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SFマンガ傑作選(文庫版) の商品レビュー

3.6

21件のお客様レビュー

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2024/08/31

 編者によると、『SFマンガ傑作選』と銘打たれた本書は、「黄金期である1970年代を中心として、メジャー作家の名編を採ることにした。目的は…有用な起点を示すことにある」とのこと。  本書に採用された作家は、手塚治虫、松本零士、筒井康隆、萩尾望都、石ノ森章太郎、諸星大二郎、竹宮恵子...

 編者によると、『SFマンガ傑作選』と銘打たれた本書は、「黄金期である1970年代を中心として、メジャー作家の名編を採ることにした。目的は…有用な起点を示すことにある」とのこと。  本書に採用された作家は、手塚治虫、松本零士、筒井康隆、萩尾望都、石ノ森章太郎、諸星大二郎、竹宮恵子、山田ミネコ、横山光輝、佐藤史生、佐々木淳子、高橋葉介、水樹和佳子、星野之宣の14名。  マンガはあまり読んでいないので、佐々木淳子さん以下の作家はその名前すら知らず、また本書収録作品で読んだことのあるのは、手塚治虫の『アトムの最後』ただ一編。  ロボット、コンピュータ、超能力者、ミュータント、人類滅亡の危機、宇宙からの異生物の襲来、別時間等々、正にSFといったテーマで描かれる各作品は、短篇ではあるがいずれも読み応えがある。  ストーリー性のある作品ももちろん良かったが、高橋葉介の『ミルクがねじを回すとき』は、キュートでチャーミングな女の子ミルクの無邪気な残酷さをコント風に描いていて、ちょっと変わった面白さだった。  編者による「SFマンガ史概説」が付されていて、興味の湧いた作者、作品を探すのに役に立ちそう。

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2023/10/10

山田ミネコの冬の円盤は知っていたが、これだけではなあと思った。 この漫画はせめて次作「誕生日が来ない」まで読まないと、この時点から既に張ってある伏線が回収できない。 解説でもそこにほとんど触れていないのは片手落ち。 本当は星野と笑の話はこの後数千年規模の未来まで続くとか真砂流は実...

山田ミネコの冬の円盤は知っていたが、これだけではなあと思った。 この漫画はせめて次作「誕生日が来ない」まで読まないと、この時点から既に張ってある伏線が回収できない。 解説でもそこにほとんど触れていないのは片手落ち。 本当は星野と笑の話はこの後数千年規模の未来まで続くとか真砂流は実はこの後…とかそこまでいくときりがないが。 佐々木淳子の初期作は初めて見たが、らしい読後感だった。 後に繰り返す時間を破るという似たコンセプトの短編があったが、こっちの方とは似てはいても大分趣が異なる。 解説がどうにも巧くないのがどれも気になるな。 適当にマイナーどころを集めて、やっつけで解説つけただけではなあ。 作品の背景とか良さは、この程度の解説では知っている人間はともかく現代人には伝わらないだろうな。

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2023/07/16

人口に膾炙したキャラクターは生き続けるのだ 超能力者の排斥という古典的なテーマを主軸として 牽牛は七夕で有名な彦星のこと ヘルマプロディトス=ギリシャ神話の半男半女はんなんはんにょ 編者の目的は「有用な起点を示すこと」にある

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2023/06/11

手塚治虫の「アトムの最後」、このロボットと人間の対峙の絶望感たるや手塚治虫でございという…凄いとしか言いようがない…。 しかしメーテルの影響なんだろうが、松本零士の描く女性の””現実に存在しない夢で会う美女””感が凄まじいな…たまらなく魅力的なんだけども、ミステリアスで怖くて…。...

手塚治虫の「アトムの最後」、このロボットと人間の対峙の絶望感たるや手塚治虫でございという…凄いとしか言いようがない…。 しかしメーテルの影響なんだろうが、松本零士の描く女性の””現実に存在しない夢で会う美女””感が凄まじいな…たまらなく魅力的なんだけども、ミステリアスで怖くて…。 筒井康隆、マジで漫画描いてたんだな…。 個人的には高橋葉介の「ミルクがねじを回す時」のキャワワファンタジックな風に見せかけて不条理SFド真ん中で不穏に終わる世界観が好きだな…。

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2022/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「1970年代SFマンガ傑作選」と書名を改めよ。 そうしなければミスリードを誘う総題だ。 また「1970年代SFマンガ傑作選(少女マンガを中心に)」とすべきかもしれない。 要は「偏りあり」のアンソロジー。ということ。 編者による「SFマンガ史概説」はコンパクトでいいが、安牌並べましたというアンソロジーへの姿勢は、どうかしらん。 編者の向後10年に渡る「名刺作成」に読者として付き合わされた感じがある。 そこからはずれた印象の強い高橋葉介「ミルクがねじを回す時」が、最も好き。 @ 手塚治虫「アトムの最後」 ★ 松本零士「ヤマビコ13号」 筒井康隆「急流」 萩尾望都「あそび玉」 ★いわずもがな 石ノ森章太郎「胎児の世紀」 ★ 諸星大二郎「生物都市」 ★いわずもがな 竹宮惠子「ジルベスターの星から」 山田ミネコ「冬の円盤」 横山光輝「昆虫惑星」 佐藤史生「金星樹」 佐々木淳子「リディアの住む時に…」 高橋葉介「ミルクがねじを回す時」 ★★★ 水樹和佳子「樹魔」 星野之宣「残像 AN AFTER IMAGE」 「SFマンガ史概説」福井健太

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2022/10/29

小説は時々手に取るけど、SFマンガってそういえばほとんど読んだことがないなぁと思い購入。1970年代をメインに選ばれた短編マンガ14作の、ボリューミーな1冊。 名前だけは知っているメジャー作家さん、こんな画風なのかぁ、とか、50年前の宇宙観ってこういう感じだったのかな、とか色々み...

小説は時々手に取るけど、SFマンガってそういえばほとんど読んだことがないなぁと思い購入。1970年代をメインに選ばれた短編マンガ14作の、ボリューミーな1冊。 名前だけは知っているメジャー作家さん、こんな画風なのかぁ、とか、50年前の宇宙観ってこういう感じだったのかな、とか色々みえて面白かった。 『冬の円盤』(山田ミネコ)は<最終戦争>シリーズの1作目とのことだが、これだけでも少年少女の心のうちや暗い未来の様子が切なく描かれていて味わい深い。 遠い未来で、滅びかけている人類は気力をなくし、過去を懐かしむだけでいる―― 「それは本当に愛したりにくんだりすることを 忘れた心の上に咲いた空ろな文化です」 『樹魔』(水樹和佳子)はとてもうつくしい話・・・けれども、未知のエネルギーが人間と情を交わし合い、願いを聞き届ける――というのは、うつくしすぎて哀しい。理想ですらないような"未知との邂逅"で、それがまた印象に残る。 全体を読み進むに従い、だんだんと世界が拡がっていく感じがする。そして最後は、太古の地球の姿。 編者による概説も面白かった。最近のマンガにはあまりSFって多くないのかな、と漠然と思っていたが、科学が発展し宇宙に頻繁に行くようになるとリアルとの整合性を考えなければならない部分もあるだろう。裾野をひろげていろいろなジャンルと少しずつ混ざり合っているところなのかなーとも思った。

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2022/08/14

絵にもストーリーにも昭和を感じる、日本SF黎明期の作品の数々。宇宙とか、未知のものに対するロマンがぎっしり。

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2022/04/13

図書館で。 多分ですが、選者の黄金時代SF選なのではなかろうか?いかんせんちょっと古すぎる気が… ちょっと(大分絵柄が…)読みづらくて途中で断念。 自分だったら何を選ぶかなぁ?手塚治虫だったらライオンブックに入ってた安達が原が一番印象に残ってるかなぁ。火の鳥も忘れられないけれど...

図書館で。 多分ですが、選者の黄金時代SF選なのではなかろうか?いかんせんちょっと古すぎる気が… ちょっと(大分絵柄が…)読みづらくて途中で断念。 自分だったら何を選ぶかなぁ?手塚治虫だったらライオンブックに入ってた安達が原が一番印象に残ってるかなぁ。火の鳥も忘れられないけれども。あと、SFで漫画だと、少女漫画だと11人いるとかかな。うん、自分の選も古いな(笑) 最近のSFだとどういうものがあるのだろう?Dr.StoneもSF枠かな。少女漫画はどうなのかな~

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2023/10/30

読了2021.12.04 佐藤史生、水樹和佳子が収録されているので購入。 バラエティー豊かな作品を、こうして一気に読めるのは嬉しいです。

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2022/03/03

懐かしい漫画と再会した。 これらの作品の中で、私にとってのSFマンガNo.1の作者は松本零士。松本零士のマンガ・アニメこそ私をSFの世界に導き、没頭させてくれた恩人のようなもの。思い起こせば、松本零士の「宇宙戦艦ヤマト」から「銀河鉄道999」「キャプテン・ハーロック」「クイーン...

懐かしい漫画と再会した。 これらの作品の中で、私にとってのSFマンガNo.1の作者は松本零士。松本零士のマンガ・アニメこそ私をSFの世界に導き、没頭させてくれた恩人のようなもの。思い起こせば、松本零士の「宇宙戦艦ヤマト」から「銀河鉄道999」「キャプテン・ハーロック」「クイーン・エメラルダス」へ、そして「男おいどん」に辿り着くまでに、数々の作品を集めまくった時代が懐かしい。だが、それらの本は一体何処へ消えたのだろう。 手塚治虫、石ノ森章太郎、諸星大二郎は安定の作品を繰り広げている。横山光輝の作品では核戦争による人類滅亡の話も出てきており、昨今の話題にも通じるものがある。SFでは昔から核戦争、第3次世界大戦後の世界を扱っているが、私が生きている間によもやそれが現実になる日が近づいているとは・・・どうみても絵空事で虚構(Fiction)の話と思っていた。 やはり、少女漫画とSFは水と油だった。ハードSFがどうしてもハードにならない。一方、正確に述べると、考え方にも依るが、少女漫画とSFファンタジーの相性は良さそうだ。 最後に、筒井康隆、ヘタウマにもならない。

Posted byブクログ