猫のエルは の商品レビュー
ヒグチユウコさんのイラストが、とっても効果的。 ネコなのか、擬人化なのか、やっぱり猫なのか。 漱石の時代から、ネコの見た人間世界は綴られているけれど。 エルはやっぱりエルなのだ。
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猫好きとしてはたまらない、猫(時々、犬やその他動物)目線で語られる物語。御伽噺のようで好き。 タイトルの「猫のエルは」の冒頭、エルの部分を愛猫の名前にして音読すると親しみが生まれた。
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ストーリーは全く違うが、夏目漱石の『夢十夜』を思わせる、とても不思議な短篇集。 猫目線で見た世界は恐ろしい。 ウチの仔達も子猫の時に保健所に収容されていたので、当時の写真を思い出して苦しくなった。 たくさん、たくさん、愛そう。
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「諧和会議」 人類が滅亡したのち 動物や昆虫たちが言語を獲得した未来世界で なぜか猫だけはそれを発さず 他の生き物たちに不審感を与えていた なんとか猫とコミュニケーションをはかろうとして 生き物たちは頭を悩ませるが 誰を派遣しても、猫から言葉を引き出すことはできなかった 結末は...
「諧和会議」 人類が滅亡したのち 動物や昆虫たちが言語を獲得した未来世界で なぜか猫だけはそれを発さず 他の生き物たちに不審感を与えていた なんとか猫とコミュニケーションをはかろうとして 生き物たちは頭を悩ませるが 誰を派遣しても、猫から言葉を引き出すことはできなかった 結末は、「パンク侍」と「告白」をミックスした感じ メタ言語とでも呼ぶべき作者のロマンが提示される 「猫とねずみのともぐらし」 強者が弱者へのルサンチマンを抱えているというのは それが一種の下克上によって実現した関係性だから、なんだけど 単に両者の思い込みでそうなってる可能性も否定できず グリム兄弟の時代よりはるかに複雑な 現代社会のことを考えさせられる 「ココア」 酒を飲んだ後、誰かに殴られて昏倒したらしい 気がつくと、猫と人間の立場が逆転した世界に入りごんでいた そこでは野良人間としての暮らしを余儀なくされ 猫たちに迫害される毎日だった 猫社会は一見文化的に見えて その実、カジュアルな暴力の普遍に蔓延する野蛮社会であった かつて人間世界で飼われていたココアは 飼い主だった語り手を守ろうとして闘いに赴くのだが 「猫のエルは」 生まれた直後で「医学的に」死んでいたエルは しかし奇跡的に生き返った 猫が人智を超えた 「とりあえずこのままいこう」 死んだ犬が生まれ変わって再び飼い主と巡り合う話なんだけど どういう行き違いか、犬は猫になっていた 猫になって身軽さを得た彼は だんだんイタズラを覚えていき 頭の中には「ドンパン節」がループするようになって ともすると、前世の記憶を忘れてしまいそうになるのだった
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