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裏世界ピクニック(7) の商品レビュー

4.5

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/09/17

ホラー。SF。 シリーズ的にひとつの区切りがついた感じの一冊。 相変わらず、空魚と鳥子は場所も選ばずイチャイチャしてました。

Posted byブクログ

2023/10/07

第7巻。今回は怪談をテーマに文化人類学の考え方や、閏間冴月との直接対決、裏世界の干渉方法の変化、空魚、鳥子、るなの能力が裏世界に及ぼす影響の推測、冴月に対する皆の感情、色々なことが一気に盛り込まれていたようで非常に読み応えがあった。物語の中ではちょうど1年くらいになるようだが、主...

第7巻。今回は怪談をテーマに文化人類学の考え方や、閏間冴月との直接対決、裏世界の干渉方法の変化、空魚、鳥子、るなの能力が裏世界に及ぼす影響の推測、冴月に対する皆の感情、色々なことが一気に盛り込まれていたようで非常に読み応えがあった。物語の中ではちょうど1年くらいになるようだが、主要人物たちの大きな転機になる出来事を存分に堪能した。 「怪異に関する中間発表」 小桜が霞を引き取ることを決意した翌々日、空魚はゼミの帰りに初めて裏世界のゲートを見つけた廃屋に向かう。そこにはすでにゲートは無くなっていたが、閏間冴月が目の前に現れる。 「トイレット・ペーパームーン」 閏間冴月がアルファ・フィメールであることを思い知らされた空魚は裏世界へと誘われる。難を逃れた空魚は鳥子と一周年記念日を祝うべくホテルディナーへ行き、冴月との関係を断ち切る相談をする。 「月の葬送」 空魚、鳥子、小桜、るなの4人は冴月の葬式を実行するため裏世界へと向かう。予期せず裏世界からの干渉を受け、そこには冴月の葬儀場が用意されていた。4人はどうにか冴月を祓おうとする。 今まで明確には描かれているこなかった冴月の存在について明かされる。ここまで読み進めてくるとさすがに冴月はすでに人間ではないと思いつつも、どこか人間としての部分だか形だかをとって(第四種接触者のような)DS研などに収容される進展もあり得るかなと想像していたが、そうはならなかったようだ。冴月が裏世界に求めたものが何か明らかになり、裏世界の中でどうなっているのか明かされる。それを踏まえて今までの干渉や今回の干渉を想像すると、とても正気でいられる気がしない。冴月を思う皆の気持ちが、冴月の人間らしさを浮かび上がらせるのがなんだか皮肉めいているようにも感じる。空魚と鳥子の惜別の言葉と小桜の感傷の情、どちらもとても良かった。

Posted byブクログ

2023/02/26

明確な脅威として存在し続けてきた閏間冴月とついに決着。実際は閏間冴月本人とではなく、冴月の姿を取った裏世界の一端とではあるが、これは初めて裏世界に対して先制攻撃ができたのではないか?何やら綺麗な終わり方だが、まだまだ明らかになっていないことも多いし、紙魚と鳥子のこれからも気になる...

明確な脅威として存在し続けてきた閏間冴月とついに決着。実際は閏間冴月本人とではなく、冴月の姿を取った裏世界の一端とではあるが、これは初めて裏世界に対して先制攻撃ができたのではないか?何やら綺麗な終わり方だが、まだまだ明らかになっていないことも多いし、紙魚と鳥子のこれからも気になる。

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2023/02/21

ラスボスですらなかったようだが、一応重要登場現象についてケリはついた。 テーマをちらつかせながら、間延びする。日本人てのは、日常感がないと、続けられないのか。続ける必要があるのか。連載だから? 色々考えさせられる。面白いのは面白いんだけど。 この先どうなるんだろうかね。 図...

ラスボスですらなかったようだが、一応重要登場現象についてケリはついた。 テーマをちらつかせながら、間延びする。日本人てのは、日常感がないと、続けられないのか。続ける必要があるのか。連載だから? 色々考えさせられる。面白いのは面白いんだけど。 この先どうなるんだろうかね。 図書館在庫分追いついた。当分保留か。

Posted byブクログ

2023/08/06

閏間冴月との決着(?)をつける巻。 月の葬列の名の通り葬式をする話なんだが普通の葬式で終わるはずもない。ネットロアとか都市伝説とか怪談話を下敷きにして襲ってくるへんなものたちと戦う手段がこっちもこっくりさんで無理矢理名前をつけるとかそういうネットロアとかオカルトに頼っているのがお...

閏間冴月との決着(?)をつける巻。 月の葬列の名の通り葬式をする話なんだが普通の葬式で終わるはずもない。ネットロアとか都市伝説とか怪談話を下敷きにして襲ってくるへんなものたちと戦う手段がこっちもこっくりさんで無理矢理名前をつけるとかそういうネットロアとかオカルトに頼っているのがおもしろい。いつもは銃とかで立ち向かうけど今回はまたべつの手段が示された巻だとおもった。 閏間冴月は人間であった頃から人でなしで謎の、多分危険な類いの人物だったけれど、小桜とかにとっては友人だったし鳥子は憧れていた。 人間の強い感情や何でもない美しい思い出は美化もされるし永遠にそこから消えやしないと思っているので、二人にとってこの葬式は悲しいとも切ないとも違う複雑な感情だったんだろうなと思う。 小桜が最後に空魚に言った一言がその感情を圧し殺したもののすべてだったのだと思うとちょっと切ない。 それはそうと、「お山」とかまた気になるワードが出てきたし、閏間冴月はひとまずの区切りを迎えたけれど空魚のことはまだ何も明かされてはいないので今後も気になる展開。でもとりあえず一区切りって感じもある。 あと地味にるなちゃん好きなので出て来てくれてよかった。敵ではないが味方ではない感じでこれからもちょいちょい出て来てほしい。

Posted byブクログ

2022/07/14

閏間冴月。 鳥子の探してる人であり、小桜の友人であり、茜理の家庭教師であり、るなの崇拝する人。それが現実世界で空魚に接触してくるようになったため祓う事を決意する。しかし、既に裏世界の一部である冴月を祓うにはどうすれば良いのか?空魚は葬式をする事を提案して。 面白い。会話やテンポが...

閏間冴月。 鳥子の探してる人であり、小桜の友人であり、茜理の家庭教師であり、るなの崇拝する人。それが現実世界で空魚に接触してくるようになったため祓う事を決意する。しかし、既に裏世界の一部である冴月を祓うにはどうすれば良いのか?空魚は葬式をする事を提案して。 面白い。会話やテンポが良く楽しく読める。ネットロアを文化人類学と絡めてるのは興味深い。 この後の展開がどうするのかわからないが、まだ読みたい。

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2022/05/05
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※このレビューにはネタバレを含みます

シリーズ第7弾! 1巻からの宿敵、閏間冴月 閏間冴月vs空魚、鳥子、小桜、潤巳 4人での弔い、お葬式 今巻は怖さよりも、切なく、そして清々しく開放された感じがする それぞれの閏間冴月への想いを抱えて裏世界へ! 潤巳ちゃん……倒れちゃうなんて最後まで何か可哀想…残念な子?に感じてしまう苦笑 空魚ちゃん、人間に興味無いと言いつつ凄く人間らしく成長しているなって、良い方に変わってきてるなってとても思う 閏間冴月という人間との決別後、どんな物語が展開されていくのか気になってしょうがない

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2022/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今回も安定の面白さ。 シリーズ7作目だけど、飽きずに読ませる力量はさすが。 不気味な存在だった閏間冴月との決着。 葬儀、すなわち別れの儀式がもたらす効果。 空魚の大学での講義のシーンもよかった。 文化人類学のゼミでテーマを掘り下げていく様子はなじみがないから新鮮に感じた。 「そのテーマに興味を持った自分の情熱にも、同じくらい率直に向き合うべきかもしれない」 教授の言葉が、本巻の総合テーマにも思えた。 鳥子や茜理、夏妃、るなに対する感情に、空魚自身が率直に向き合おうとする。 人が人として存在し、かかわり、生きること。 空魚の生き方が変わっていくことと学問的興味とがリンクしていくのが面白い。

Posted byブクログ

2022/04/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 今まで存在が仄めかされてきた、というより存在感を主張し続けてきた閏間冴月が漸く本格的に関わってきました。  実際、出てきたら紙越空魚ですらクラッとくる様な人たらしだったり、仁科鳥子の左手では触れるのに紙越空魚の右目では見えなかったりと、かなりの難敵で流石としか言い表せませんでした。  そんな閏間冴月に対峙する方法が葬儀というのは意外性がありました。けれども、裏世界で相手が人では無くなってはいましたが、故人への思いを全て吐き出して決別するのが葬儀だと考えれば強ち間違ってはいなかったのだと思います。  仁科鳥子や小桜さんにとっても、故人との別れを済ませるよい機会となったのではないでしょうか。  また、潤巳るな様が母親の死や自身の行いに思うところがありそうで、今後どう関わってくるのか気になっています。  大宮での一件や、前々巻の鏡の件で過去の2人との関わりが増えてますし、次巻はそろそろドッペルゲンガーと対峙する事になるのでしょうか。

Posted byブクログ

2022/02/13

 5巻はバリエーション豊かな短編集、6巻は番外編といった趣があって、更に前者は鳥子の気持ちに段々自覚的になる空魚、後者はそれゆえにちゃんと向き合おうと努力しようとする姿が描かれていたが、いずれも若干大きな跳躍へのステップのような感じがしていた。その待ちに待った跳躍が、今巻だろう。...

 5巻はバリエーション豊かな短編集、6巻は番外編といった趣があって、更に前者は鳥子の気持ちに段々自覚的になる空魚、後者はそれゆえにちゃんと向き合おうと努力しようとする姿が描かれていたが、いずれも若干大きな跳躍へのステップのような感じがしていた。その待ちに待った跳躍が、今巻だろう。これまでばら巻いていた種が一気に結実するような爽快感と、一歩踏み込んだ空魚と鳥子の関係性。またその関係性も、新しい局面に突入こそするものの、一気に進め過ぎないのがもどかしくもあり、一方で素晴らしい点でもある。こっちは入り組んだ感情を解きほぐして、互いに一緒にいるためにはどうすればいいかを整理する過程が見たくて百合読んでんだ、これくらい丁寧にやってくれなくっちゃ。  ホラーとしても、初期の訳の分からないものに相対する怖さみたいなものが、盛り返して来ていて良かった。読んで怖いと感じるかはともかく、綱渡りで対処しなければならない緊張感のようなものは味わえるだろう。  その一方で、その訳の分からないものに対して、SF的なアプローチで分析をしかける魅力もまた、更に立ち入って描かれていたように思う。そこに付随して、攻勢に出た彼女らの、敵に対する対処法が民話的というか、宗教的なのも良かった。  こちらに戻ってくるための楔としての大学生生活においてもやや進展が見られるが、そこで講義という形で言及される文化人類学の思考枠組みの変遷は興味深かった。更に、空魚の研究テーマ(=学生生活の主題)と向き合うことが、とりもなおさず彼女が目を背けているパーソナリティに向き合うことと繋がっていて、本筋の進展と関わる要素になっているのも良い。  未解決の要素は決して少なくないが、空魚と鳥子の関係という面でも、ストーリーとしても(この二つはほぼ同義だとも言えるが)、ひとまずは新しい局面を迎えたと言えるだろう。次巻も楽しみだ。  ネタバレを含む詳しい感想は、コメントにて記す予定。

Posted byブクログ