1R1分34秒 の商品レビュー
ウメキチに出会ってから加速的に面白くなった! 主人公が自分自身、ボクシング、勝利に 真正面から向き合っていく姿がかっこいい。 中途半端じゃない真剣だからこその恐怖。 ウメキチも、ガールフレンドも、友人も 最高だったなぁー! 河辺で友人の前でシャドウするシーンと 対戦相手が決まっ...
ウメキチに出会ってから加速的に面白くなった! 主人公が自分自身、ボクシング、勝利に 真正面から向き合っていく姿がかっこいい。 中途半端じゃない真剣だからこその恐怖。 ウメキチも、ガールフレンドも、友人も 最高だったなぁー! 河辺で友人の前でシャドウするシーンと 対戦相手が決まってガールフレンドに恐怖を吐露して次の日、別れを告げるシーンが好き!
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ヒリヒリするボクサーのはなし。 男の物語。 『人生クライマー』をみたばかりなんだけど、それも、誰も登ってない崖を登りたい。 クライマーをやめられない。 ボクサーをやめられない。 町田康の解説がよかった。
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無気力負け組から負け組への脱却 そんな小説だったような気がしました。 ボクシングを題材とした場合、一般的なイメージとしてはギラギラした生とか、(入子型の)自分の存在意義の模索などをストーリー展開に絡めてくるようなものが多い気がします。 「あしたのジョー」とか、寺山修司の「あゝ荒...
無気力負け組から負け組への脱却 そんな小説だったような気がしました。 ボクシングを題材とした場合、一般的なイメージとしてはギラギラした生とか、(入子型の)自分の存在意義の模索などをストーリー展開に絡めてくるようなものが多い気がします。 「あしたのジョー」とか、寺山修司の「あゝ荒野」「ミリオンダラー・ベイビー」「キッズ・リターン」最近なら「春に散る」 勝ち組と負け組のコントラストがはっきりしていて、その狭間で苦悩する登場人物たちが印象的であったりします。 ただ、主人公のボクは物語の中で、意欲の輪郭もみえないような状態でボクシングをしているところからスタートします。 対戦相手を憎むどころか(一般的なボクシングものは対戦相手もしくは自分と相対的な何かを憎むことが多い)、親友にも近い感情を持ってしまっています。 他人を憎めない者は、勝ち組とか負け組とかそのような仕分けは存在しないのかもしれません。 それはそれで、生きていくモチベーションや羅針盤をおのれの中で作りにくいのかもしれません。 他人を憎むということは、自分を相対化しやすくする効果があると思いますので。 なかなかチャレンジングなことをやってそうな小説だと思いましたが、わたしにはちょっと合いませんでした。
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主人公は21歳のプロボクサー。デビュー戦をKOで飾るが、その後の戦績は思わしくない。やたらと内省的で、彼の思考がぐるぐると、あえての(多分)わかり辛い文章によって、延々と続いていく。 ボクサーってもっと野心家というか、「成り上がってやるぜ」「絶対勝つぜ」みたいなギラギラした目付...
主人公は21歳のプロボクサー。デビュー戦をKOで飾るが、その後の戦績は思わしくない。やたらと内省的で、彼の思考がぐるぐると、あえての(多分)わかり辛い文章によって、延々と続いていく。 ボクサーってもっと野心家というか、「成り上がってやるぜ」「絶対勝つぜ」みたいなギラギラした目付きの人たちだと思っていたが、もちろんそれは勝手なイメージで、彼のような内省的、考えすぎなキャラだって居るのだろう。負けが込んで、自らの能力の限界が見え始めたら尚さら。 しかし、3敗目を喫し無力感に陥っていた彼の前に新しいトレーナーのウメキチが現れる。このウメキチの関わり方が心地よい。本人を否定しないし、よく見ている。身体の使い方とか、体調とか、食事とか、睡眠のとり方とか。細かい点まで見て理解してくれた上で的確な助言を与え、弁当まで作ってくれる。最初は反発していた彼も次第にウメキチを信頼するようになり、気持ちが変化していく。 ボクサーに限らず、今の若い世代ってきっとこんな先輩を求めているんだろうなと思った。自分を知ってほしい、自分に合ったやり方を丁寧に教えてほしい、上から目線じゃなく対等であってほしい。そして、ウメキチは決して彼に尽くしているわけではなく、自身もボクサーで自分の研究のためにやっているのだ、というところも念が入っている。 生きていれば多かれ少なかれ、試合に臨むボクサーのように、試練とかヤマ場を迎えては何とか乗り越え、ほっとすると次の試練が来て、無理だ、自分はもうダメかもと思ったり、の連続だと思う。日々ぐるぐると内省しながら戦っているのではないか。 最後の最後に、タイトルの「1ラウンド1分34秒」が出てくる。彼の「勝ちたい」気持ちに感動したし、良いラストだなと思った。
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自分の職業と状況と重なる部分があって読みながら考えさせられた。この試合に勝ったからといって状況は変わらない、でも変えるためには試合をし続けなければならないという可能性と不条理について本当に共感できた。自分を犠牲にしながら戦うことの意味を教えてもらったし、理由はどうであれ難しいこと...
自分の職業と状況と重なる部分があって読みながら考えさせられた。この試合に勝ったからといって状況は変わらない、でも変えるためには試合をし続けなければならないという可能性と不条理について本当に共感できた。自分を犠牲にしながら戦うことの意味を教えてもらったし、理由はどうであれ難しいことは一切抜きにして目の前のことにひたむきになれた時が人間1番強いなと思った。
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自分の心の葛藤を、下手に綺麗にせず葛藤のまま書かれた文が多く、印象に残った。 爽やかなスポーツ小説といったものではないが、登場人物たち全員に対して、わかるよ、頑張ってくれ、報われてくれ、、と思わずにはいられなかった。 170ページ程度だが、描かれている期間も1年程度(?)と短く...
自分の心の葛藤を、下手に綺麗にせず葛藤のまま書かれた文が多く、印象に残った。 爽やかなスポーツ小説といったものではないが、登場人物たち全員に対して、わかるよ、頑張ってくれ、報われてくれ、、と思わずにはいられなかった。 170ページ程度だが、描かれている期間も1年程度(?)と短く、密度の濃い話だと感じた。
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初読みの作家さんで芥川賞受賞作。 正直、ページ数の割に読むのに時間がかかるくらい引っ掛かりの多い作品でした。 ボクシングの描写はリアルに描いているけれど、スポーツ系と言うよりも、さらにその奥にある人生の葛藤や悩み成長を濃く書かれている感じ。 好きで始めたボクシングに対しての感...
初読みの作家さんで芥川賞受賞作。 正直、ページ数の割に読むのに時間がかかるくらい引っ掛かりの多い作品でした。 ボクシングの描写はリアルに描いているけれど、スポーツ系と言うよりも、さらにその奥にある人生の葛藤や悩み成長を濃く書かれている感じ。 好きで始めたボクシングに対しての感情は、虚無感や目的を見失ってしまう今の自分の生き方にシンクロしてくる感じがあった。だから、この作品がスッと読めなかったのかな。 読了短歌 窓から 見える枝のカゲ 伸びる様子は 葛藤なのか 成長か
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人の心の中の渦巻いている感情をうわぁ〜!っと書き切ったような本だと思った。 だからわりとボクサー用語とか関係なく難しい文章が自分の中であった。 主人公の周りの人達がなかなかに面白い人達だなと思った。 好きだと思っていたことが本当に好きなのかわからなくなるのはわかるから、感情は...
人の心の中の渦巻いている感情をうわぁ〜!っと書き切ったような本だと思った。 だからわりとボクサー用語とか関係なく難しい文章が自分の中であった。 主人公の周りの人達がなかなかに面白い人達だなと思った。 好きだと思っていたことが本当に好きなのかわからなくなるのはわかるから、感情は移入した。 けど、自分と違う部分は多々あるのでそこも面白かった。 人に迷惑かけないで生きるのは無理なんだから、迷惑をかける、というより人を気にしない時期があってもいいんじゃないかなと思った。
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かっこいい、とは言えない負け越し中の4回戦ボクサー。3回TKO負けを喫した前戦後、トレーナーが代わり、練習内容も変わる。トレーナー自身も負けが込んでいるプロボクサーで、彼もその先の自分の勝利ために指導を担当する。 主人公は相手を研究するうち、勝ちたいという思いよりも相手そのものの...
かっこいい、とは言えない負け越し中の4回戦ボクサー。3回TKO負けを喫した前戦後、トレーナーが代わり、練習内容も変わる。トレーナー自身も負けが込んでいるプロボクサーで、彼もその先の自分の勝利ために指導を担当する。 主人公は相手を研究するうち、勝ちたいという思いよりも相手そのものの存在が大きくなり、夢の中で友達になるという性癖を持つ。それでも今回は、階級も経験も上の相手にスパーで負けたり、試合が近づくにつれて減量が激化したりする中で、怒りや涙といった闘争心につながる感情がジリジリと次第に燃えていく姿に、主人公の人間らしさを見た。 スポーツ小説ではなく、どちらかというと人間の内面を描いた叙情的で、観念的な文学作品だった。
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本作はスポーツ小説ではなく、著者渾身の青春文学だ。 解説を入れて182頁と短めの小説だが良い意味でスラスラと読ませてくれなかった。「発見」が沢山あった。今後の糧にしよう。ボクシング知識皆無の私だが、ボクサーの方々の見えない苦悩が少し垣間見えたように思う。
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