防衛事務次官 冷や汗日記 失敗だらけの役人人生 の商品レビュー
タイトルが、最近流行りの日記シリーズと被っていて、ちょっとどうかと思うが、防衛省の事務次官まで務めた著者による一種の回想記。同時に、中央省庁で政策を担当する公務員としての後輩に向けての指南書であり、エールでもある。 役人生活の最後を不祥事対応の失敗という不本意な形で終えたことは大...
タイトルが、最近流行りの日記シリーズと被っていて、ちょっとどうかと思うが、防衛省の事務次官まで務めた著者による一種の回想記。同時に、中央省庁で政策を担当する公務員としての後輩に向けての指南書であり、エールでもある。 役人生活の最後を不祥事対応の失敗という不本意な形で終えたことは大変気の毒だが、その分、割り切りというか、開き直って、数々の失敗を含めて正直かつ真面目に本書を書かれたように思う。その意味で、元事務次官の生き様を学べる貴重な一冊ではないかと思う。
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これだけ具体的でリアルな、マネージングに関わる回顧録はあまりない。アメリカの数多の立役者や、日本の政治家の(いささか唯我独尊の香りが鼻につきがちな)それは、確かに正論道理の示唆も含まれてはいるが、自分がいかに大きな仕事をしてきたか、の「自慢話」がほとんどで、恥を忍んで・・というエ...
これだけ具体的でリアルな、マネージングに関わる回顧録はあまりない。アメリカの数多の立役者や、日本の政治家の(いささか唯我独尊の香りが鼻につきがちな)それは、確かに正論道理の示唆も含まれてはいるが、自分がいかに大きな仕事をしてきたか、の「自慢話」がほとんどで、恥を忍んで・・というエピソードは、ほとんど出てこないものだ。 それに対し、黒田氏のこの回顧は、官僚トップまで務めた人物として、コーディネーティングとマネージングのエキスパートであるにもかかわらず、ほぼすべて、振り回されて苦労して失敗したという話で埋め尽くされている。エリート官僚ではあったが、実際には誠実に仕事をしようと務めた小さな一人の人間であったことが伝わってくる。馬力だけで押しとおることがリーダシップだと思っている、世の中の多くのマネージャーさんに読んでいただき、ぜひ参考にしていただきたい本である。
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