鉄の日本史 の商品レビュー
徹頭徹尾、鉄の書。古代までは広く東アジアの鉄文化を、中世以降は日本列島の鉄文化に特化して明治頃までその変遷を追う。 鉄素材の分類といった基礎事項にはじまり、製鉄法の伝播や進展、時代毎の特色、さらには地域差にいたるまで網羅的な解説がなされる。多数の図版を用いて製鉄技術の具体像を...
徹頭徹尾、鉄の書。古代までは広く東アジアの鉄文化を、中世以降は日本列島の鉄文化に特化して明治頃までその変遷を追う。 鉄素材の分類といった基礎事項にはじまり、製鉄法の伝播や進展、時代毎の特色、さらには地域差にいたるまで網羅的な解説がなされる。多数の図版を用いて製鉄技術の具体像を示し、一般読者には聞きなれない専門用語には紙面を惜しまず説明が付される。 マニアックと言ってもいい領域まで鉄の地域史が掘り下げられるいっぽう、その成果が大枠の歴史に還元されることなく終わってしまうのが惜しいところ。
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東アジアの古代鉄文化 中国ではBC8世紀-5世紀の春秋時代早期から戦国時代早期、海綿鉄から銑鉄生産へ、鋳型、鋳造鉄器。BC2世紀前漢時代、鍛造鉄器が主流に。 朝鮮半島ではBC3世紀から燕の鋳造鉄器が流入、BC108年に漢4郡が設置、先端技術であった鉄文化は伝わらず停滞。漢4郡が崩...
東アジアの古代鉄文化 中国ではBC8世紀-5世紀の春秋時代早期から戦国時代早期、海綿鉄から銑鉄生産へ、鋳型、鋳造鉄器。BC2世紀前漢時代、鍛造鉄器が主流に。 朝鮮半島ではBC3世紀から燕の鋳造鉄器が流入、BC108年に漢4郡が設置、先端技術であった鉄文化は伝わらず停滞。漢4郡が崩壊する3世紀以降から鉄生産が盛んに。 日本では北部九州の弥生時代中期初頭、BC4世紀前半、鋳造鉄斧などが出土。 弥生時代の鉄器は北部九州中心。鉄製武器も北部九州が多い。弥生時代の製鉄遺跡と思われる広島県三原市小丸遺跡。 鉄鉱石精錬から砂鉄精錬へ。 7世紀後半頃から国家が中心となって大規模な鉄生産。 youtubeの"Smelting Iron in Africa"製鉄から鉄器作りまでの動画 11世紀初頭の日本国内の鉄生産は約620tと推定(村上英之助) 15世紀-16世紀前半に明に大量に日本刀、20万把、鉄にして1000t。武器として非常に優れ、貿易で4-5倍の利益。 古代、ほぼ列島全域で行われていた製鉄は、中世(11c-17c)には中国地方と東北地方に集約。 たたら吹製鉄は江戸時代に完成。幕末は各藩が独自に鉄生産を試みる。明治時代になり官営製鉄所の創業、八幡製鉄所。
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序章 隕鉄利用と人工鉄の出現 第1章 中国・朝鮮半島の古代鉄文化 第2章 日本列島の初期鉄器文化 第3章 古代における鉄生産の技術 第4章 武士の時代の鉄生産―中世 第5章 たたら吹製鉄鈩の完成―江戸時代 第6章 幕末の鉄事情―名藩が独自に鉄の生産を試みる 第7章 官営製鉄所の創...
序章 隕鉄利用と人工鉄の出現 第1章 中国・朝鮮半島の古代鉄文化 第2章 日本列島の初期鉄器文化 第3章 古代における鉄生産の技術 第4章 武士の時代の鉄生産―中世 第5章 たたら吹製鉄鈩の完成―江戸時代 第6章 幕末の鉄事情―名藩が独自に鉄の生産を試みる 第7章 官営製鉄所の創業へ―明治時代
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