32歳。いきなり介護がやってきた。 コミックエッセイ の商品レビュー
私は看護師として一般病棟で勤務しています。認知症の方、癌と診断されこちらが想像してもしきれない苦痛を抱えている方、家族が病に犯され1番知っている存在のはずが自分の目を疑わなければならない様な状況に突然陥ってしまう家族。私の日常には仕事という場の中でそのような方たちと関わることが多...
私は看護師として一般病棟で勤務しています。認知症の方、癌と診断されこちらが想像してもしきれない苦痛を抱えている方、家族が病に犯され1番知っている存在のはずが自分の目を疑わなければならない様な状況に突然陥ってしまう家族。私の日常には仕事という場の中でそのような方たちと関わることが多いのでこの本を読んでいてわりとすんなり読み進めることが出来ました。しかし、やはり看護師として毎日そういった方を目の前に業務を行なっているため1番大切で忘れてはいけないことを改めて実感しましたし、ずっと心に留めておこうと思っていてもふと振り返った時にそうでは無い場面の方が多かったことに反省をしました。私の日常には病だとか、苦しむ人だとか判断を迫られる家族の姿があります。ですが普段医療から程遠い生活をしている人々にとってそれは人生の特大ブラックイベントであり目の前の景色が急変する出来事なのだということを。そして、自分自身の家族がもしもこうなってしまったら、自分では看病や介護が難しいけれどとても大切な大切な家族を任せなければならないという状況になったら。他の人に任せてしまう罪悪感を抱きながらも1人で生きていくことが困難になってしまった大切な存在がどんな場所でどのような扱いを受けるのか、不安も大きいと思います。 やっぱり私は患者さんやご家族の方が安心して、自分の命を謳ってその人らしく生きていくことをサポートし続ける看護師でありたいなとなんだか初心をも思い出しました。
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1番印象に残ったフレーズは 「罪悪感がなかったかといえば嘘になる。だけど結局決断の時にいつも思うのは、「父のために何かを我慢したら、結局父をうらんでしまう」ということだった。」 という部分でした。 頭では病気のせいだとわかっていても心が受け入れられずイライラするやりとり。嫌だけど...
1番印象に残ったフレーズは 「罪悪感がなかったかといえば嘘になる。だけど結局決断の時にいつも思うのは、「父のために何かを我慢したら、結局父をうらんでしまう」ということだった。」 という部分でした。 頭では病気のせいだとわかっていても心が受け入れられずイライラするやりとり。嫌だけど向き合わないといけない下の世話。日々追い詰められて余裕を失って、あらゆる場面で我慢する選択をしてしまっていたけど、母を恨む前にどうしたらやりたいことができるかを立ち止まって考えるべきなのかも…とはっとさせられました。 そして、筆者の母が亡くなる場面では、父の死を思い出し、葬儀の場面では涙が止まらなくなりました。 その場面で父のことを思うと同時に、今イライラすることはあるけれど、やはり母には生きていてほしいとも改めて強く思いました。 この筆者の壮絶なワンオペ介護は半年で終わったようだけど、私はどうなるか…介護は平均20年とも聞くので途方もなく実感も湧きません。半年は短いじゃないかと羨ましくも思ったけど、母を恨む前にできる方法を見つけてやりたいことを諦めずに生きていきたいです。
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お母さんが亡くなったシーンで大号泣しました。お父さんの認知症は徐々に進行していくけど、お母さんのガンは急速に進行していって、お父さんは認知症でお母さんもとなるとどうしていったら良いのかわからなくなると思う。そんな中でも筆者は思ったことを文字に書いて言語化し、後から見返すなどするこ...
お母さんが亡くなったシーンで大号泣しました。お父さんの認知症は徐々に進行していくけど、お母さんのガンは急速に進行していって、お父さんは認知症でお母さんもとなるとどうしていったら良いのかわからなくなると思う。そんな中でも筆者は思ったことを文字に書いて言語化し、後から見返すなどすることで客観的に今の状況を捉えようとさていたところが凄いなと思った。また、社会的処方というものもあるので自分も使ってみたいと思った。「決断はその都度変えていいんだよ」という看護師の方の言葉は自分の人生の中で非常に役に立つ言葉だ。目まぐるしく変化する状況の中でその都度考えて判断することが必要だと学んだ。介護が自分もすぐにくるかもしれないしまだまだ来ないかもしれないが、その都度その都度判断していきたいし作中でも沢山言われてきた今ここにある日常、当たり前を当たり前と思わずに行動していきたい。
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マンガだと思って手に取ったらエッセイでした。読みやすくて最後まで読了。親の介護が必要になったら?、自分に介護が必要になったら?と想像しながら読みました。認知症の家族がいたら、本人も介護する家族も、社会の輪に入って一人で悩まないことが大事なんだなぁと気づけました。介護に限らず、休職...
マンガだと思って手に取ったらエッセイでした。読みやすくて最後まで読了。親の介護が必要になったら?、自分に介護が必要になったら?と想像しながら読みました。認知症の家族がいたら、本人も介護する家族も、社会の輪に入って一人で悩まないことが大事なんだなぁと気づけました。介護に限らず、休職中や一人暮らしも、誰かと関わりお話することで救われることはあるよなと。 介護がどんなものか想像ができない方に、心の準備として、オススメしたい本です。
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Kindle Unlimitedにて。 マンガかと思って開いたらエッセイだったけれど、少し読んで引き込まれて一気に読了してしまった。 若年性の認知症になったお父様の介護、だけでなく、その後に重なるお母様のガン(ステージIV)発覚・入院。 突然くる親の変化と、必要な行動と、複雑...
Kindle Unlimitedにて。 マンガかと思って開いたらエッセイだったけれど、少し読んで引き込まれて一気に読了してしまった。 若年性の認知症になったお父様の介護、だけでなく、その後に重なるお母様のガン(ステージIV)発覚・入院。 突然くる親の変化と、必要な行動と、複雑なご自身の心と。 客観視するのが難しい当事者のお気持ちが丁寧に綴られていて胸を打った。 この本で、「確かさ」がなくなってゆらいでいく親を受け止める心の準備を一歩進ませてもらった。 そして「書き留めていらだちの原因を可視化する方法はやっていこうと思った。 自分の状態を客観視し、親との関係を保つために。 ------ 『毎日を過ごす中では、度々起きる小さな事件も、記録しなければそれきりで忘れてしまう。いらだちの原因は忘れてしまうが、ネガティブな感情だけが積み重なってしまうのだ。』p61 ●NHKスペシャル「認知症の第一人者が認知症になった」 認知症医療の第一人者であり、〝痴呆〟という呼称を〝認知症〟に変更した長谷川和夫さん。ご自身が認知症になったことを公表し、その後の生活を追ったドキュメンタリー 『 長谷川さんは、自身の認知症についてこう話す。 「いつも確認していなくちゃいけないような、そういう感じ。自分自身が壊れていきつつあることは、別な感覚でわかっている。十分にわかっているつもりではないけども、ほのかにわかっている。確かさ、確かさっていう生活の観念が。生きている上での確かさが少なくなってきたように思うんだよね」』p70
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