが生き生きと躍動しています。 ただ、決して「読みやすい」作品ではありません。ストーリー展開がスピーディーな分、次々変わる場面、次々登場する登場人物についていくのがやっとで、特に上巻はかなりとっ散らかった印象を受けました。下巻に入って、主要な登場人物の思惑や関係性がわかってくるのですが、そうするに至った経緯や情熱が正直なところ鴨にはよくわからず、特に二人の主役、ヒロとY・Tがなぜそこまで全力でこの謎を追う必要があるのか?が最後まで理解できませんでした。明かされる謎の真相も、そこまで驚きのあるものではありませんでしたし。 というわけで、ストーリー展開という面では、鴨は正直いまいちでした。 が!読んでいるときの、このワクワク感!何がワクワクするって、この圧倒的な「映像力」ですね。特に後半に入ってからの、ヒロとレイヴンのバトルシーンであったり、Y・Tのハイウェイ疾走シーンであったり、そして何よりも、ラストシーンのファイドーーーーー!!!まるでハリウッドの超娯楽大作が眼前で繰り広げられるが如き、ニール・スティーヴンスンの絢爛華麗でハッタリ満載の筆力の素晴らしさよ(※鴨注:褒め言葉ですヽ( ´ー`)ノ)。 いやほんと、この作品を映画化したら、すっごく面白くなると思うんですけど。仮想空間のシーンを如何に映像で表現するか、が監督の腕の見せ所になりそうな気がします。

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2022/05/24

「メタバース」 …… VR(ヴァーチャル・リアリティ)が気に入らなかった作者が考えたBuzzる単語。 「Da5id」…… 5をローマ数字にすると、DaVid(デビット)になるです。 もし、このての話が好きなら、 迷わず手にとって、 あとがきから読んで欲しい一冊です。

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2022/05/19

アメリカ合衆国の連邦政府が崩壊した未来を描くが、ソビエトというもう一つの連邦の悪影響も受けている。ロシア崩壊の影響で多くの難民が入ってきている。普通の難民は連邦に弾圧されて来る人々であるが、連邦政府側の人間もロシアが滅茶苦茶になったために来ている。その中には「KGB長官から狂信者...

アメリカ合衆国の連邦政府が崩壊した未来を描くが、ソビエトというもう一つの連邦の悪影響も受けている。ロシア崩壊の影響で多くの難民が入ってきている。普通の難民は連邦に弾圧されて来る人々であるが、連邦政府側の人間もロシアが滅茶苦茶になったために来ている。その中には「KGB長官から狂信者になった男」もいる(118頁)。そのような連中がアメリカでコミュニティを乗っ取る。ロシア連邦のプーチン大統領がジョージアやウクライナでロシア系住民の保護を口実に侵略したことを予見している。 警察官に対する悪印象が以下の描写に表れている。「このビルの中にいる男の数が、通常よりも多い。髪をオールバックにしたデブ男ばっかりだ。警察関係のビルなのだろう。正面玄関にいる警備係は骨の髄まで警官らしく、ビル内にスケートボードを持ち込もうとする彼女につっかかる」(138頁)。現実の米国ではDefund the police(警察予算を打ち切れ)が政治スローガンになっている。 連邦の公務員は市民の財産を収奪する存在である。「盗んどいて、盗んでない、没収したんだって言うんだから。あんたたち連邦府の人たちのやることはわかっているわ」(139頁)。 民間感覚からすると政府は無意味である。「企業が手を付けないような事業、すなわち無意味と思われるような事業を行うために、政府は考えだされたのだ」(374頁)。 「LAじゅうのありとあらゆる店で大量のジャンク・フードをつまんできた―ドーナツ、ブリトー、ピザ、スシ、なんでもだ」(373頁以下)。ここでは寿司がジャンク・フードに入っている。現代日本では寿司が高級化しているが、江戸時代は屋台で食べるファーストフードであった。寿司をジャンク・フードの仲間に考える方が寿司の歴史からは正しい。ハンバーガーはパンという炭水化物と肉を同時に食べるものである。寿司も米という炭水化物と魚肉を同時に食べるものである。

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