炎上社会を考える の商品レビュー
とても良かった。2020年の雑誌に掲載された論考がもとになっているが、今でもまったく古びていない。SNSにいる多くの人に読まれてほしい。
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独身未婚中年男性の自分が読んでみました。 なかなかおもしろかったです。 ネット空間は、人間の本性も可視化されたってことなんだろうなと思いました。 リア充はたぶん、ネットなんて使っている暇ない・・・。 (使うとすれば、自分の儲けになるPRのために使う) 著者の伊藤先生がネットで「...
独身未婚中年男性の自分が読んでみました。 なかなかおもしろかったです。 ネット空間は、人間の本性も可視化されたってことなんだろうなと思いました。 リア充はたぶん、ネットなんて使っている暇ない・・・。 (使うとすれば、自分の儲けになるPRのために使う) 著者の伊藤先生がネットで「弱者男性」に関するインタビューを受けている記事を読んだのですが、そこで言われる「弱者男性」って、ヘテロ男性のことなんだなと、ヘテロではない自分は思ったのでした。 本当の弱者はきっと、声も出さずに静かに溺れていくように思われるので、顕在化されることはないのかもしれません。
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■ハッシュタグとはSNSでの投稿をカテゴライズするためのラベルとして使われるものだが、それが今日では社会運動のスローガンとして用いられることが多くなっている。 人々が特定のハッシュタグとともに自らの思いを投稿していくことで、それが多くの人々の思いと結びつき、全体として一つの運動...
■ハッシュタグとはSNSでの投稿をカテゴライズするためのラベルとして使われるものだが、それが今日では社会運動のスローガンとして用いられることが多くなっている。 人々が特定のハッシュタグとともに自らの思いを投稿していくことで、それが多くの人々の思いと結びつき、全体として一つの運動体が構成され「ハッシュタグアクティヴィズム」と呼ばれるこうした動きはネットの中ばかりでなくリアルな場にもさまざまに広がり、今や社会全体と揺るがすほどの大きな影響力を持つに至っている。 ■ハッシュタグはオーディエンスを確保するための手立てとなる。そこでは「集団極化」と呼ばれる現象が起きやすくなっている。「集団極化」とは集団で考えた場合の方が個人で考えた場合よりも意見が極端なものになりやすく、行動が過激なものになりやすい現象を指す。 ■著名人の過去の言動を告発し、その点を批判するだけではなく、その人物の活動をボイコットし、果てはその地位を剥奪してしまおうとするような風潮を「キャンセルカルチャー」と呼ぶ。 ■キャンセルカルチャーの特質、とりわけその思考様式にみられる3つの特徴。 ①リベラリズムの規範、それも文化的な意味でのそれとの結びつき。つまり多様性を重んじ社会的弱者としてのマイノリティーを擁護する立場から特権的な地位にあぐらをかいているマジョリティを糾弾することで古い価値観や旧来の権力構造を否定し社会を変革していこうとする志向がある。そのため、ジェンダー、エスニシティ、障害などに関連し弱い立場にあzる人々の人権を侵害するような言動を行ったもの、とりわけ権力者がそのターゲットとなることが多い。 ②不寛容性。リベラリズムの規範に抵触するような行為がなされると、ほんとちょっとしたことであれ、しかも事情のいかんを問わず、厳しい処罰が求められる。そこには情状酌量という考え方が存在しないばかりか量刑、つまり対の重さに照らして罰の厳しさを決めるという考え方が意識されることもあまりなく、一律にキャンセルが求められる。 ③過去の行為の問題化。どんなに遠い過去になされた行為であっても、昔のことだからと言って不問に付されることはなく、しかも当時の事情のいかんを問わず、厳しい処罰が求められる。そこには事項という考え方が存在しないばかりか過去の行為をあえて掘り返してきて今更糾弾するという姿勢がしばしばみられる。
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インターネットやSNSを中心に沸き起こる、分断・衝突・ぶつかり合いの背景には、何があるのか――。社会学の見地から考察する。
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第1章 自粛警察と新自由主義 第2章 SNSの倫理と新自由主義の精神 第3章 ハッシュタグアクティヴィズムの光と影 第4章 差別と反差別と反・反差別 第5章 誹謗中傷と共感市場主義 第6章 キャンセルカルチャーの論理と背理
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軽い気持ちでやったことや、意図していないことにフォーカスが当たることで、起こりうる「炎上」は今や聞き慣れた言葉だが、丁寧に考察してみるとその構造や原因は単純なものではなく、捉え方も難しい。 本書では単に「不祥事」としての「炎上」と片付けるのではなく、時代の変化やネオリベラリズム...
軽い気持ちでやったことや、意図していないことにフォーカスが当たることで、起こりうる「炎上」は今や聞き慣れた言葉だが、丁寧に考察してみるとその構造や原因は単純なものではなく、捉え方も難しい。 本書では単に「不祥事」としての「炎上」と片付けるのではなく、時代の変化やネオリベラリズムをはじめとした思想の影響と関連づけて、社会における炎上を考える機会を与えてくれる。
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