自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと の商品レビュー
『男らしさと笑い』は自身も学生時代非常に苦労した覚えがあり、当時は何を話してるのかあまり理解できてなかったと思う。 "男らしさ"と"笑い"が密接に結びついてる理由に、まさに話にオチをつけることがその話題に潜む問題を場当たり的に解決してしま...
『男らしさと笑い』は自身も学生時代非常に苦労した覚えがあり、当時は何を話してるのかあまり理解できてなかったと思う。 "男らしさ"と"笑い"が密接に結びついてる理由に、まさに話にオチをつけることがその話題に潜む問題を場当たり的に解決してしまう都合の良さがあるからなんだと腹落ち。 皆、自身が持つ悩みや寂しさみたいなものを持っているもののそれを直に晒すのは男らしくない。なので、それを上記のように笑いに変えることにより、消化させることができる。 しかも芸人などを見てもわかるように、"面白さの獲得"はホモソーシャルの序列を決定するうえで重要な武器であるという側面もある。 フェミニズムの考え方を知ったことで、上記のようなホモソーシャルの構造を理解できたことはとても収穫。 他にも「無能がバレる恐怖。権力欲。処女信仰。面白くなりたい。女性への侮蔑と神格化。不妊治療。DVとモラハラ。離婚して父子家庭。マウンティングやマンスプレイニング。」どれも詳しく読んでみるとなにかしら自分にも引っかかる部分があり頭がぐらぐらする。 自分がいかにホモソーシャルど真ん中の考えをもって生きてきたかがよくわかる。序列社会に生きることをやめて自身にとっての価値を見つめることで浄化していきたい。
Posted by
10人の市井に生きる男性たちのインタビュー。当たり前だが同じような人生などなくそれぞれ面白い。捉え方は筆者の意図と違うだろうけど個人的には現代社会人男性列伝ともいうべき楽しさがある。特に女性関係が派手な方の話は不謹慎ながら面白かった。もっともインタビューに応じるだけあって問題や悩...
10人の市井に生きる男性たちのインタビュー。当たり前だが同じような人生などなくそれぞれ面白い。捉え方は筆者の意図と違うだろうけど個人的には現代社会人男性列伝ともいうべき楽しさがある。特に女性関係が派手な方の話は不謹慎ながら面白かった。もっともインタビューに応じるだけあって問題や悩みはあっても社会的には成功もしくは上手く順応している方々であるので響かない人もいるかもしれない。
Posted by
読んでいて思い出したのが、昔の元上司(男性)。 哲学の本を読んでいると職場で豪語していたと思いきや、こちらが何の反応もしないでいると「すごいって言ってよ!(要約)」と怒ってきた。面倒くさい上に、思い通りに誉めてもらえないと不機嫌になるって本当にダサくて格好悪いな、と感じたのを今で...
読んでいて思い出したのが、昔の元上司(男性)。 哲学の本を読んでいると職場で豪語していたと思いきや、こちらが何の反応もしないでいると「すごいって言ってよ!(要約)」と怒ってきた。面倒くさい上に、思い通りに誉めてもらえないと不機嫌になるって本当にダサくて格好悪いな、と感じたのを今でも覚えている。 中盤の出版社勤務の男性による話。 『僕にも自分を大きく見せようとするところが少なからずありましたが、そういうのも無駄なんだなって。女の人って面と向かっては男を否定しない。「すごいですね/へぇ~」と言われて男はそれを自分が肯定された、受け入れられたと捉えてしまう事が多い。実態としては単に面倒くさいから誉めてるだけですよね』 →こ、れ、だ、よ!!!元上司!!! 職場の後輩部下♀に甘えてんじゃねえぞ!と当時のやり取り時に言ってやりたい。 続けて語っていたのが『女性にとっていちいち性的な扱いをされるのは本当に鬱陶しい事なんだということが段々とわかってきた。女性を同じ人間として扱ってないことにつながるんだなって』 →マジでこれ。もし男性が性的な目で見られることがしょっちゅうだったらこの苦しみを分かってもらえると思うが、別に苦しんでほしい訳じゃない。あとバレてないと思ってるだろうが、女性側はこういうのすぐ気付く。気付かない振りしてるだけ(面倒くさいから)。 ◎不妊治療で悩む妻を持つ男性の話。 話し合いはしているけど、『「奥さんはなぜそこまで子どもが欲しいのか」という根本的な質問をするのはなんか怖い』との言葉。 →これか。怖いから踏み込む気になれないってやつ。分かる気もしなくもないけど、振り返って損失に気付いたときには何もかも取り戻せなくてダメージがでかいやつ。 ◎DV加害者である男性の話。 『男という立場を利用して楽をしていた部分が確実にあった』 →家事も育児も見ない振りをしていれば楽だが、それは対等な関係でも何でもなく、もはやパートナーとしての資格を自分から放り出しているようなもの。後悔先に立たず。
Posted by
10人の男性の体験談、人生観が赤裸々に綴られている。 マジョリティなりの苦労、気持ちなど、マイノリティ(シス女性も含む)には理解できない知り得ないことがたくさんあって勉強になった。
Posted by
特殊に感じるような人もいて、この方々が「一般男性」なの??か!?と考えさせられた。 それから、あっ!この感じ...わたしが男の人に対してイラっとしたり、何考えてるの?とか何も考えてないでしょ?何故黙る?などなどと思った瞬間のやつだ!と感じる箇所がいくつかあった。 まぁ男性側から見...
特殊に感じるような人もいて、この方々が「一般男性」なの??か!?と考えさせられた。 それから、あっ!この感じ...わたしが男の人に対してイラっとしたり、何考えてるの?とか何も考えてないでしょ?何故黙る?などなどと思った瞬間のやつだ!と感じる箇所がいくつかあった。 まぁ男性側から見た女性でも似たようなことはあるのだろうなぁ。
Posted by
突き抜けた人になりたいのに、普通にしかなれない、普通にこなせてしまうもどかしさ分かる。 男性の打ち明け話はなかなか聞けない。「男性は自分の外側は雄弁に語るが、内側はなかなか語ろうとしない」。
Posted by
ごく一般的な男性たちが、自身の半生を語る独白集だ。ライトなものから、ヘビーなものまで、人生は十人十色。みんな、何かを背負って生きている。世の中がもっと、男性たちの「辛いときには語ってもいい空気」を醸成できるようになればいい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・男性は感情の言語化が苦手 ・human beingとhuman doingがある。前者は感情や欲求、価値観や生理的反応など今ここにあるもの、否定しがたく存在しているものがベースとなる人間の在り方、後者は能力やスキル、資格や肩書き、役割や実績など行為によって得たものの総体として捉える在り方。男性はdoingを重視しbeingを軽視しがち。というのはとてもしっくりきた。同時になぜそうなるのかは気になる。幼少期の育てられ方なら今後は変わっていくのかな。 ★いろんな男性の語り。女性の本はたくさん読んできたが男性が内面を語る本を読んだことがないと気づき読んだ。まあ素直な男性の心の動きだなと思いながら読めた。社会のプレッシャーに対しストレス抱えながら生きていく中で攻撃的な一面を持ってしまう(ネット叩き等)人の話はこういう人はたくさんいるんだろうなと感じた。beingを軽視していると絶対に歪みが出る気はする。生産性やコスパ重視してアプリでいろんな女性と肉体関係を持てたけど結果虚しい、みたいな人の話は全く共感できないしなぜそうなるのか。多分たくさんの女性と関係を持てる、モテる実績みたいなのが勲章なのかもしれないけど虚しいなら何の意味があるのか?と思ってしまうけどこれは私がbeing重視だからなんだろう。 別に何かを指南する本ではないけど、著者の方がバイアスかからないようにとの配慮からか各インタビューに対する意見やコメントが少なかったし遠回しな言い方が多くもっと踏み込んでくれればいいのにと思った。あと男性って叶わなかった昔の恋愛に固執しすぎるなと思ったけどこれなんで?
Posted by
「一般男性」とひとくくりにされる男性たちのリアルな身の上話。 女性に比べて、男性はこういう話をあまりオープンにはしゃべらないのかも、という意味で、ありそうでなかった本。 男性社会も上下関係や友情からの嫉妬なんかでけっこうドロドロしてるとこもあり、あまり女性と変わらない。 (だから...
「一般男性」とひとくくりにされる男性たちのリアルな身の上話。 女性に比べて、男性はこういう話をあまりオープンにはしゃべらないのかも、という意味で、ありそうでなかった本。 男性社会も上下関係や友情からの嫉妬なんかでけっこうドロドロしてるとこもあり、あまり女性と変わらない。 (だから、「女社会は、めんどくさい」みたいな固定概念も持たない方がよい) 登場するのは「一般男性」の中でも、こじらせ気味の人が多いのかな……?という印象(笑)。 でもまあ、「一般女性」も中身はいろいろ、というのは同じなんだろう。 著者は男性だが、ジェンダー問題に配慮してくれているので、登場男性の語りとのバランスがとれている。 関係ないけど、装丁のずらっと並んだ「一般男性」のイラストを見て、「バチェロレッテジャパン」の参加男性を思い出した。 あの人たちも、「一般男性」だけど、みな個性的だったなぁ。
Posted by
「一般女性」の立場からすると「うるせぇバーーーーカ!!!」って言いたくなるような語りもまあまあ含まれてるんだけど、きっと悩みを打ち明けたときそういう反応されること自体が生きづらさでもあるんだろうなぁと思う。 共感できないし歩み寄るのも難しそうだけど、ちょっとだけ「アンタも大変なの...
「一般女性」の立場からすると「うるせぇバーーーーカ!!!」って言いたくなるような語りもまあまあ含まれてるんだけど、きっと悩みを打ち明けたときそういう反応されること自体が生きづらさでもあるんだろうなぁと思う。 共感できないし歩み寄るのも難しそうだけど、ちょっとだけ「アンタも大変なのね」って視点が持てるようになった一冊。
Posted by