ルポ 路上生活 の商品レビュー
実際に路上生活者の社会に入り込んで生活しながらのルポルタージュなので、描写がリアルであった。世間一般の概念としてホームレスは生きるか死ぬかのギリギリの生活を余儀なくされていると自分も思っていたが、炊き出し等ホームレスとして生きていくシステムが確立されていることや、一括りにホーム...
実際に路上生活者の社会に入り込んで生活しながらのルポルタージュなので、描写がリアルであった。世間一般の概念としてホームレスは生きるか死ぬかのギリギリの生活を余儀なくされていると自分も思っていたが、炊き出し等ホームレスとして生きていくシステムが確立されていることや、一括りにホームレスの人達でなく、ホームレス社会のヒエラルキーではない、それぞれの生活スタイルが千差万別であることが以外であった。しかし期間限定のルポルタージュなので仕方がないが、ホームレスの人生観や将来観についての考察というかリアリティが弱く感じた。
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ホームレスのイメージがだいぶ変わった。 少なくとも本書には”かわいそう”なホームレスは出てこない。 むしろ、しがらみなく自由に生きているようにさえ見える。 新たな世界を知れて良かった。
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夏は公園やビルでペットボトルに水を汲む。 ホームレスはすぐに歯をだめにしてしまうため、砂糖を食べない人もいる。 無料低額診療事業。経済的な理由で医療を受けれない人は、無料・低額で医療を受けることができる。 アルファ化米。ご飯を急速乾燥させたもの。水や熱湯を注いで食べる。非常...
夏は公園やビルでペットボトルに水を汲む。 ホームレスはすぐに歯をだめにしてしまうため、砂糖を食べない人もいる。 無料低額診療事業。経済的な理由で医療を受けれない人は、無料・低額で医療を受けることができる。 アルファ化米。ご飯を急速乾燥させたもの。水や熱湯を注いで食べる。非常食用。炊き出しに使われる。 ホームレスの荷物をホームレスが盗んでいく。 激減したとは言え、ホームレス狩りの危険がある。周りに誰もいない場所では寝ないこと。 上野公園でホームレスをしていると、キリスト教や信仰宗教に勧誘される。 パチンコ屋の朝。並んで抽選を代行して千円もらう。
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ホームレスの実態というよりかは特定の立場に置かれた人間のそれでも譲れない部分、個人の尊厳、矜持、そういった部分がとても重要な気がする。 この本を読んで「あー意外と面白いアトラクションだったねー」で終わるのは違うんじゃないかなあと思いつつ、そのように感じている人の多さよ… 勿論私...
ホームレスの実態というよりかは特定の立場に置かれた人間のそれでも譲れない部分、個人の尊厳、矜持、そういった部分がとても重要な気がする。 この本を読んで「あー意外と面白いアトラクションだったねー」で終わるのは違うんじゃないかなあと思いつつ、そのように感じている人の多さよ… 勿論私も含めそれでいいのかなあ…
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國友さんがとうとうホームレスの世界に飛び込んでしまった…笑。 働くのが好きではないから将来的にホームレスになるかも、とリハも兼ねて自らホームレスに。 ルポや特番ではホームレスって悲観的な印象を得ますが、いやいや彼らはとてもたくましい。 炊き出しツアーに行ったり時々お小遣い稼ぎをし...
國友さんがとうとうホームレスの世界に飛び込んでしまった…笑。 働くのが好きではないから将来的にホームレスになるかも、とリハも兼ねて自らホームレスに。 ルポや特番ではホームレスって悲観的な印象を得ますが、いやいや彼らはとてもたくましい。 炊き出しツアーに行ったり時々お小遣い稼ぎをして、あとは好きなように過ごす。年金や生活保護もからめた知られざるホームレスの生活を知ることができます。 手持ちのお金が少なくて家賃が払えない…好きなことにお金を使うために家を持たない選択をした人もいる。 もちろん情報が得られなかったり、体や心の問題が原因でホームレスにならざるを得なかった人もいる。 淡々と書かれているホームレスの生活ですが、時々國友さんの心の動きが描かれているのもとても良い。
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同じ立場、視点に立たないと分からない世界を見せてくれます。こういう本大好きです。 おわりに に書かれている"ホームレス生活中と元の生活に戻ったときでは表情が違う"といった一文を読み、妙に納得しました。あと黒綿棒のあだ名は笑いました。
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社会問題を考えるヒント。ホームレスは減少傾向だが,見えない生活困窮者が増加。若者の貧困化も見逃せない。生活保護より路上で自立生活を望むなど生き方は千差万別。※保険証無→無料低額診療
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★★★ 今月5冊目 いや、凄いよこの人は。2ヶ月実際ホームレス生活をしてみたというルポ。 とりあえず都内にいる限り炊き出しはあるし新宿なんてサイコーの住処らしい、 稼ごうと思えば缶広いとか色々あるし、教会から食料や寝袋、現金ももらえるし生きているそう。
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29歳の筆者が3ヶ月間ホームレスとなって暮らした日々のルポ。 読む前は、荒れた暗い気持ちになってしまうかもと心配したが、そんな気持ちにはならなかった。 わたしが想像すら出来ないような辛いこともたくさんあるだろう、けれど意外と彼らは逞しく生きている。 都内にいれば、炊き出しがあ...
29歳の筆者が3ヶ月間ホームレスとなって暮らした日々のルポ。 読む前は、荒れた暗い気持ちになってしまうかもと心配したが、そんな気持ちにはならなかった。 わたしが想像すら出来ないような辛いこともたくさんあるだろう、けれど意外と彼らは逞しく生きている。 都内にいれば、炊き出しがあるし、冬になればボランティア団体から寝袋や防寒着をもらえたりする。 中途半端な田舎よりも大都市にたくさんホームレスがいる理由がここにある。支援が手厚いのだ。 わたし自身としては、なかなかそういうボランティア活動をしようという気持ちが起きず、はなはだ後ろめたい気持ちになった。 わたしの狭い行動範囲ではホームレスを見ない。炊き出しに遭遇したこともない。近くにないから遠い存在なのかもしれない。 が、排除建築は見たことある。 なぜこのベンチにこんな柵が?と不思議に思っていたのだが、そういうことだったのか。 インドに通っていたとき、様々な人を見た。 スラムで生活する人、路上で生活する人。 過酷な暮らしではあるだろうが、どんな人にも場所があった。 差別は厳然と存在していたけれど、排除されることなく、場所はあった。 どんな境遇の人も認められて生きていける世界になればいいと思う。 どんな気持ちを持って生きていくか、ということが大事だと思った。 それは路上生活者だけでなく、全ての人に言えることだ。
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事実に即した、というべきか都心に住まうホームレスの実態を解き明かしたルポとして、新たな情報への知見を得るものと一般には捉えるのだと思うが 地名があり、人があり、(商業出版としての業ゆえかもしれないが)そこに物語があるのだと思うと、時事問題を主題にした(文学賞で取り上げられるような...
事実に即した、というべきか都心に住まうホームレスの実態を解き明かしたルポとして、新たな情報への知見を得るものと一般には捉えるのだと思うが 地名があり、人があり、(商業出版としての業ゆえかもしれないが)そこに物語があるのだと思うと、時事問題を主題にした(文学賞で取り上げられるような)小説の読後感に似たものを感じた。 個人的な嗜好として、こういう淡々とした語り口が好みだということに過ぎない気もするし、体当たり的な取材をもとに物語然としたものを量産することはまた異なる段階の課題だと思うが、本著の登場人物たちへの記憶はフィクショナルな衣装を纏いながら長く息吹き続けると思う。
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