1,800円以上の注文で送料無料

パラコンシステント・ワールド の商品レビュー

3.3

7件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/05/08

NTTの澤田社長が、次世代通信IOWNが切り開く未来像を、外部有識者との対談形式で語っている本でした。対談形式ですのであっと言う間に読めますし、生物学者、哲学者、人類学者などとの議論はなかなか興味深く読みました。 表題にもなっている「パラコンシステント」という言葉ですが、コンシ...

NTTの澤田社長が、次世代通信IOWNが切り開く未来像を、外部有識者との対談形式で語っている本でした。対談形式ですのであっと言う間に読めますし、生物学者、哲学者、人類学者などとの議論はなかなか興味深く読みました。 表題にもなっている「パラコンシステント」という言葉ですが、コンシステントとは首尾一貫していることで、それがパラになっている、つまり複線化した首尾一貫性=世界の多様性をそのまま受け止める社会、というニュアンスになるわけです。A氏にとっての首尾一貫性とB氏にとっての首尾一貫性は違いますが、これまではどちらかというと供給側の論理で首尾一貫している商品・サービスが提供されてきました。NTTがIOWNで目指しているのは、そうではなく需要側、利用側の多様な首尾一貫性に対応する、ということになるわけです。 その他にも本書では「self-as-I」から「self-as-We」(我々としての自己)というような概念も提示されています。これが良い意味で進むのならば、それは仏教的に言うところの小乗から大乗への進化と言ってもよいでしょう。そうではなく、より一層の衝突を生み出すような、良くない意味でのself-as-weというシナリオもありうるのではないかとは感じました。マルクス・ガブリエルは「つながり過ぎた世界の先に」という本を出しましたが、トレンドとしてself-as-weのような世界観が今後強まるとは思いつつ、それが善い世界となるか悪い世界になるかは紙一重ではないかと思います。 個人的には本書で議論されていることに共感しましたし、NTTのような社会のインフラを担う企業がそのような社会を目指していることに強い安心感を持ちました。他方このような未来像の危うさというか逆の面を論じるとすれば、あまりに受身的、他律的ということでしょうか。つまりこのような未来像の中ではNTTはもはや空気のような存在であって、無我の存在になっているだろうということです。NTTのようなインフラ企業であればそれもよいとは思うのですが、個人的には人間臭い企業、つまり消費者の思いを受け止めるというよりも「こういう世界を作りたい」という強い思いを発する企業も同時に多数存在していてほしいとは思いました。

Posted byブクログ

2022/08/06

「パラコンシステント」の本質が語られるのが終盤で、そこは結構共感したりします(壮大な話なので完全に追い付けてはいないですが)。 それまでは、おじさん方が哲学の話をしている本と言っても良いかもしれませんw そういうのを楽しむ本でもあるのかなと思いました。

Posted byブクログ

2022/07/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

デジタルツインとIOWNの話だったと思うが、読んだときに感想を書くことを失念してしまったため、ほとんど忘れてしまった…

Posted byブクログ

2022/03/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

NTT研究所の「ふるえ」が面白かったので読んでみた。 シンギュラリティはやって来ない トレードオフでもなく、二元論でもない、第三の道 どちらも優先する同時実現、パラコンシステント思想 ウニ、ダニ、ヒト。其々の主観的な知覚世界、環世界。 自然や他者をコントロールするという神の視点に立つのではなく、無数の環世界の多様性をそのまま受け止める 理性ロゴス⇆自然ピュシス、情念パトス、空想ミュトス p69 ヒトゲノム計画で、生命情報の全てが明らかになっても生命の成り立ちは1つも明らかにならない事がわかった。 ロゴスを極めていった先に必ずしも回答がないという事。ヒトがピュシスとして存在している以上、トレードオフや設計的な思想だけでは決して解けないものがある p101 個体のレベルで考えると、生物はむしろ常に利他的に振る舞うように見える。 植物の光合成、吸血こうもりの吐き戻しなど。 生命にとって大きな進化のジャンプは全て利他的な行為から起こっている。 最初のジャンプは十数億年くらい前、大腸菌のような原核細胞から、ミトコンドリアや葉緑体などを持った真核細胞へと進化した事。 このようにそれぞれの生物が様々な得意分野を持ちながらそれを誰かに手渡すと言うのは利他の基本であり生物の進化を支えてきた。 p147 人はネットワークの支えなしには生きていけない非自足的な存在であると言う事実。ネットワークをより開かれたものにすること、個人の生をより多様化する一方、ネットワーク自体の復元力も高めていくべき。 日本は特に自己責任を強調しすぎた結果として、個人がバラバラになっており、承認願望を強めてつながりを求めていると言う現状。 p151 排外主義や同調圧力につながってしまう「閉じたWe」を避け、開けていてその都度ほどける「開いたWe」「社交のWe」にするには、それを束ねる原理、デザイン、仕掛け人が必要。 血縁、地縁、社縁が希薄になっている中、新たな縁を求める人が増えている。 社交とは参加者が協力してリズムを盛り上げる行為 思考や感覚の直接的な伝達が困難だからこそ、リズムを通して自分の身体で再構築する、つまり翻訳することが必要になる。 p209 そもそもスポーツとは相手の弱点をつくものである。したがってパラ卓球の場合、相手の弱点をどんどん攻めていくことになる。それこそが、お互いの障害のリスペクトにつながる。身体は一人一人違う。それぞれの身体の条件に合った翻訳。その創意工夫に感動する。 p234 利他をゼロサムとして捉えない。相手も自分も良くなる。 現代では皆が待てなくなって短期的な関係性になってきたことで他者の利他的な行動を受け取れなくなってきている。与えられたらお返しをしないといけない。負債がどんどん増えて返せなくなると上下関係ができてしまう。与えると言う事は人をコントロールする方法にもなり得る。真の利他に必要なのは余裕。生産性で全てを見ないこと。

Posted byブクログ

2022/02/14

ある筋から薦められ、「胡散臭っ」と指先でつまむような気持ちで読み始めたが、普段このての本を読まないので、今こういうことが議論されているのか~と勉強になって意外と楽しめた。ビジョンには賛同するが、何を?どうやって?が問題だよなあ。

Posted byブクログ

2022/02/08

IOWNは環世界をつなぐメディア。 圧倒的なデジタルの世界を繋ぐと思っていたIOWNは、実はより人間らしい世界を目指す(アナログ的な世界)というものだった。 考え方としては、すごく好き。技術を極端に発達させようという気概と人間らしい哲学的な要素も含んでいきたいという思いに非常に...

IOWNは環世界をつなぐメディア。 圧倒的なデジタルの世界を繋ぐと思っていたIOWNは、実はより人間らしい世界を目指す(アナログ的な世界)というものだった。 考え方としては、すごく好き。技術を極端に発達させようという気概と人間らしい哲学的な要素も含んでいきたいという思いに非常に共感。 生命学の先生とかの対談がすごく興味深かった。 ・ピュシス(自然)ーロゴス(理性)の対立。ハラリのホモデウス論の否定 ・Self as I ではなく、Self as we。伝達ではなく、メッセージを互いに生成することで、実現。 ・利他的とは、生産性を考えないこと。 ・生命は常に自己破壊するもの。 ・NTTセキュリティは、7割ローカル、3割グローバル。 ・自分たちで自己完結してしまう(サイロ化)

Posted byブクログ

2022/01/29

前作よりかなり弊社社長の想いが溢れてるのはいいですね。 そして教養があって大事なことがよくわかりました。。

Posted byブクログ