さばの缶づめ、宇宙へいく の商品レビュー
教育困難校だった小浜水産高校が、1人の熱い先生=小坂先生が赴任してきたこと、元々職業訓練の一貫で有していたサバ缶加工施設があったこと、地元の海をきれいにしたいと思い、地域を巻き込んだ活動をするような生徒たちがいたことなど、色々なタイミングも合って学校が変わり始める。 宇宙食がい...
教育困難校だった小浜水産高校が、1人の熱い先生=小坂先生が赴任してきたこと、元々職業訓練の一貫で有していたサバ缶加工施設があったこと、地元の海をきれいにしたいと思い、地域を巻き込んだ活動をするような生徒たちがいたことなど、色々なタイミングも合って学校が変わり始める。 宇宙食がいかに厳しい条件の下で作られるか、認められるまでの年月の長さにも驚くが、それを乗り越え、発想から、高校生が作ったサバ缶が宇宙に届くまで、14代もの生徒が(途中で中断していた時期もあるが)たすきを繋いで、夢を実現させた生徒たち、それを応援した大人たちに頭が下がる。 途中で学校統合もあり、教育のあり方を当事者の学校だけに止まらず、地域ぐるみで議論したというのもスゴい。日本の教育、地方の力は捨てたもんじゃない、と元気をもらえた一冊。 途中何度もウルウルきた。
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13年かかって鯖街道は宇宙につながった。その夢は、先生が一方的に導くのではなく、歴代生徒達の試行錯誤によって、半歩ずつ進み、目標を達成した点に感銘を受けた。 生徒の努力はもちろんのこと、大人たち、小坂先生、宇宙飛行士の方々、JAXAの方や、地元の市民の支援や交流があったからこそ成...
13年かかって鯖街道は宇宙につながった。その夢は、先生が一方的に導くのではなく、歴代生徒達の試行錯誤によって、半歩ずつ進み、目標を達成した点に感銘を受けた。 生徒の努力はもちろんのこと、大人たち、小坂先生、宇宙飛行士の方々、JAXAの方や、地元の市民の支援や交流があったからこそ成功した。大人の熱量もすごい。 その後の生徒達が書かれているが、成功も失敗も含め、経験している子どもたちは、やはり前向きだ。
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中学生の頃の自分に伝えたい。人生は一度きりだよね。だったら試してみてもいいんじゃないかな。今、将来を迷っているんだったら、どのみち高校普通科でも迷うよ。だったら、職業系高校で試してから大学を選んだらいいじゃない。 この本読んだ今の自分なら、絶対そうする。その方が、忙しいかもし...
中学生の頃の自分に伝えたい。人生は一度きりだよね。だったら試してみてもいいんじゃないかな。今、将来を迷っているんだったら、どのみち高校普通科でも迷うよ。だったら、職業系高校で試してから大学を選んだらいいじゃない。 この本読んだ今の自分なら、絶対そうする。その方が、忙しいかもしれないけど、楽しそうと。 本書が図書館の「ティーンズ」コナーにあったので、つい、こんな感想がでてきます。 著者の一人、小坂康之先生が東京水産大学を卒業し、福井県の小浜水産高校に赴任したところから物語は始まります。 本のタイトルのようにサバ缶が宇宙に行って、盛り上がりもありますが、だいたい地道です。 まず、小坂先生は新卒教員なので授業のスキルアップに取り組みます。 そして食品加工の教員として、小浜水産高校伝統のサバ缶工場の、食品安全の「HACCP認証」取得を目指します。 金属検出機が買えなくても、サバを切る包丁の刃こぼれ危害を防ぐため、10分ごとに包丁を点検して記録を残します。素晴らしい教育です。感動で涙がでました。 今は金属検出機はあるそうですが、10分ごとの点検はあえて残しているそうです。こうして、生徒さんたちは、HACCPの本質を体得されるんですね。 そして、小浜水産高校の統合問題を、小坂先生は他の先生方と、そして、地域の方々と共に乗り越えていきます。何でも統合するのは大変ですよね、みなさんがんばりました! そこから小坂先生は、探究学習を究めていきます。学校は全国1位にも選ばれています。 探究学習では、最初の課題設定に力を入れているそうです。生徒さんたちの、好きなこと探しに時間をかけます。これは以前読んだ『リサーチのはじめかた』と同じだ。 小坂先生はじめ先生方の考え方は、生徒さんの成長が第一ですね。宇宙日本食サバ缶は学習課題の1つであり、学習を深めていった先の、当然の帰結であることがよくわかりました。 宇宙日本食サバ缶について、ぜひ本書を読んでみてください。
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主役の生徒達は言わずもがな、彼らを支え続けた大人達の情熱にも感動した 何世代にも渡って先輩達が後輩達へ夢のバトンを繋いでいく様は、個人的に好きな某漫画の"人の想いこそが永遠であり 不滅なんだよ"のシーンを想起させて思わず胸が熱くなった
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成功にに向かっているのが分かるから安心して読み始める どんな所でどんな風に進めていったのかなー?なんてね 最初のHACCP取得が面白い やってみることに勇気がわく 生徒や周りの大人たち沢山の人々が関わって このプロジェクトを宇宙まで届けたんだと分かる 時が止まったように思えて苦...
成功にに向かっているのが分かるから安心して読み始める どんな所でどんな風に進めていったのかなー?なんてね 最初のHACCP取得が面白い やってみることに勇気がわく 生徒や周りの大人たち沢山の人々が関わって このプロジェクトを宇宙まで届けたんだと分かる 時が止まったように思えて苦しかった事もあったと思う それだけ時間がかかっている 新幹線が開通すれば風通しが良くなるかもだが 小浜といえば日本海の遠い街な訳で 分からない人も多いだろう 多少の誇張もあるかもだけど ここでこんなドラマがあったんですね
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本当に専門性のある高校は凄いなぁ。 世界と直結してる。 地元の名産を宇宙飛行士に食べてもらいたい、と考えた高校生たちの記録です。 2023/07/27 更新
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教育って、すごい。 教えるだけじゃなくて、育てていく。 それは、生徒だけじゃなくて先生も、学校も、地域も。 実現した夢はドラマみたいなのに、それぞれの日常には、きっとドラマみたいなことは起こっていなくて、ただ、一人一人が自分が良いと思うことをして、せっせと自分の手の回せる範囲で...
教育って、すごい。 教えるだけじゃなくて、育てていく。 それは、生徒だけじゃなくて先生も、学校も、地域も。 実現した夢はドラマみたいなのに、それぞれの日常には、きっとドラマみたいなことは起こっていなくて、ただ、一人一人が自分が良いと思うことをして、せっせと自分の手の回せる範囲で頑張ってきた。 そうして繋げて、繋いできたことをもっと先へ繋ぎたくなって、ふと振り返ったら、実現していた。 こんなにも多くの人が同じ方向を見ていた。 そんな感じなのかなって。 そこがまたとてもリアルで、ホントにすごいと思うし、結果として「誰にでもできることじゃないよね!」ってなるんだと思う。
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仕事上、たまたま読んでみましたが どの観点から見ても突き刺さる内容でした。 これは、「最近、自分の仕事が味気ないな…悪くはないけど」という、微妙なモヤモヤを抱える社会人は是非読んでもらいたいです。 「青春っていいなぁ」みたいな単純な読後感ではありません。 明日が来るのをもう...
仕事上、たまたま読んでみましたが どの観点から見ても突き刺さる内容でした。 これは、「最近、自分の仕事が味気ないな…悪くはないけど」という、微妙なモヤモヤを抱える社会人は是非読んでもらいたいです。 「青春っていいなぁ」みたいな単純な読後感ではありません。 明日が来るのをもう一度楽しみにしてみようかな、と思える一冊。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
福井県の若狭高校の先生や高校生たちが、宇宙で食べられるサバ缶を開発したノンフィクションです。 さば缶、といえば、保存食としてだけでなく、料理の食材、ぱかっと缶を開ければ一品に、、DHAなどの栄養価も高く カレー味やチョコレート味などいろんな缶も発売されていますね。 福井県にはもともと「鯖街道」という若狭地方と京都を結ぶ街道がありました。その「鯖」の道が宇宙まで続いて しまうなんて、すごいですね。さて、その宇宙に持って行くため工夫したのは? ① 汁が飛び散らないようにした ② 骨を全て取り除いた ③ ケチャップ味にした
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純粋に面白かった。「教育困難校」「底辺」などと言われている学校であっても、好奇心と諦めない心があれば、何だってできるんだという、シンプルな楽しみ方もできる。同時に、生徒のやる気を引き出し、かつ自主性を重んじ、必要な支援を適切に提供することが成功につながるということや、予算や実績が...
純粋に面白かった。「教育困難校」「底辺」などと言われている学校であっても、好奇心と諦めない心があれば、何だってできるんだという、シンプルな楽しみ方もできる。同時に、生徒のやる気を引き出し、かつ自主性を重んじ、必要な支援を適切に提供することが成功につながるということや、予算や実績がなくても工夫次第でなんでもできるという大事なことも思い出す(大人は忘れがち)。探求の時間などで苦労している先生方にも参考になるのではないかな。本編も面白いのだが、個人的には「後書き」での心情の吐露が刺さりましたよ。
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