ひきこもりの真実 の商品レビュー
ひきこもりに限った話ではないが、典型的なステレオタイプに押し込めてはいけないんだな、と思った。ひきこもりを「甘え」「怠けている」と決めつけるのもステレオタイプのひとつ。そういうタイプのひきこもりもいるだろうが、全部がそうではない。著者のように身体症状まで出てしまって、学校や職場に...
ひきこもりに限った話ではないが、典型的なステレオタイプに押し込めてはいけないんだな、と思った。ひきこもりを「甘え」「怠けている」と決めつけるのもステレオタイプのひとつ。そういうタイプのひきこもりもいるだろうが、全部がそうではない。著者のように身体症状まで出てしまって、学校や職場に行けず、苦しんでいるひとをいっしょにしてはいけない。なんかこの辺の事情はアレルギーに似ているな、と思った。アレルギーのない人にはなんでもない食物が、ある人には強い身体症状を起こす。それは本人にはどうすることもできないが、理解できない人からは好き嫌いをしてはいけません、と無茶を言われる。 ひきこもりの当事者からすると、就労や自立支援の前にやってほしいことがある、という主張はなるほど、と思った。ひきこもりに対する現在の行政支援はひきこもりの当事者より、家族に向いている気がする。それはそれでもちろん大事なことなんだけれど。 ところでひきこもりというのは日本だけの問題なのだろうか? 民族性みたいなものはあるのかもしれないが、外国にも多かれ少なかれ同様な問題があるのではないだろうか。それにはどんな対策が打たれているのだろう。そういう本を読んでみたいと思った。
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著者は、不登校と「ひきこもり」の経験者。 40歳近くに社会復帰を果たす。その間何をし、何を考えていたのか。原因は何だったのか。同じような境遇にある人は、何を求めているのか。実体験をもとにリアルを語る。 不覚にも読み始めて気づいた。著者は女性だ。ひきこもりは、なんとなく男性だとい...
著者は、不登校と「ひきこもり」の経験者。 40歳近くに社会復帰を果たす。その間何をし、何を考えていたのか。原因は何だったのか。同じような境遇にある人は、何を求めているのか。実体験をもとにリアルを語る。 不覚にも読み始めて気づいた。著者は女性だ。ひきこもりは、なんとなく男性だという先入観があった。著者自身もそのことについて最初に触れる。内閣府の調査ではひきこもりは男性が77%だが、自分たちの独自調査では女性が61%。どちらかの調査が偏っているのかもしれない。別のデータでは小中学校の不登校の女子は合わせて48%であり男女にほとんど差がなく、確かに女性の比率は、内閣府の調査よりもっと多いのかもしれない。 ひきこもりは、つらい。6割以上の人がそう感じながら、ひきこもる。きっかけは、心の不調や病気が最も多い。生きづらさを感じている。 社会で生きる事は、容易では無い。必要最低限の能力を維持し、時に悪意を退け、日々の生活費を手に入れなければならない。また、ただ何気なく生きるのではなく、自我や尊厳も保たねばならない。食事が得られても、存在を否定される日々では、心が生きていけない。だからこそ、承認欲求の奴隷にもなるのだろう。しかし、その全てにおいて、「他者の期待」に応える能力、努力、労力が求められるのだ。他者への働きかけを止めれば、〝対価も承認”も得られない。 社会との関係性を断ち切り、ひきこもる事は、この他者の期待との連環を断ち切る事。そのエネルギーが尽きてしまった状態だ。更に自己否定を繰り返し、負の悪循環に陥っている。人の心は難しい。微かな期待、小さな尊厳からやり直さねばならない。
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仕事柄、引きこもりの人と接する機会もあり、社会一般の教養として本書を手にした。 本書は引きこもりの現状から、著者自身がなぜ引きこもり、その時どう考えて、どのように社会に復帰できたか、そして家族や社会に何を望むかが書かれている。特に当事者を社会復帰させるという一方的な目線ではな...
仕事柄、引きこもりの人と接する機会もあり、社会一般の教養として本書を手にした。 本書は引きこもりの現状から、著者自身がなぜ引きこもり、その時どう考えて、どのように社会に復帰できたか、そして家族や社会に何を望むかが書かれている。特に当事者を社会復帰させるという一方的な目線ではなく、社会がおかしいのではないかという当事者の目線に立った考えは、引きこもり問題に限らず必要な考えではないかと感じた。 引きこもり当事者が社会復帰して思いを記す機会は少ないであろうなか、当事者のリアルな思いに触れられる機会は少ないと思われるため、本書を当事者やその家族が読んだとしたら、本書は大変参考になると思った。 引きこもりの現状や思いをリアルに感じられたが、しかし自分自身が当事者の立場にないため、問題の表面を理解したに過ぎなかった。
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ひきこもりを就労に結びつけるまでがゴールではない。当事者目線での支援の在り方を提起した本。 個人的には著者の妹さんのインタビューが参考になった。
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僕は自分がひきこもりにならなかったのは、偶々タイミングを逸したからだと思っている。だから引きこもりとは何かに関心を持つ。 当事者主体の支援の必要性、女性など見えにくい当事者。経験者の実態により露わになる問題点と必要なもの。
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■ひきこもりの支援というと「社会に適応させること」と思っている人が多い。問題があるのは本人(又は家族)であるから、その当人を指導、矯正して元の社会に戻すという発想。 問題があるのは本人ではなく、社会の方かもしれない、という視点は必要だ。「ダメな人」を矯正して社会に戻すという発想で...
■ひきこもりの支援というと「社会に適応させること」と思っている人が多い。問題があるのは本人(又は家族)であるから、その当人を指導、矯正して元の社会に戻すという発想。 問題があるのは本人ではなく、社会の方かもしれない、という視点は必要だ。「ダメな人」を矯正して社会に戻すという発想ではなく、様々な個性や特性こそが強みで、それを活かしてもらうという発想が欲しい。また、その人がその人のままで生きられる社会を作っていくこともとても大切だと思う。
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先日、江戸川区でひきこもりの調査が実施されました。現代社会で引きこもりをしている人に対する理解、これこそが最初の一歩です。
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とてもとても良かった。著者がひきこもり経験者というのがとてもよく伝わる内容で説得力があった。 前半はひきこもりについての実態調査内容、支援の仕方や居場所づくりの大切さと作り方など支援する側のあり方。 後半は著者の林さん自身のどうしてひきこもってどのような経緯でまた生きていこうと思...
とてもとても良かった。著者がひきこもり経験者というのがとてもよく伝わる内容で説得力があった。 前半はひきこもりについての実態調査内容、支援の仕方や居場所づくりの大切さと作り方など支援する側のあり方。 後半は著者の林さん自身のどうしてひきこもってどのような経緯でまた生きていこうと思ったかが書かれて、最後に家族にどうしてほしいかをかいている。 私自身が現在ひきこもり当事者なんですが、本当に首がもげるほどそうなんです!!と頷く内容で、こんな人が居てくれるのが心強いと思うほどでした。 とくに家族にどうしてほしいかの章は本当に素晴らしかった。当事者のご家族には本当に読んで欲しいしまた、支援者の方や、ひきこもりを知りたい方にも、知らない方にも是非読んで欲しいです。 ひきこもり当事者の感想として、当事者なら私が以前読んだ石川さんの「「ひきこもり」から考える」よりこちらの本が当事者として共感できるのでオススメします。
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半分以上は同じような内容の 繰り返しかなという感想だったけど、 第四章以降から、読みたかった内容が かかれていたのでそこからは 興味深く読んでいった。 ひきこもりだけではなく、 ヤングケアラーなど本人が 自分のほかにも同じことで 苦しんでいる人が居るんだと 気づけること、知る...
半分以上は同じような内容の 繰り返しかなという感想だったけど、 第四章以降から、読みたかった内容が かかれていたのでそこからは 興味深く読んでいった。 ひきこもりだけではなく、 ヤングケアラーなど本人が 自分のほかにも同じことで 苦しんでいる人が居るんだと 気づけること、知ることで 少し何かかわるのかなと思った。
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なんかアンケート結果の羅列みたいなのが多い本だった。まあ真実というタイトルだからそういう物かもしれないが、もっと事実や経過を淡々と書いてある物を想像していた。そういう意味で本人と妹の部分は面白かった。今でいう毒親みたいな部分があると引きこもってしまうのかなと思った。秋葉原の加藤智...
なんかアンケート結果の羅列みたいなのが多い本だった。まあ真実というタイトルだからそういう物かもしれないが、もっと事実や経過を淡々と書いてある物を想像していた。そういう意味で本人と妹の部分は面白かった。今でいう毒親みたいな部分があると引きこもってしまうのかなと思った。秋葉原の加藤智大と同じ感じがした。母親が極端で自分の意見を押し通すとまともな子供の成長を阻害するという事かもしれない。
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