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少ないもので料理する の商品レビュー

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2024/08/22

半分エッセイとして楽しく読めそうと思ったのに、わずか1/3くらいのところでの調理器具の選別について書かれた箇所で、テフロン加工やアルミ鍋、電子レンジを優しい口調ながら極端にディスっていてドン引きした。優しい口調というのも突然伝聞調にしたりはっきり出典を書かない引用で結局無責任なだ...

半分エッセイとして楽しく読めそうと思ったのに、わずか1/3くらいのところでの調理器具の選別について書かれた箇所で、テフロン加工やアルミ鍋、電子レンジを優しい口調ながら極端にディスっていてドン引きした。優しい口調というのも突然伝聞調にしたりはっきり出典を書かない引用で結局無責任なだけ。 一挙に覚めて飛ばし読みを始めたら、今度は加工食品を金輪際口にしないと言い聞かせましょうなどと全否定していていよいよ腹立たしくなった。 さらに、工場で大量生産された加工品を否定しているところでの例がビスケットやミートソースだが、買い物リストの例にトマト缶やツナ缶が入っている。どこからが金輪際口にしないと言う加工品なのか。 台所が小さくても導線を工夫すればかえって使い易いと言う説には同意だが、そもそも著者が引用するドイツの文化住宅の小さなキッチンは日本では標準より大きい。天井まで3.4メートルある日本の家を見てみたい。 レシピを絞り、それ以上のバリエーションは外食で楽しむとあり、わたしの暮らしに当てはめれは同意しかないが、この本の著者が言うなら外食するんかいとツッコミたくもなる。 あと冷蔵保存の仕方や乾燥への危惧については日本の気候を考慮してないと思った。バターを常温保存なんて試す気にもならん。 食洗機に関して僅かに書いていたが好まないとあるだけでならわざわざ書くなよと最後までイライラし通しだった。 暮らしに関する本って読者側にも一家言あるせいかなかなかしゅくりくる本はないものだ。

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2022/04/02

ドミニック・ ローホーさんの著書は、いつも豊かな気持ちにさせてくれる。物は少なく、良いものを賢く選び、工夫することで豊かな食生活が送れる。特別なお祝いのときには、キャンドルをともしたり、テーブルに花を飾ったり、手作りした料理に合わせたBGMなどを流したりして盛り上げてみるのも楽し...

ドミニック・ ローホーさんの著書は、いつも豊かな気持ちにさせてくれる。物は少なく、良いものを賢く選び、工夫することで豊かな食生活が送れる。特別なお祝いのときには、キャンドルをともしたり、テーブルに花を飾ったり、手作りした料理に合わせたBGMなどを流したりして盛り上げてみるのも楽しい。 自分の生活スタイルに合った道具や食材を選び、大切な人たちと囲む食卓がいちばん!

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2022/02/07

料理や食器に関するエッセイや物語からの引用、とりわけ松尾芭蕉の俳句が多く紹介されていて、それらを読むことも楽しかったです。ドミニックさんは日本に30年以上在住されていて、禅や水墨画を学んだことがあることが書かれていました。 なるほど、全体に漂う禅の修行のような、茶道のような侘び...

料理や食器に関するエッセイや物語からの引用、とりわけ松尾芭蕉の俳句が多く紹介されていて、それらを読むことも楽しかったです。ドミニックさんは日本に30年以上在住されていて、禅や水墨画を学んだことがあることが書かれていました。 なるほど、全体に漂う禅の修行のような、茶道のような侘び寂びの感覚みたいなものを感じるのも、そんな経験から来ているのかなあ、と納得しました。

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2022/02/02

ぶれない世界観は好き。ちょっと今回は私としては、そこまでは、、、と引き気味で読む箇所もあったが、全体としての世界観は目指していきたいところ。

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2022/01/31

難しく考えず気楽に楽しめる料理。少ない調理器具でシンプルに素材の味を楽しむ。ミニマム・クッキングのヒントが詰まった一冊。 著者はフランス人ではあるが、日本在住歴は30年以上。なので引用される文が、村上春樹から松尾芭蕉、小林一茶まで幅広い。最初ゴーストライターかと疑ってしまったほ...

難しく考えず気楽に楽しめる料理。少ない調理器具でシンプルに素材の味を楽しむ。ミニマム・クッキングのヒントが詰まった一冊。 著者はフランス人ではあるが、日本在住歴は30年以上。なので引用される文が、村上春樹から松尾芭蕉、小林一茶まで幅広い。最初ゴーストライターかと疑ってしまったほど。 キッチン空間、キッチン道具、食器に始まり、買い物、食品保存などのヒントからレシピにこだわらず即興で作れる調理の技術など。 全体を貫くのはとにかくシンプルなものが一番ということ。ついつい増えて年数回しか使わない器具でキッチンが散らかるより、最低限の器具でも大抵の料理はできるという。 調理法としては低温、無水料理を推奨。必要最小限の調味料で、野菜の蒸し焼きのような素材の風味と形を活かした調理。シンプルかつヘルシーな料理。 レシピなしでも簡単に作る料理の例として「二つ、三つの材料で料理する」というヒント。食材の一方がもう一方の味を引き立てる、たんぱく質と野菜の組み合わせ、人類古来からの料理の基本であるという。 おすすめの調理器具、食器、簡単なレシピや保存方法紹介されているが図版がないのがちょっと難点。 じっくり熟読してマニュアルにするより、さらっと読んでその中で自分に役立ちそうな内容だけ取捨選択して実行するのに良い。 健康志向も相まってシンプル・クッキングは最近の風潮か。多くの人に有用なヒントの詰まった一冊です。

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2022/01/29

ドミニック・ローホー著、原秋子訳『少ないもので料理する シンプルな台所で、ミニマム・クッキング』(幻冬舎、2021年)はミニマリストの料理生活を語る書籍。シンプルな道具を使ったシンプルな料理を推奨する。SDGs; Sustainable Development Goalsで合致す...

ドミニック・ローホー著、原秋子訳『少ないもので料理する シンプルな台所で、ミニマム・クッキング』(幻冬舎、2021年)はミニマリストの料理生活を語る書籍。シンプルな道具を使ったシンプルな料理を推奨する。SDGs; Sustainable Development Goalsで合致する生き方である。 ミニマリストの生活は無駄な消費をしないことである。「無駄を出すことは恥ずかしいこと」である(181頁)。不要なものを捨てることを目的化した勘違いがあるが、それで新たな消費をするならば無駄である。消費をして金を循環させるという昭和の経済観念の否定になる。 食材の値段と味は比例しない。「トリュフ、オマールエビ、キャビア等の贅沢な食事はもちろん美味しいものです。でもじゃが芋や玉ねぎのグリルでも、実は唸るほど美味しくできます」(208頁)。リーズナブルな食材を美味しく食べる。 飽食を否定する。コース料理のアンチテーゼになる。「1食分が全部同じ皿に盛りつけられ、尚且つ美味しそうで、片付けも簡単とくれば文句なしです」。その究極の形式が「ボウル一つのリラックスとした食事」になる(113頁)。本書のファーストフードやジャンクフードと逆の立場であるが、ハンバーガーも炭水化物と蛋白質を同時に摂取する食事である。本書はピザやラーメンにも言及しており(130頁)、ジャンクフードを否定している訳ではない。 テレワークが料理を始める新たなきっかけになる可能性を指摘する(161頁)。テレワークはITを利用した新しい働き方であり、スローフードの提唱者の中には昭和の対面コミュニケーション至上主義を前面に出して頭ごなしに嫌悪する論調もある。その種の頭の固さは本書にはない。 巨大スーパーは余計なものを買ってしまう(160頁)。私も巨大すぎるスーパーは好きではない。売り場を歩くだけで疲れてしまう。 本書は料理を勧める。料理をすることは思考の整理になる。漫画『絶対可憐チルドレン』の皆本光一も料理で考えを整理していた。但し、凝った料理を勧めている訳ではない。最小限の手間暇で工夫を凝らした美味しい料理を目指す。テレビ番組にあるような情熱的な料理ではない(190頁)。あくまでシンプルな生活である。 本書は友人の以下の言葉を紹介する。「家でステーキを焼くことは滅多にありません。肉を焼く時の臭いに私が吐き気を催すからです」(260頁)。住宅地のバーベキューが近隣からバーベキュー公害と批判されるが、このような感覚もあるだろう。 本書の特徴は文学作品を豊富に引用していることである。村上春樹『ねじまき鳥のクロニクル』のエピソード(25頁以下)が印象に残った。主人公の岡田亨はハムとトマトのサンドイッチを作っている最中に電話が鳴るが、電話をとらない。電話で作業を中断されることを嫌ったためである。 電話は一方的に生活に侵入する迷惑なものである。電話ではなく、メールでコミュニケーションすることは大きな進歩である。メールは非同期で対応できるためである。ところが、メールを携帯メール中心で考えると、即座に返信することを強要するような風潮が出てくる。非同期の価値を損なうものであり、滑稽である。 岡倉覺三著、木下長宏訳『新訳 茶の本』は現代社会の問題点を「値段の高いものを欲しがり、洗練されたものを欲しがりません」と述べる。ここには価格が高いものが洗練されているとは限らないという前提がある。値段と価値は比例しない。

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