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べストSF2021 の商品レビュー

3.4

12件のお客様レビュー

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2023/05/24

SF。短編集。 「馬鹿な奴から死んでいく」「本の背骨が最後に残る」は、異形コレクションで既読のためスルー。 好きだった上記2作を除いてしまうと、正直イマイチ。 苦手な作品が多かった。 そんな中でも、柞刈湯葉「人間たちの話」はなかなか好み。 全体的に不思議な感覚の作品が多く、個人的...

SF。短編集。 「馬鹿な奴から死んでいく」「本の背骨が最後に残る」は、異形コレクションで既読のためスルー。 好きだった上記2作を除いてしまうと、正直イマイチ。 苦手な作品が多かった。 そんな中でも、柞刈湯葉「人間たちの話」はなかなか好み。 全体的に不思議な感覚の作品が多く、個人的には、もっとハードなSFを読みたい。

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2022/12/20

冒頭2作が面白いと思えず心が折れかけたけれど、それ以降はだいたい面白かった。「人間たちの話」「本の背骨が最後に残る」が特に良かった。目当てだった伴名練「全てのアイドルが老いない世界」は魅力的な設定ではあるものの関係性の描き込みが物足りず、もう少し長編で読みたい(連載漫画とか)と思...

冒頭2作が面白いと思えず心が折れかけたけれど、それ以降はだいたい面白かった。「人間たちの話」「本の背骨が最後に残る」が特に良かった。目当てだった伴名練「全てのアイドルが老いない世界」は魅力的な設定ではあるものの関係性の描き込みが物足りず、もう少し長編で読みたい(連載漫画とか)と思った。全体的に良かったので2022も買った。2020も読みたいし、気に入った話の作者の単著も買ってみたい。とりああえず『人間たちの話』『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』あたりか。斜線堂有紀のSF短編集の予定はないのかな。

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2022/09/15

このベストSF2021は、東京創元社から刊行された「年刊日本SF傑作選」の後継に相当し、竹書房文庫へ移行したベストSFシリーズの第2弾。ベストSF 2020は普通評価だったこともあり、それよりも優れたアンソロジーになっていて欲しいと期待しつつ読み始めた。 例によって、本書の感想...

このベストSF2021は、東京創元社から刊行された「年刊日本SF傑作選」の後継に相当し、竹書房文庫へ移行したベストSFシリーズの第2弾。ベストSF 2020は普通評価だったこともあり、それよりも優れたアンソロジーになっていて欲しいと期待しつつ読み始めた。 例によって、本書の感想を簡略に述べる。 〇 円城塔「この小説の誕生」 編者の大森望はこの円城塔が大好きのようだ。たぶん今後も毎回トップバッタに置くのでしょう。芥川賞作家だからなのだろうか。しかしこの作品ってSFなの?前回の歌束でも同様な感想だった。 〇 柴田勝家「クランツマンの秘仏」 何とか最後まで読み終えました。 〇 柞刈湯葉「人間たちの話」 なかなか良かった。新野境平の人格形成過程と横浜駅SFを彷彿とさせる非高分子生命体の2つがうまい具合に絡み合ってストーリーが展開していくのが素晴らしい。もう一つ素晴らしい作品を読んだら、柞刈全作品制覇の欲望も膨らむかもしれない。 〇 牧野修「馬鹿な奴から死んでいく」 ああ、面白かった。続編が異形コレクション第52巻に掲載されるらしい。早速調達せねば。相棒の活躍がまた見れるのかな。 〇 斜線堂有紀「本の背骨が最後に残る」 この作品も素晴らしい。擬人化の手法も卓越しているし、盲目の本の心理描写も優れて、感情移入してしまいそうだった。 〇 三方行成「どんでんを返却する」 意味不明 〇 伴名練「全てのアイドルが老いない世界」 飛浩隆と同じで、文章が長いだけ。たぶん今後もスキップし続けるだろう。 〇 勝山海百合「あれは真珠というものかしら」 不思議な作品 〇 麦原遼「それでもわたしは永遠に働きたい」 こうなると労働と脳活動との単純な関係を超えた社会でも何らかの違法行為が発生するとは。24時間、脳を使ってもきちんと生きていける技術はすごい。人類は覚せい剤を別な意味で克服したとも言えるが、そんなに人体は甘くないのかな。 〇 藤野可織「いつかたったひとつの最高のかばんで」 ハーメルンの笛吹き男みたいな感じ 〇 堀晃「循環」 堀晃だからハードSFかと思いきや、単なる備忘録・自慢話等々。眉村卓と同じ終活作品の臭いがする。もう断筆して下さい。 以上、空木春宵クラスの作家は無かったが、柞刈湯葉・牧野修・斜線堂有紀・藤野可織には今後もウォッチしていきたいと思う。さあ、ベストSF 2022も入手したことだし、新たな作品との出会いが楽しみだな。

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2022/07/12

2020年に発表されたSF短編の傑作選。SFとは言ってもかなり広義で、読み味はさまざまな作品が集まっている。

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2022/07/10

ベストSFというより、ベスト短編という趣で、宇宙が舞台だったりするいかにもSFは一切出てこない(あ、ちょっとら関わりある話はある)けど、それぞれの作家さんの作品がどれもきっちり楽しませてくれる、まさに珠玉の短編集だ。 特に伴名練の「全てのアイドルが老いない世界」、斜線堂有紀の「本...

ベストSFというより、ベスト短編という趣で、宇宙が舞台だったりするいかにもSFは一切出てこない(あ、ちょっとら関わりある話はある)けど、それぞれの作家さんの作品がどれもきっちり楽しませてくれる、まさに珠玉の短編集だ。 特に伴名練の「全てのアイドルが老いない世界」、斜線堂有紀の「本の背骨が最後に残る」、藤野可織の「いつかたったひとつの最高のかばんで」が印象に残った。

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2022/04/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

良作もいくつかあったものの、全体的にはまあまあな感じ。 「この小説の誕生」★★☆☆☆ - 円城塔らしく、実験的な作品。目の肥えた読者ならきっとこういう普通じゃない作品を好むんだろうけど。もはやSFなのかと。 「クランツマンの秘仏」★★★★☆ - 柴田勝家。異常論文と呼ばれる論文形式SFのブームの火付け役だそうだ。 - 信仰の強さと質量は比例する、とか 「人間たちの話」★★★★★ - 柞刈湯葉作品、面白かった。地球外生命を探索する科学者の境平と、同居することになった甥の累。どちらも人間としての感情が欠落しているような人間たちで、境平が発見した火星生物もまたほとんど生物には見えないようなものだった。そんな中で最後2人はものすごく人間的な家族になっていく描写が素晴らしい。 「馬鹿な奴から死んでいく」★★★☆☆ - 微グロファンタジーみたいな感じ。 「本の背骨が最後に残る」★★★★★ - すべての本を焼いた国では、物語を記憶した人間が「本」と呼ばれているというキチ設定に加え、物語を正しく語れなかった「本」は火に焚べられ焼かれるというエグ設定。SFというか奇妙な世界の物語だけど、面白かった。 「どんでんを返却する」★☆☆☆☆ - レンタルしていた「どんでん」という何かを返却するだけのドタバタ劇。これがホントのどんでん返し小説…的なただのくだらないジョーク。 「全てのアイドルが老いない世界」★★★★☆ - 伴名練。アイドルというあまり興味のない題材だったものの、その設定の奇抜さがあっぱれだなと。 - アイドルが人気がある限りファンから生気を集めて老いずにいられるという設定。私、愛星理咲は数百年間アイドルを続けている。 「あれは真珠というものかしら」★☆☆☆☆ - 知能を高められた特殊な動物種、知性化動物たちの学校の物語。 「それでもわたしは永遠に働きたい」★★★☆☆ - ジムで運動してる間に脳の活動だけ提供し、仕事をさせる「朗働」が普及している世界。もっと働きたいというわたしが崩壊していく。 - 新しい設定は評価したいが途中で疲れた。 「いつかたったひとつの最高のかばんで」★★★☆☆ - ある日失踪した女性の家には大量のかばんがあった。その人は最高のかばんを追い求めていて、ついにそれを見つけて旅立った。大量のかばんは同僚の女性たちに配られ、もらった女性たちも全員姿を消した。 - SFを期待しているとややズレるけど、不思議な物語。 「循環」★☆☆☆☆ - SF作家による自伝的短編であり、全くSFではなく、退屈だったのでスキップ。

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2022/04/21

2022/04/21 読了  SFに特に詳しいほどでは無いが好き、という読者である。もっとコアなSFマニアでないと読めないかな、と思いきや、初心者でものめり込める作品があり思ったよりよかった。 特に印象に残ったのは「本の背骨が最後に残る」。紙媒体の本がない世界で、物語を完全に暗...

2022/04/21 読了  SFに特に詳しいほどでは無いが好き、という読者である。もっとコアなSFマニアでないと読めないかな、と思いきや、初心者でものめり込める作品があり思ったよりよかった。 特に印象に残ったのは「本の背骨が最後に残る」。紙媒体の本がない世界で、物語を完全に暗記して口授してゆく人を「本」と呼ぶというものすごい設定。一つの物語につき一人の「本」がいるが、主人公の出会った「本」は10もの物語を有する。  もっともこの世界では同じ物語を記録した「本」が複数ある場合があり、その場合はどちらが正しいか「版重ね」と呼ばれる儀式で決着をつける。この「版重ね」に負けると谷底に落とされ、焼かれて死んでしまう。    他にも、奇抜で印象に残る作品が多かった。 私はこの手のアンソロジーものを(作家を見つける意味も込めて)結構沢山買い込んで読んでいる。あたりはずれや好みに合うか合わないか、本によって様々だが、本書はあたりが多かった部類ではと。

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2022/04/14

伴名 錬「全てのアイドルが老いない世界」を目当てに買ってまぁ間違いなく面白かったのだけど、その他に良かったのは、柴田勝家「クランツマンの秘仏」はさすが異常論文のキッカケとなっただけあると思った。柞刈湯葉「人間たちの話」は既読だったが、再読してしまったくらいには名作。斜線堂有紀「本...

伴名 錬「全てのアイドルが老いない世界」を目当てに買ってまぁ間違いなく面白かったのだけど、その他に良かったのは、柴田勝家「クランツマンの秘仏」はさすが異常論文のキッカケとなっただけあると思った。柞刈湯葉「人間たちの話」は既読だったが、再読してしまったくらいには名作。斜線堂有紀「本の背骨が最後に残る」もいかにも異形コレクションにありそうな、独特の世界観がたまらない。全くノーマークだった勝山海百合「あれは真珠というものかしら」は解説にもあったが短い話の中に詰め込まれた要素がきれいにまとまっていて余韻もよく、感心してしまった。

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2022/02/20

堀晃作品を読みたくて その目的は達成できた。若い頃熱狂的に読んだトリニティシリーズ。あの感動は今もなお新鮮だ。

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2022/01/09

大森望編『ベストSF2021』読了。 竹書房に移籍した国内短編SFの年間傑作選。 柞刈湯葉「人間たちの話」と斜線堂有紀「本の背骨が最後に残る」の2強かな。 前者は宇宙外生命探査に絡めた不器用な"人間たち"の交流を描く人情話。後者はダークな童話的世界観で逆転裁判...

大森望編『ベストSF2021』読了。 竹書房に移籍した国内短編SFの年間傑作選。 柞刈湯葉「人間たちの話」と斜線堂有紀「本の背骨が最後に残る」の2強かな。 前者は宇宙外生命探査に絡めた不器用な"人間たち"の交流を描く人情話。後者はダークな童話的世界観で逆転裁判的な駆け引きと後味の悪さがいい

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