愛じゃないならこれは何 の商品レビュー

斜線堂有紀(著者)

2024/07/11

全部長編で見たくなるような作品。
とはいえ、短編だからこそインパクトがあったのかも。
ハピエン厨なので、『っえー！！！』と胃をキリキリさせながら読みました。
アイドルの話と、三角関係の話が特に好き。

2024/07/08

読書系YouTube「ほんタメ」においてMCのあかりんがほんタメ文学賞に選んだ作品のため購入。

恋愛をすることでおかしくなってしまう人間関係や自分自身を描いた短編集。
恋愛をすることで地獄に向かっている様子は読んでいてドキドキするのだけれど
もっとこう…村田沙耶香先生の作品のような心臓をグリグリと抉ってもう息が出来ないくらいの生きづらさに快感を覚えてしまっている私には結構ライトだったかも。初心者の皆さんでも安心。
なんだかんだでハッピーエンドも多かった印象。
人によってはたぶん完全なる地獄なんだろうけど、私にとっては最後「でも幸せならオッケーです！」な話が多かったように感じる。
周りからしたら間違っているような関係でも本人たちはそれで良い、って思って突き進んでその結果これで良かったんだって思ってるんだからハッピーエンドのような気がするんだよなぁ。

2024/05/23

──── 人気アイドルが、一般人へのストーカー行為
で逮捕されたら、どんな結末が待っているだろう。

5つの少し変わった愛の話。
初めて斜線堂有紀さんの小説を読みましたが、すごく読みやすい印象でした。
5つとも普通の恋心とは違っていて少しいびつで「おぉ…」となるようなお話でした。
私は特に4、5つめの男女3人の幼なじみの話が印象的でした。何とも苦しくいびつな感情の交差が読んでいて少々耐え難いものでした。しかし、実際にこんな関係が現実では有り得ないことかと言われるとそんな事も無いような気がしてしまいます。

2024/03/20

5篇の短編集。

まさにどれも、
「愛じゃないならこれは何？」
と、言いたくなりますね。

最近の若者の恋愛って、こんな感じなのかな？怖いなぁ…と思いつつ…つい読み切ってしまいました。

愛について語るときに我々の騙ること
の、主人公が変わったのが…
ささやかだけど、役に立つけど

2024/02/19

2024.2.19 読了

─この恋は、きっと地獄に続いてる。─
この帯文を見てどんな地獄が描かれているんだろうと少し身構えてたけど一途に不器用に恋をしている人たちのお話でした。
上手くいく恋も破れる恋も犯罪スレスレ(？)まで暴走する恋も様々あるけれどどの恋心も愛おしいと思えた私は年を食い過ぎたのでしょうか(笑)

─好きな人がウィキペディアに載っていないのが悲しかった─
この表現めちゃくちゃ好きでした。

2024/01/19

愛って人それぞれ
大きすぎると相手のキャパにちゃんと合致する人と出会わんとやっていけれん人生って本当に難易度高すぎる。

2023/12/05

ほんタメあかりんのおすすめで読んだ。
まさにタイトル通りだと感じた。

自分が知ってる「愛」ではないけど、「愛」という言葉でしか表せないような感情に振り回されていく人たちの話。

登場人物一人一人の抱くひとつひとつの感情は共感できるところがありつつ、それに由来する行動はすべからく地獄へ向かっている。ありえないと思いつつ、わからなくもないと思ってしまう怖さもあり。

自分は、「愛」という言葉を、無意識に綺麗なものだと思いすぎていたのかもしれない。

・自己の欲望の頂点のような、抗えない醜い感情。
・相手のことを自分のことよりも思いやる美しい感情。

相反するように見える２つの感情でも、同じ「愛」という言葉で表わされる。愛という言葉のもと、その得体の知れない沼に溺れていく彼女らを体現したような言葉。

2023/10/25

斜線堂さん初読み。さまざまな愛のカタチなのだろうけれど周りから見たら歪と思えるような感情。「愛じゃないならこれは何？教えて！」と主人公が一番知りたいのかも。進むべき方向がどんどん間違って「お～い、こっちに戻って来～い」と声をかけたくなる短編集。アイドルストーカーのお話が一番好きかな。面白かったです。

2023/08/15

ミステリ以上にミステリアスなのが恋愛！　中森明菜も歌っていましたね。推されるアイドルの方からの恋。カリスマ性と天秤にかけた恋。恋が絡んで綱渡り状態の「友情」。自分改造が疲労骨折に至る恋。ミステリと違うのは、謎は解けないこと、たとえ解けても解決されないことですね。それが恋愛ですからね。

2023/08/05

この小説で「ほんタメ文学賞」を受賞された斜線堂さんが、インタビューで、
「恋愛はQOLを下げる」とおっしゃっていました。
なんか分かる気がします…笑
そんな、恋に落ちたばかりにQOLがガタガタに下がったり、思いもよらない行動をとったりする人たちの短編集です。
ファンに恋したアイドルや、カリスマデザイナーのキャラを崩せない女性の恋模様は、立場に縛られるがゆえに拗れて行ってる感じが凄まじく、息苦しさが伝わるようでした。
一番グサっときたのは、好きになった相手と話を合わせるために趣味を寄せていく会社員の話です。
インドアな女性がサッカー観戦趣味の男性に全力で合わせているところは、まぁまだあってもおかしくないと思うのですが、登山趣味に合わせだすともう大変です。
両思いになる要素は趣味の一致だけではないと分かりつつも、好きになったらいくらでも相手のいる世界に浸りたくなる、可能性を高めたくなる、という心理は理解できます。
いい具合でとめられたら、相手に影響されても視野を広げる機会になって理想的ですが、理性で自分のQOLを保つ塩梅が分からなくなるのが、この小説に出てくる恋愛なんだと思いました。