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脳科学者の母が、認知症になる の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2023/01/04

認知症のこと知らないから こわいこわいイメージで 手にとり、読み進めました。 自分と他者の境界が曖昧になる、 とか読んだらこわいこわい。 家族の顔がわからなくなる、 こわいこわい。 (以下ネタバレ) でも、その人でなくなるわけではない。 感情の記憶、感情に...

認知症のこと知らないから こわいこわいイメージで 手にとり、読み進めました。 自分と他者の境界が曖昧になる、 とか読んだらこわいこわい。 家族の顔がわからなくなる、 こわいこわい。 (以下ネタバレ) でも、その人でなくなるわけではない。 感情の記憶、感情に見られる個性は 強く残るようですよ、と 教えてくれた。 ありがとう。

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2022/09/20

人とはまことに多面的な生き物で、いろんな特性を持っていますが、現代の学校教育では読み書きそろばんと記憶力ばかりが重要視され、それ以外の特性はちっとも評価されない。算数や漢字が苦手だと、勉強ができないヤツだと決めつけられる。このことが、私は以前から不満でした。でも、これからの世の中...

人とはまことに多面的な生き物で、いろんな特性を持っていますが、現代の学校教育では読み書きそろばんと記憶力ばかりが重要視され、それ以外の特性はちっとも評価されない。算数や漢字が苦手だと、勉強ができないヤツだと決めつけられる。このことが、私は以前から不満でした。でも、これからの世の中、AIが発達すれば、読み書きそろばん・記憶力なんかはAIには全く歯が立たなくなるでしょう。その後、人をはかる物差しはどうなるでしょう? この本を読んで、その物差しは、認知症になった方をはかるのと似ているんじゃないかと思いました。失っていく能力を嘆くのではなく、それでも残る人の心の芯に光をあてて、その人を見る。それができるようになりたいと思います。 著者の脳科学的説明はとても分かりやすく、一方で、娘として母を支える中でのイライラなども飾らずに記され、実際に私が支える立場になった時のための心構えとして、とても役立ちました。 

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2022/08/07

認知症の家族を通して脳科学の専門的知見からその症状の学問的紹介と対処方法に加え、自己とは何か?について深く考えさせられた名著。

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2022/04/06

職業としての脳科学者である著者のお母さまも認知症になる。 知識も症例も一般人よりずっとあるのに対処対応はその時によるもの。 認知症についての、学者的なものや医療的なものではなく、その生活者としてのエピソードが綴られほっこりするものもある。 認知症になると幸せじゃなくなるのか 認...

職業としての脳科学者である著者のお母さまも認知症になる。 知識も症例も一般人よりずっとあるのに対処対応はその時によるもの。 認知症についての、学者的なものや医療的なものではなく、その生活者としてのエピソードが綴られほっこりするものもある。 認知症になると幸せじゃなくなるのか 認知症になったら殺してくれと言っていた人が発症しても幸せそうにしている   この辺りがとても良かった。 冷蔵庫を開けてなにを出そうとしたのか 買い物に行くと何を買うつもりできたのか あぁ私もいつかは何もかもわからなくなる そう思うと悲観してしまうこともあったけど 認知症でも幸せに生きれそうだそう思えた 大丈夫大丈夫。

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2022/01/14

恩蔵絢子(1979年~)氏は、上智大学理工学部卒、東工大大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了の脳科学者。早大、日本女子大学等の非常勤講師。専門は自意識と感情。 本書は、2018年に出版、2021年に文庫化された。 本書は、脳科学者である著者の母親が65歳でアルツ...

恩蔵絢子(1979年~)氏は、上智大学理工学部卒、東工大大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了の脳科学者。早大、日本女子大学等の非常勤講師。専門は自意識と感情。 本書は、2018年に出版、2021年に文庫化された。 本書は、脳科学者である著者の母親が65歳でアルツハイマー型認知症を発症し、その後、著者が、娘として、脳科学者として、葛藤する2年半の日々の記録を綴ったものである。 これまでも認知症について書かれた本は多数出ているが、本書の特徴はやはり、認知症の進行する母親の言動について、一緒に暮らし、もともとの母親の性格をよく知っている著者が、脳科学の見地から、何が原因なのか、即ち「脳にどんな変化が起こっているのか」を細かく分析・記録しているという点であろう。 また、副題に「記憶を失うと、その人は“その人”でなくなるのか?」とあるが、客観的事実としては、新しいことが覚えられなくなり、今まで簡単にやっていたことができなくなり、状況判断が適切にできなくなる母親を見て、母親が母親でなくなっていくように感じていた著者が、「その人らしさとは何か?」について考え、「記憶を失うと、その人は“その人”でなくなるのか?」という問いに対して、著者なりの答を見出していくプロセスとしても興味深く読むことができる。 私にとって脳科学は関心のある分野の一つで、これまで、オリバー・サックス、ラマチャンドラン、茂木健一郎らの著書や、自閉症スペクトラム障害を含む発達障害(者)について書かれたノンフィクション物、一般書などを読んできたが、自ら50歳を過ぎ、自分や家族が認知症を発症した場合のことも気になり、本書を手に取った。 読み終えて、認知症の典型的な症状や、その医学的(脳科学的)な原因については概ね理解できたし、著者の「認知症になっても、母の母らしさは損なわれることはなかった。認知症はその人らしさを失う病気ではなかったのだ。」という“結論”にも基本的には同意する。 しかし、それでも、自分や家族が認知症になったとしたらと想像すると不安が先に立つものだが、本書には、著者が母親とぶつかった場面や、ネガティブな気持ちになった場面なども赤裸々に語られており、そうした現実的な側面を含めて、有用な一冊と言えるだろう。 (2022年1月了)

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2021/12/13

前に読んだ本だが文庫化を機に再読。 認知症のメカニズムと関連した脳科学・認知科学の知識が、実例を、しかも実感を持って書かれているだけによくわかる。ただ、結論部の”感情”についての議論の後半部分はちょっとまとまっていないと感じた。著者が母の現状について、それでも意味があることを納得...

前に読んだ本だが文庫化を機に再読。 認知症のメカニズムと関連した脳科学・認知科学の知識が、実例を、しかも実感を持って書かれているだけによくわかる。ただ、結論部の”感情”についての議論の後半部分はちょっとまとまっていないと感じた。著者が母の現状について、それでも意味があることを納得したくて、唯一大きく残っている「感情」に重きを置きたい、とも読める。行動に付随するものとしての感情と、その人らしい反応としての感情は、同じものなのだろうか。その人ならではの反応は、やはり”性格”のようなもので、反射的に表れる”感情”とは重なるところもあるけれど、重ならないところもあるのでは。

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