呪術廻戦(同梱版)(18) の商品レビュー

芥見下々(著者)

2022/01/24

日本の刑事訴訟の有罪率の高さの不合理を指摘するエピソードがある。映画『劇場版 呪術廻戦 0』と映画『99.9-刑事専門弁護士 THE MOVIE』は公開時期が重なっている。社会の問題意識がエンタメ作品にも反映している。

新たな女性キャラが登場したと思ったら女性ではなかった。清々しいほどに萌え的な売り方を狙わない作品である。伝統に則った術式ではないということで上層部から否定されたという主張は現実の日本の村社会と重なる。

パンダの登場に意表を突かれた。それぞれが別行動をしており、物語がバラバラになりがちであるが、このような形で繋がらせるとは話のもっていき方が上手である。

星綺羅羅との戦いは能力の謎を考える能力バトルの面白さがある。これは『呪術廻戦』の魅力になる。しかし、主人公は力業一辺倒であり、主人公が戦うと能力バトルの面白さが出にくい。これは主人公が主人公の割にキャラ人気が高くない要因になる。