東大教授、若年性アルツハイマーになる の商品レビュー
私の母と診断がついた年も亡くなった年も、言葉が失われていくタイプの認知症だったことも同じだったこともあり、進行の過程に伴う本人や家族のとまどいがよくわかる。字の練習をしているノートや自筆のメモも見つけた時の著者の思いに自分を重ねずにはいられない。こんなふうになっちゃってかわいそう...
私の母と診断がついた年も亡くなった年も、言葉が失われていくタイプの認知症だったことも同じだったこともあり、進行の過程に伴う本人や家族のとまどいがよくわかる。字の練習をしているノートや自筆のメモも見つけた時の著者の思いに自分を重ねずにはいられない。こんなふうになっちゃってかわいそうにとか、地獄だね、という周りの言葉には理解されない無力感と憤りしか感じれないことも。脳の専門家であった人が自分は認知症を患っているかもしれないと感じ始めた頃の恐怖はいかばかりだろう。MRIの画像を何度も見ていた話が辛い。しかし、ご本人もその奥様である著者も信仰があるからか、地位や名声より人としての本質を大切にされてこられた方々なのであまりその点を強調されないことにむしろ感銘を覚えた。
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アルツハイマーになってしまった妻と暮らしているが、とても勉強になった。 妻は克子若井先生と同じように言葉の出にくさが特徴のロゴペニック型失語症。さまざまな苦労をしている。時に、なぜ自分には上手くできないのか、なぜこうなってしまったのかと辛さを表面に出すこともあるが、彼女なりにがん...
アルツハイマーになってしまった妻と暮らしているが、とても勉強になった。 妻は克子若井先生と同じように言葉の出にくさが特徴のロゴペニック型失語症。さまざまな苦労をしている。時に、なぜ自分には上手くできないのか、なぜこうなってしまったのかと辛さを表面に出すこともあるが、彼女なりにがんばって生きている。 もっともっと理解してよりそわねば。 バリデーションを心がけて歩いていこうと思う。
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東大教授が若年性アルツハイマーになる、54歳。漢字が思い出せず何回も練習したという日記、どんなに絶望を感じたことか。 夫婦で沖縄、札幌、栃木とホームグランドを変えながらも、その土地土地で濃厚な人間関係に支えられてながら病気と向き合って来た生き様が描かれている。嘘偽りがないからこそ...
東大教授が若年性アルツハイマーになる、54歳。漢字が思い出せず何回も練習したという日記、どんなに絶望を感じたことか。 夫婦で沖縄、札幌、栃木とホームグランドを変えながらも、その土地土地で濃厚な人間関係に支えられてながら病気と向き合って来た生き様が描かれている。嘘偽りがないからこそ、伝わってくるものが大きい。 これからを生きていくのに、道標となる1冊だ。
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若年性アルツハイマーの夫を看取った妻、若井克子さんの書いた本。 54歳で漢字が書けなくなってきたと悩み、密かな漢字練習の跡が残る日記帳の数ページが本書には掲載されている。次男が「一緒に漢字の練習をしよう。」と時間を共有するも、若井ご主人は怒り出してしまう…若年性アルツハイマーと...
若年性アルツハイマーの夫を看取った妻、若井克子さんの書いた本。 54歳で漢字が書けなくなってきたと悩み、密かな漢字練習の跡が残る日記帳の数ページが本書には掲載されている。次男が「一緒に漢字の練習をしよう。」と時間を共有するも、若井ご主人は怒り出してしまう…若年性アルツハイマーという自分が専門とする脳の病を受け入れるのには時間がかかる。 病が人を変えてしまうのではなく、病だからこそもともとの人間性、正義感や謙虚さを見ることができたと書いている奥様の愛を感じました。
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脳外科医として実務があり、脳を研究する学者として長く大学教授を。そんな当事者が漢字を忘れ始める。 そして激務からの体の不調、下痢が長い間治らない。そして頭痛も。 そんな教授だから、限りなく認知症に近い症例を自分の症状に見出すのだが、認めるまでにも時間がかかる。 そんな夫を支え...
脳外科医として実務があり、脳を研究する学者として長く大学教授を。そんな当事者が漢字を忘れ始める。 そして激務からの体の不調、下痢が長い間治らない。そして頭痛も。 そんな教授だから、限りなく認知症に近い症例を自分の症状に見出すのだが、認めるまでにも時間がかかる。 そんな夫を支えて看病する婦人が作者。 こんなふうに症状が進むのだと、わかる1冊。 夫婦の闘病記。
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