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君に勧む杯 の商品レビュー

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2022/04/08

悪くはないのだが、展開としては退屈だなと感じてしまった。井伏先生について基本的な知識を仕入れておかないと話が分かりづらいかも。太宰先生との会話が多めなので、二人が好きな人はもっと楽しめるのでは。

Posted byブクログ

2022/04/07
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※このレビューにはネタバレを含みます

文アルラノベ第三弾。第一弾は初回ということもあり文アルの世界観掘り下げを色濃く出してきた中で、作家芥川の話を、第二弾はオールキャラで小泉八雲の『怪談』の中へ入っていく話を、そして今回はかなり作家・井伏鱒二の人生と著作を調べ上げて作ったかのような、文アル×作家の人生というハイブリッドで濃厚な一冊に仕上がっている印象だった。 前作の作家がエンタメに振っていたからなのか、今回はなかなか文章の上手い作家を持ってきたと感じ、一文一文に独特の味があった。何より、作家・井伏鱒二を丁寧に描いていこうという気概を端々から感じたのが素晴らしかった。文アルではなかなか見られなかった作家本人の家族の話や、「戦争や戦いという場」について井伏鱒二という作家がどう捉えて作品の中に落とし込んでいったのかという点が作中の端々から垣間見えていて、作者の井伏に対しての理解や眼差しなどを感じ取れる所が好印象だった。その「戦い」に対しての井伏の考えが、文アルというジャンルの「潜書」にそのまま生かされていく構成は見事という他ない。文アルというジャンルの点でいうと、文劇(舞台版)などがかなり濃厚に主人公に据えた文豪を掘り下げてくれる印象だが、本書はそれに匹敵するほど濃厚に「井伏鱒二」一人に集中して掘り下げがなされていくので、大変読みごたえがあった。他の登場キャラクターとしては、井伏の師匠に当たる佐藤春夫、太宰治、同時代人として横光利一、その友人である川端康成などが登場するが、いずれも井伏に対してひとかたならぬ絡み方をする。これぞ関係性を重視する文アルの醍醐味である。井伏ファンには是非お勧めしたい一冊。 あと個人的には太宰が文アルのキャラとは思えないほどクールで切れ者な判断をするので見ていてかなり史実分を濃く受けた印象だった。太宰はメディアミックスによってかなりキャラが変わるので本書でまた新たな一面を見た気分だったし、最後に井伏と釣りをやるシーンがとても良い締め方だと思った。

Posted byブクログ

2022/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

井伏の半生と著作を分かりやすく説明してくれる序盤から中盤。井伏の故郷もお酒も魅力的。 しかし友はいつ出てくるのか。ぽっかり空いた、その場所にいたはずの友。早く思い出して!! と思いながら読んでいたら最後の数十ページで無事クソデカ感情にやられました。 もっとはやく出てきてほしかったな。 あと太宰が、ゲームや文劇とはまた違った魅力があってものすごくいいですね…

Posted byブクログ

2022/03/21

今までの文アルノベライズで一番好き! 太宰と井伏先生の関係が非常に尊いです。太宰が飄々としてる、と思いきや切れ味するどくてとても良い味出してました。あと登場した作中キャラも素敵でした。平知章。 井伏先生と言えば『山椒魚』と『黒い雨』しか知らなかった人間ですが、『かるさん屋敷』と『...

今までの文アルノベライズで一番好き! 太宰と井伏先生の関係が非常に尊いです。太宰が飄々としてる、と思いきや切れ味するどくてとても良い味出してました。あと登場した作中キャラも素敵でした。平知章。 井伏先生と言えば『山椒魚』と『黒い雨』しか知らなかった人間ですが、『かるさん屋敷』と『さざなみ軍記』めっちゃ読みたくなったのでこれは文豪コラボ作品として大成功ではないですかね…。 今後劇場版とかドラマCDとかでやって欲しい完成度。 仁木英之は初めて読んだけど文章読みやすいし話の展開も好きだなぁ。『僕僕先生』を積んでるはずなのでちゃんと読みたいと思います。

Posted byブクログ

2022/01/30

ソシャゲ「文アル」のノベライズ第三弾。あの仁木先生が書かれると言うことで発売前から期待しかありませんでしたが、素晴らしいノベライズに仕上げて下さいました。 作家、井伏鱒二への愛がつまった一冊で、井伏の生い立ちの知識を仕入れてから読んだ方がより楽しめるんじゃないかと思います(ざっく...

ソシャゲ「文アル」のノベライズ第三弾。あの仁木先生が書かれると言うことで発売前から期待しかありませんでしたが、素晴らしいノベライズに仕上げて下さいました。 作家、井伏鱒二への愛がつまった一冊で、井伏の生い立ちの知識を仕入れてから読んだ方がより楽しめるんじゃないかと思います(ざっくりの知識はWikipediaなんかでも仕入れられるのでそこらへん先に読んでみてから…)。 温厚な人物が抱える矜持みたいなものが行間から迸る、味わい深い一冊でした。

Posted byブクログ