早朝始発の殺風景 の商品レビュー
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『早朝始発の殺風景』の殺風景が苗字だったとは… この衝撃から始まった本書。私は今まで青崎有吾さんの作品を読んだことがなく、初読みに丁度いいものはないかなと探していたところ、本書に出会いました。 表題作は、電車の中で読んだので出口に近い扉から乗るところはあるあるすぎて少し笑ってしまい、、普段何気なくやっていることが改めて文字化されると、なんだか滑稽に思えますw 『メロンソーダ・ファクトリー』のように、親しくなればなるほど、言えることも多くなるけど、それと同じように言えないことも増えていって…。自分も同じような経験があるなと…。親しい人にこそ、秘密って言えなくなるものですよね…。 いわゆる日常の謎系のミステリーだけれども、思春期特有の人間関係、ほんの少しの見栄とか、秘密とかを表していて、文字通り「青春密室劇」だなと感じました。
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まさかタイトルの殺風景とは、人の名前だったとは。 短編集で全ての話が面白いというのもなかなかすごい事ですが、本作は解説も素晴らしく、モヤモヤが晴れました。
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「黒猫を飼い始めた」で青崎さんの短編を気に入ったので、この本に辿り着いた。「殺風景」が苗字というのはちょっと詐欺だよね。少し無理な設定はあったけど、それを差し引いても、どの話もほっこりとなったし、謎解きも面白かった。青春いいなぁ。エピローグで、殺風景が実行に移してたのには驚き。やるねぇ
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題名と表紙買いしたら、全然想像と違うお話で驚いたけれど、推理+青春って感じで面白かったです。 「メロンソーダ・ファクトリー」がお気に入りです。
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始発の電車、放課後のファミレス、観覧車の中、自然公園のレストハウス、風邪で休んでいる級友の部屋。 密室内で繰り広げられる、高校生の会話劇で構成された5つの短編は、はじけてるだけじゃなく、ほろ苦さも混じっていて、彼らの高校生活がとてもリアルに感じられます。 身近に起こるほんの小さな...
始発の電車、放課後のファミレス、観覧車の中、自然公園のレストハウス、風邪で休んでいる級友の部屋。 密室内で繰り広げられる、高校生の会話劇で構成された5つの短編は、はじけてるだけじゃなく、ほろ苦さも混じっていて、彼らの高校生活がとてもリアルに感じられます。 身近に起こるほんの小さな謎解きと、相手に対する心遣いがニクいなぁ。 電車と観覧車が移動しながら、窓から見える景色がしだいに変化して、時間の経過と共に二人の関係も少しずつ変わっていくような感じの描写が、読んでいて楽しかったです。 元々お互い希薄な縁だったはずなのに、物語の終わりには仲良くなりそうな予感がして、最後にはほっこりと笑顔にさせてくれます。 「青春ってきっと、気まずさでできた密室なんだ」けど、ふとしたきっかけで「密室は開かれる」のですよね。 「三月四日、午後二時半の密室」が特によかったです。
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些細なところにヒントが隠されていて、考えるのが面白かった。 通学中の電車の中で読んでたけど、1話が短くてサクッと読めるくらいのボリュームなのに、内容は詰まっててしっかり満足。 読後にちょっと想像を広げられるところがいいな。
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少しの謎と青春が合わさった5つの短編集。 早朝始発〜は意外と謎が重い感じだった。好きなのは2作目のメロンソーダ・ファクトリー。友達でも言えないことはありますよね。
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殺風景って名前なんかぁい!!と思いました。 最後のエピローグで各短編の後日談がバァーと記載されていました。 日常謎を中心として書かれているお話でサクサク読むことができました。
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本格ミステリでござる、と大上段に構えて大長編でかかってくる作品も好きですが、本書のような小粒ながら一粒一粒がしっかりしている作品も良いもので。 日常のちょっとした出来事… 表題作、"早朝始発の殺風景"では二人が始発に乗り合わせた理由。 "メロンソー...
本格ミステリでござる、と大上段に構えて大長編でかかってくる作品も好きですが、本書のような小粒ながら一粒一粒がしっかりしている作品も良いもので。 日常のちょっとした出来事… 表題作、"早朝始発の殺風景"では二人が始発に乗り合わせた理由。 "メロンソーダファクトリー" ではどうして友達のクラスTシャツ案に反対したのか。 "夢の国には観覧車がない" では男二人でわざわざ観覧車に乗った訳を。 後二篇についてもそういった、日常での些細な違和感をミステリに仕上げており、一篇がかなり短めながら満足感を得られて、読後感がすごく良かった。 一篇を除いては。 "捨て猫と兄妹喧嘩" だけがどうしてもこう、猫を飼っている身としては猫の描写といい、結末といい、納得感が無くて苛立つところがあった。 この一篇がなかったら…と思うと残念。
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「青春とは何かを考えさせられる一冊」というお題の読書会で、参加者さんの一人が推薦していて興味を持った。 10代独特の居心地の悪さや居た堪れ無さ、自意識過剰さを表すエピソードに、ああ、そうそう、青春ってそうよね、と頷いて軽く読み流していたら、まさかのミステリー展開にビックリ。 しか...
「青春とは何かを考えさせられる一冊」というお題の読書会で、参加者さんの一人が推薦していて興味を持った。 10代独特の居心地の悪さや居た堪れ無さ、自意識過剰さを表すエピソードに、ああ、そうそう、青春ってそうよね、と頷いて軽く読み流していたら、まさかのミステリー展開にビックリ。 しかもちゃんと伏線を回収していて、お見事!としか言いようがない。
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