さばの缶づめ、宇宙へいく の商品レビュー
人間、食べなければ生きてはいけない。 それは宇宙であっても同じ。地球と異なる環境で、栄養を摂るために、どう工夫するか、それらの集大成が宇宙食であり、宇宙食で思いつくのは、子供の頃に見た、フリーズドライの食品たちだった。 この本のタイトルを見て、確かに缶詰なら宇宙に飛ばせるので...
人間、食べなければ生きてはいけない。 それは宇宙であっても同じ。地球と異なる環境で、栄養を摂るために、どう工夫するか、それらの集大成が宇宙食であり、宇宙食で思いつくのは、子供の頃に見た、フリーズドライの食品たちだった。 この本のタイトルを見て、確かに缶詰なら宇宙に飛ばせるのではないか、とページをめくったが、話はそれほど単純ではなかった。 宇宙食でも用いられるHASSPの取得から、『宇宙食、作れるんちゃう?』という一言をきっかけに始まったこのプロジェクト。 学校の統廃合や、そもそも缶詰類が、廃棄物の問題で宇宙に持ち込めるかどうかなど、向かい風は吹き荒れる。 それでも、14年もかかって最終的に実現できたのは、代々引き継がれてきた研究と、幸運と、そして、「楽しさ」があったからとこの本は述べている。 「楽しさ」といっても、気分が高揚するばかりの楽しさでは決してなく、「やりがい」や「達成感」、そして「報われることの喜び」の集積が、振り返ってみると「楽しさ」があったと、要約されてしまうが、決してそんな単純なわけではなかったことが、この本の節々に語られずとも現れてくるような気がした。 宇宙食に限らず、同じ制限された中で食を摂るという意味で、災害食に応用できないか、という研究も社会的に進められているそうだ。 宇宙食と災害時の食糧は、どうしても日常からかけ離れたイメージがある。しかし、それらも見えない創意と工夫で、いつか日常食べるものと一緒に、食卓にのぼるようになるのかもしれない。 「いつか」は、もっと近くにあるのかもしれない。 そう、希望に満ちた気持ちになることができました。
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高校生たちが14年かけて伝統で作り続けた鯖缶を宇宙食としての基準をクリアして野口宇宙飛行士が宇宙で食した物語。教育って何かとういう大切なポイントが散りばめられたドキュメンタリー。周囲を巻き込みながら生徒に伴奏し続けた小坂先生とその他の高校、大学の教員、地域の方々。そしてワクワクし...
高校生たちが14年かけて伝統で作り続けた鯖缶を宇宙食としての基準をクリアして野口宇宙飛行士が宇宙で食した物語。教育って何かとういう大切なポイントが散りばめられたドキュメンタリー。周囲を巻き込みながら生徒に伴奏し続けた小坂先生とその他の高校、大学の教員、地域の方々。そしてワクワクしながら地道に研究を続ける生徒たち!こんな勉強してみたかったなぁと思う。
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あっという間に読み終えてしまった。きっともっと文章では表現しきれないほどの苦労があったと思うし、生徒たちはTRY & Errorを繰り返してたどり着いた道のりだったのではないだろうか。「探究」は総合選抜入試などで求められる活動の一つであろう。きっと農業科や水産科という分野...
あっという間に読み終えてしまった。きっともっと文章では表現しきれないほどの苦労があったと思うし、生徒たちはTRY & Errorを繰り返してたどり着いた道のりだったのではないだろうか。「探究」は総合選抜入試などで求められる活動の一つであろう。きっと農業科や水産科という分野は、この「探究」という活動を日常から行い、生徒たちの力になってきているのだろう。
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