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地方メディアの逆襲 の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2023/10/06

 ネットニュースを見てがっかりすることが多い。見出しの印象と内容とに齟齬があるような、それも意図的にしているのが透けて見える。「誰のためにニュースがあるのか」(110頁)。  被害者報道については(第5章)、知る自由・表現の自由・取材の自由と、被害者・遺族のプライバシーが衝突し...

 ネットニュースを見てがっかりすることが多い。見出しの印象と内容とに齟齬があるような、それも意図的にしているのが透けて見える。「誰のためにニュースがあるのか」(110頁)。  被害者報道については(第5章)、知る自由・表現の自由・取材の自由と、被害者・遺族のプライバシーが衝突し、それらの対抗する利益をどのように調整するのかと問題が整理される。しかし、取材の場で起きていることは、衝突などではなく完全なすれ違いである(188頁参照)。自らを公共の利益に「奉仕する」者として正当化しておいて、自社の経済的利益を優先させ、記者の昇進を優先させることは背理である。そのような矢印の方向のずれがジャーナリズムに不信感をもたらしている。  地球温暖化の影響がまず最初に貧困地域に圧力を与えるのと同じように、中心で起こっている問題のしわ寄せが来るのは周辺領域であるという構造があるようだ。それゆえ、地方をわがごととして直視している地方メディアは、中央に逆襲しうる存在となる。地方メディアが発信するのはローカルニュースなどではなく、日本全体の問題の核心であるかもしれない。  記者自身の昇進のため、pv数を稼ぐためのニュースは百害あって一利なしである。ドラマチックなスキャンダルなんかより、世の中にあるのは退屈な、凡庸な悪であること(250頁)は、ニュースを受け取る私にとっても、肝に銘じておくべきだと考えた。

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2023/08/15

序盤から紹介されるエピソードが立て続けにイデオロギー強め。著者のスタンスなのか、対権力・対中央ってやってるとメディア自身のスタンスがそうなるのか興味深い。反対に右傾化する在阪メディアは自主規制の緩さと対権力ではなく対首都圏メディアへの意識の強さが原因かも。 長期間地域密着で取材す...

序盤から紹介されるエピソードが立て続けにイデオロギー強め。著者のスタンスなのか、対権力・対中央ってやってるとメディア自身のスタンスがそうなるのか興味深い。反対に右傾化する在阪メディアは自主規制の緩さと対権力ではなく対首都圏メディアへの意識の強さが原因かも。 長期間地域密着で取材することにより掴めるネタはあるだろうし地方メディアは必要だと感じた。 あと一番地方メディアが必要な地域は東京。雪降ったとかナントカ線の人身事故とか麻布グルメとかローカルな話題は地域内で収めて外には漏らさないでほしい。

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2023/05/08

第86回アワヒニビブリオバトル「【2日目】おうち時間DEビブリオバトル」1時間目 社会で紹介された本です。 オンライン開催。 2022.05.04

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2023/05/06

昨今のあまりに体制的な報道に接する度に、もはやこの国メディアはその屋台骨から腐り切っているのではないかと思っていたが、地方にはジャーナリズムとしての矜持を持ち続けているメディアが存在していることを知った。 経営上のことも含め、さまざまな困難もあろうかと想像されるが、どうかそれぞれ...

昨今のあまりに体制的な報道に接する度に、もはやこの国メディアはその屋台骨から腐り切っているのではないかと思っていたが、地方にはジャーナリズムとしての矜持を持ち続けているメディアが存在していることを知った。 経営上のことも含め、さまざまな困難もあろうかと想像されるが、どうかそれぞれの地方のジャーナリズムの希望の灯を、これからも灯し続けて行ってほしいと願うばかりだ。

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2022/08/14

地方紙・地方局の役割とは?そこにある真のジャーナリズムとは?ということを改めて考えさせられる一冊。 各媒体社が「営利至上主義」となっているのは事実だが、受け手に伝わるもの=商品となる記事や番組は、記者の質が大いに問われてくる。そこだけは絶対に死んではならない。地方にこそジャーナリ...

地方紙・地方局の役割とは?そこにある真のジャーナリズムとは?ということを改めて考えさせられる一冊。 各媒体社が「営利至上主義」となっているのは事実だが、受け手に伝わるもの=商品となる記事や番組は、記者の質が大いに問われてくる。そこだけは絶対に死んではならない。地方にこそジャーナリズムの可能性が眠っていると感じた。

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2022/08/09

地方の新聞社・テレビ局によって、ここ数年で話題性のあった地方発の報道、ドキュメンタリーの担当者を取り上げたルポルタージュ。東京にいると全国紙やキー局が報道の中心と思い込んでしまいがちだが、地方にこそジャーナリズムの真髄と魂が気を吐いているということが伝わってきた。大手マスコミの地...

地方の新聞社・テレビ局によって、ここ数年で話題性のあった地方発の報道、ドキュメンタリーの担当者を取り上げたルポルタージュ。東京にいると全国紙やキー局が報道の中心と思い込んでしまいがちだが、地方にこそジャーナリズムの真髄と魂が気を吐いているということが伝わってきた。大手マスコミの地方支社の記者たちが中央に戻るための腰掛けになっていることや、特ダネを掴むためにセンセーショナルな仕掛合戦になっている背景もあり、地方メディアによる地域に目を向け耳を傾ける姿勢、凡事徹底で入念にファクトチェックを重ねることで大手メディアに"逆襲"し得るのだという筆者の想いを感じた。

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2022/07/27

 大手というか巨大メディアが、今までと同じように操業することが不可能になっている。むしろ、この本で紹介された地方のメディアが、新しい事業を作り出してゆく希望を示してくれる。読者のほうも、良心的や創造性のあるメディアを選ぶ努力が求められるようだ。

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2022/06/27

地方メディアの記者の奮闘記が収められている本だが、6つの話では琉球新報のファクトチェックが楽しめた.沖縄の問題は同じ日本人としてもどかしさが募るものだが、実際に現地で苦労している記者の話を読んで、共感するところが大だった.日米地位協定を秘密裏に承認した当時の政権幹部の責任は、具体...

地方メディアの記者の奮闘記が収められている本だが、6つの話では琉球新報のファクトチェックが楽しめた.沖縄の問題は同じ日本人としてもどかしさが募るものだが、実際に現地で苦労している記者の話を読んで、共感するところが大だった.日米地位協定を秘密裏に承認した当時の政権幹部の責任は、具体的な改定がなされるまで消滅することはないことを、現在の為政者は認識しておく必要がある.今回の参議院選挙の争点にはなっていないが、決して忘れてはいけない問題だと思っている.

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2022/05/08

「ニュース砂漠」という言葉をきいたことがあります。アメリカの全3143郡のうち、新聞がないか、週刊の新聞が1紙しかない地域が半分を超えたという現象のことです。それはジャーナリズムという草の根の生えないニュースの砂漠地帯。日本はまだまだ地方紙が頑張っているのでしょうが、デジタルメデ...

「ニュース砂漠」という言葉をきいたことがあります。アメリカの全3143郡のうち、新聞がないか、週刊の新聞が1紙しかない地域が半分を超えたという現象のことです。それはジャーナリズムという草の根の生えないニュースの砂漠地帯。日本はまだまだ地方紙が頑張っているのでしょうが、デジタルメディアの成長で、経営が厳しくなっているのは事実。アメリカと同じ道を歩んでいるかもしれません。そんな中、地方紙、地方局の踏ん張りのアンソロジーがこの新書です。本書にも登場する秋田魁新聞のイージスアショア計画についてのスクープは、新聞協会賞も受賞しましたし、NHKの番組にもなってました。「地方紙は死ねない」とのタイトルでした。「死なない」ではなく「死ねない」というところに地方メディアのギリギリ感を感じてしまいました。だからこそ,この本とかNHKの番組化とかで、ニュースが地産地消だけでなく、全国という市場で価値を持つビジネスモデルが必要になってくるのだと思います。どんなに大義があっても、消えていくのはJRの路線で経験済みです。本書の題名にある「地方メディアの逆襲」の「逆襲」が本当になるのは、グーグルニュースショーケースだよりじゃ、ないはず。

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2022/04/18

基本的に、地方紙頑張れ!という報道側の意見ではあるけれど、内側の人だからこその言葉たちに響くものがいくつもあって、全く期待せず読んだのに途中からたくさん線を引いてしまった。 事実を知ることからしか始まらないということを今一度実感した。 感情先行型の社会の中で、事実を伝え続けてほし...

基本的に、地方紙頑張れ!という報道側の意見ではあるけれど、内側の人だからこその言葉たちに響くものがいくつもあって、全く期待せず読んだのに途中からたくさん線を引いてしまった。 事実を知ることからしか始まらないということを今一度実感した。 感情先行型の社会の中で、事実を伝え続けてほしい。そうしないと議論することできないから。

Posted byブクログ