イメージは殺すことができるか の商品レビュー
本書『イメージは人を殺すことができるのか』では、イメージの力やその歴史的、文化的背景について議論されています。著者マリ=ジョゼ・モンザンは、イメージが持つ影響力、特に戦争や暴力の文脈においてどのように作用するかを探求しています。イメージと現実の関係、メディアの役割、そしてそれが引...
本書『イメージは人を殺すことができるのか』では、イメージの力やその歴史的、文化的背景について議論されています。著者マリ=ジョゼ・モンザンは、イメージが持つ影響力、特に戦争や暴力の文脈においてどのように作用するかを探求しています。イメージと現実の関係、メディアの役割、そしてそれが引き起こす社会的影響について詳細に考察されています。 主なテーマ 1. イメージと暴力の歴史 - 戦争におけるイメージの役割: 戦争の様々な側面において、イメージがどのように利用され、または操作されるかが議論されています。特に、アメリカ合衆国の大統領が戦争において死者を映すことを避けた背景などが触れられています。 - 偶像破壊と文化的脆弱性: テロリストによる偶像破壊が西洋文化に対する挑戦であったこと、そしてそれがもたらした影響が詳述されています。 2. キリスト教とイメージの関係 - 受肉の概念: キリスト教における受肉は、イメージが神の力を持ち、信者にとって重要な意味を持つことが説明されています。イメージは単なる記号ではなく、特別な力を持つものとして位置づけられています。 - イメージの正当性: キリスト教思想がイメージの正当性を認識し、それを支配する力を持つことが指摘されています。この考えは、経済や政治における権力の構造にも影響を与えています。 3. 現代のメディアとイメージ - メディアの影響: 映画やテレビがイメージの流れをどう変えたか、またそれが社会に与える影響について考察されています。特に、映像が現実の理解をどのように変化させるかが重要なテーマとなっています。 - イメージの暴力性: イメージがどのようにして暴力を美化または促進するかについての議論が展開され、現代社会におけるイメージの役割が強調されています。 4. 結論 - 本書は、イメージが持つ力の複雑さと、それがどのようにして人々や社会に影響を与えるかを深く掘り下げる作品です。著者は、イメージの理解が現代の社会的、文化的問題に対処するために不可欠であることを主張しています。 重要なポイント - イメージは単なる視覚的なものではなく、文化や歴史を反映し、影響を与える力を持つ。 - キリスト教における受肉の概念は、イメージの力を強化し、信者にとっての意味を深める。 - 現代メディアはイメージの流れを変え、社会的な理解や反応を形成する重要な役割を果たす。
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法政大学出版局 マリジョゼ モンザン 「イメージは殺すことができるか」 イメージの両面性(暴力性と共同体構築)をテーマとした本。イメージに内在する暴力性とは、イメージを通して 人々を支配すること キリスト教とアメリカの勢力拡大を 不可視のものをイメージさせたことに成...
法政大学出版局 マリジョゼ モンザン 「イメージは殺すことができるか」 イメージの両面性(暴力性と共同体構築)をテーマとした本。イメージに内在する暴力性とは、イメージを通して 人々を支配すること キリスト教とアメリカの勢力拡大を 不可視のものをイメージさせたことに成功した成果としている ツインタワーを イメージ大国アメリカの化身と見ており、同時多発テロによるツインタワー破壊を「イメージの死」と捉えている。イメージ=偶像と言う意味では ツインタワーはキリスト教におけるイコンと同様にアメリカの化身かもしれない 「キリスト教が 革命的であるのは、イメージを権力の象徴と征服の道具としている点」であり「受肉」のイメージにより、キリスト教が権力を拡大させたとする論考は 衝撃的 *受肉とは、不可視の神が人間の姿(イエス)で現れること *イエスは 神のイメージであり、さらに イコンとして受肉されイメージ化される *不可視の神を見たいという望みが果たされるのが受肉
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